「人生は、どこへ行くかではない。どう楽しむかだ」を体現する企画、UNMAP YOUR LIFE。ラングラー アンリミテッド サハラとともに向かったのは山と湖に囲まれる福島県磐梯・猪苗代エリア。広大な猪苗代湖を眺めながらドライブし、天をつくような磐梯山へ登る。この夏の酷暑を逃れるために、涼を求めて旅をした。
裏磐梯、猪苗代湖を見下ろす会津の名峰へ
都内から高速道路を北に向かって車を走らせることおよそ3時間半。磐梯山(標高1,816m)や安達太良山(標高1,700m)などの福島を代表する山々に囲まれ、猪苗代湖が広がる自然豊かな、磐梯・猪苗代エリアに着いた。
磐梯山は麓の街から見ると単独峰のように、綺麗な円錐型の山容で、会津富士の愛称で親しまれている。今回の旅では、福島を代表する美景の数々を堪能しようと、磐梯山を登ることにした。
▲猪苗代湖の周囲をドライブ。103㎢の広さがあり、国内で4番目に大きな湖だ。
磐梯山の標高は2,000mをきる。いくつかあるルートのうちのひとつ、八方台登山口は標高1,194mから登れるとあり、夏の炎天下のなかでも比較的涼しいトレッキングができる。往復4時間という歩きごたえも感じつつ、暑さを避けながら山歩きを楽しめる山だ。
山麓から延びるドライブコース「磐梯山ゴールドライン」に乗って心地よいワインディングルートを走ること20分。八方台登山口に着いた。手早く準備を済ませて歩き出す。
▲磐梯山ゴールドラインは曲がりくねった道が続く。ラングラーのハンドリングなら快適なドライブを楽しめる。
歩き出しは美しいブナ林に囲まれている。ブナの白い樹皮と鮮やかな緑の葉が強い日差しに輝いて美しい。樹の根が大きく張り出したワイルドな登山道も、自然の豊かさを程よく感じられる。
美しい森が広がる磐梯山だが、この山は1888年に山の中腹で山体が大きく崩れるほどの噴火を起こした過去がある。ルート上には、その影響で閉業せざるを得なくなった『中の湯』の廃屋や山上から眺める噴火口周辺の切り立った山容は、過去の荒々しい磐梯山を想起させる。八方台登山口から延びるルートは幸いこの爆発の影響をまぬがれ、緑豊かな森が残っている。
▲磐梯山への登り出しに安全を祈るかのように祠が建っていた。
▲美しいブナ林は見るからに涼しげで、先ほどまでの猛暑を忘れてしまう。
1時間半ほど樹林帯を歩くと木々の背丈が低くなり、やがて標高1,630m付近にある磐梯山弘法清水小屋に到着する。ここでは冷たい湧水が湧いており、疲れた身体を癒してくれる。開けた岩場のスペースがあり、休憩する多くのハイカーで賑わっていた。
▲磐梯山弘法清水小屋からの眺め。噴火で崩れた山体の一部が見られる。
小屋から再出発して眺めのいい尾根を上り詰める。振り返ると、大きな桧原湖や小野川湖など、裏磐梯エリアの湖が一望できた。この裏磐梯エリアも大小の湖と、色鮮やかで美しい五色沼があるなど、景勝地となっている。
これらの湖沼は磐梯山の噴火で麓の川が堰き止められ、形成された堰止湖である。
あっという間に感じるが、この手軽さでこの絶景に出会えるのだから、人気の高さもうなずける。
心地よい風も後押しして、ハイペースで歩き続けること40分。ついに山頂に到着だ。
▲小屋を出発してからは眺めが良い尾根上歩き。
山頂はすでに多くのハイカーが腰をおろして思い思いの時間を過ごしている。そして、トンボの大群が出迎えてくれた。磐梯山はアブや蚊などの刺す虫が少なかったが、それもこのトンボたちが我々を守ってくれていたからかもしれない。
頂上付近は岩場となっており、少し低いところに山頂標識がある。頂上には石が積み立てられてできた磐梯神社の祠が鎮座している。
山の南側には猪苗代湖が広がるはずなのだが、今回の山行では気温が上がったせいか、ガスが発生して見ることはできなかった。
▲山頂からは大パノラマが望める。
▲北側には小屋から一部見えていた火口がよりはっきりと眺められる。
▲岩場に建てられた磐梯山神社の祠。
▲噴火を起こした付近の稜線。切り立った稜線や露出した地面の一部から、いまだに荒々しさを感じる。
適当な岩に座って持参したおにぎりやサンドイッチを腹に入れる。居心地がよくて、ついつい長めの休憩をとってしまった。まだ山に身を置いておきたいような、夏を感じていたいような気持ちだ。後ろ髪をひかれる思いで、福島の名峰に別れを告げて山を下った。
下山後は磐梯山の麓にある、『星野リゾート ネコマ マウンテン』のキャンプ場で、ついさっきまでいた磐梯山を眺めながらのキャンプ。
冬はスキー場という広々とした立地に車を入れて、悠々とテントを張ることができる。開放的な空間なので、タープがあると良いが、夜は満天の星が広がる。朝はテントを出ると磐梯山が目の前に広がり、ほかでは味わえない特別感がある。
キャンプ利用者はキャンプ場の隣に併設される『星野リゾート 磐梯山温泉ホテル』の温泉を利用できるのも嬉しい。
▲広いテントサイトは周囲の音を気にすることなく楽しめる。目の前には磐梯山が広がる。
▲夜は地元食材を焼いて、仲間と語らう。
▲辺りが暗くなってもはっきりとその姿が見える磐梯山。