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2022.03.17

星野リゾートとのコラボによる『2022 Jeep Hokkaido Lifestyle Session』パート2/特別対談:星野リゾート代表 星野佳路氏とStellantisジャパン代表取締役兼CEO ポンタス・ヘグストロム氏が“体験”をキーワードに語り合う。

どんな時代でも体験提供の本質は変わらない

──ここで話題を変えます。世界中がコロナ禍となり、時代はニューノーマルへと移っていくと言われています。その中で旅行業界および自動車業界は、どのような体験を提供していくのでしょうか?

星野氏:コロナの前と後で観光体験のつくり方、演出の仕方が変わるとは思っていません。元より有名観光地で仕事をしてきたわけではなかったので、世の中がどうあれ、おもしろい体験を提供する以外に我々の使命はなかったですから。そう断言できるのは、星野リゾートはクルマでも行けるマイクロツーリズムを提案してきた背景があるからです。もちろんコロナの蔓延は旅行業にとって脅威でしたが、いち早くホームページで最善の対応をお伝えし、温泉が安全であることをアピールしました。ただし『OMO7旭川 by 星野リゾート』のような都市観光拠点では回復に時間がかかるでしょう。それもコロナが収まれば需要が戻るでしょうから、サービス自体を改める必要はないと思っています。

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──対して自動車業界は、コロナ禍でも全般的な売り上げが落ちませんでした。

ヘグストロム氏:確かにクルマの需要は伸びました。個人が安全に移動できる手段だったからですが、それだけが理由ではないと思います。以前の日本人の旅行は海外が中心でしたよね。しかし、日本に限らずどの国も同じですが、コロナ禍で行動が制限されたことで自国を再発見する機会が巡ってきた。そのツールにクルマが選ばれたのはコロナの副作用と言っていいかもしれません。星野さんがおっしゃった日本を再発見できるマイクロツーリズムに、我々もモビリティの提供者としてさらに貢献していきたいです。

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星野氏:ヘグストロムさんのご指摘の通り、パンデミック前は海外に行くのが旅行と考えていた日本人が多かったですね。これは、20年から30年前に国内リゾートで体験したよくない記憶の影響が強いのだろうと思います。そういう方たちが今回日本を旅してみて、地方もよくなったと感じていただけた。これもヘグストロムさんの言葉を借りればパンデミックの副作用です。
それから、他の業界のことはわかりませんが、いいクルマを買ってもハワイには行けませんよね。すると私たちにとっては、旅に出たくなるクルマは非常に大事で、クルマ旅行が増えれば快適なステイ先も必要になってくる。つまりクルマと旅行は相乗効果の関係性にある産業なのだと、お話をしながらその思いを再認識しました。

ヘグストロム氏:Jeepの“Go Anywhere, Do Anything.(どこでも行ける、何でもできる)”というブランドスローガンは、旅を含めた自分らしい経験をしたい思いを支えます。これもどんな時代になろうと変わりません。あるいはこのスローガンによってJeepは、コロナ禍であっても新しい発見できることを示せたのではないでしょうか。

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新たなコラボはJeepヴィレッジ?

──今回の『2022 Jeep Hokkaido Lifestyle Session』で、星野リゾート×Jeepのコラボは4回目となりました。今後はどのようなコラボをしたいとお考えですか?

星野氏:私からはスキー関連しか出てこないのですが、スキーイン・スキーアウトが可能になるようゲレンデの目の前で“Jeepヴィレッジ”をやってみたいですね。Jeepで乗り付けてもらえば仮設の寝泊りできる場所があり、キッチンカーがやってきて食事を振る舞う真冬のグランピングサイトのような施設。今までにありませんから、Jeepオーナーには喜んでもらえそうですよ。

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──そんなアイデア、公表してもかまいませんか?

星野氏:大丈夫です。採算が合わないので誰も真似しませんから。それでもおもしろいと判断して試行錯誤を繰り返していけば、10年後くらいには誰かが真似してくれます。『リゾナーレトマム』の雲海テラスがその好例ですね。でも、実は仕事でいちばん楽しいのが赤字期間なんですよ。

ヘグストロム氏:今回もっとも感じているのは、共通項が多いコラボレーター同士で話し合うと、様々なアイデアが出ることです。素晴らしいチャンスの予感しかありません。Jeepヴィレッジもおもしろいプロジェクトになると思います。既存のオーナーに限らず、将来のJeepオーナーに向けても新しい体験が提供できそうですね。

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星野氏:Jeepブランドも同じだと思いますが、非常に重要なのは、星野リゾート各施設のスタッフがまず楽しまないと、価値の高い体験を提供できる発想が持てないことです。あまりにユニーク過ぎてすぐにはローンチできないとしても、アイデアの中にこそダイヤモンドの原石が潜んでいるんですよね。

ヘグストロム氏:同感です。私自身も“Go Anywhere, Do Anything.”の体現者でありたいと思っていますから。

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▲写真協力:BRAVOSKI

【INFORMATION】

OMO7旭川 by 星野リゾート

北海道旭川市6条通9丁目
TEL:0166-29-2666(宿泊予約)
https://omo-hotels.com/asahikawa/

Text:田村十七男
Photos:安井 宏充(Weekend.)

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