熊鍋と江戸時代からの名湯『杣温泉』
山スキーを終え、田沢湖のほとりのドライブを経て北上し、北秋田の名峰、森吉山とその麓の杣温泉へ向かった。この阿仁地方はマタギの里とも呼ばれている。マタギとは、クマなどの大型獣の狩猟を生業としてきた人々のことで、そのシンボルこそが森吉山なのだ。
杣温泉はそんな山深さを感じられる名湯。江戸時代に開湯し、8代目が引き継ぐ。夕食には熊鍋を選ぶこともできる。
▲杣温泉旅館へは国道から専用道が伸び、その行き止まりにある。秘湯感抜群。
▲100%天然の源泉かけ流しで、ナトリウム、カルシウム、塩化物硫酸泉。中庭にある混浴露天風呂は手作り。
▲熊鍋(写真)の他、鯉、岩魚、山菜やキノコなど、素朴な味わいの田舎料理を堪能できる。
▲入り口には立派な2本の杉がそびえている。
日本三大樹氷が広がる森吉山
宿から車で約40分、この日の目的地である森吉山の東面に広がる阿仁スキー場へ向かった。山麓から伸びるゴンドラで一気に標高1.200mのゲレンデトップへ。そこから山スキーの準備をし、まずは樹氷エリアを抜ける。
30分ほど歩くと、森吉山の山頂とそこから広がる樹氷の森が一望できた。我々は、スキー場の北側に広がる樹氷とブナ林のエリアへ。美しいブナ林は、スキーやスノーボーダーが気持ちよくターンできる間隔で、雪質も抜群。森吉が山スキーファンに人気だという理由にも納得。
▲ゴンドラを降りて、山スキーのハイクアップ用の専用シールを貼る。
▲右奥にかすかに見えるのが、前日に登った秋田駒ケ岳。直線距離にして約40km。
▲樹氷の間を滑る。例年は木の緑がまったく見えないほどの雪に覆われるという。
▲ブナ林は、滑るのにちょうど良い間隔だ。
▲森吉山のガイドをしてもらった齋藤直昭さん。秋田市出身で、シーズンは阿仁スキー場をベースにしている。
▲樹氷の合間をハイクアップできるのも森吉の魅力。
▲奥に見えるのは秋田平野。
今回は首都圏からの温泉旅&スキー旅としては、比較的距離の離れた秋田エリアを選んだが、滞在した2箇所はどちらも、他では決して感じられない非日常感に溢れた場所だった。冬季に限らず、季節ごとに敢えて遠出するのも良いなと感じさせてくれる旅だった。