「人生は、どこへ行くかではない。どう楽しむかだ」を体現する企画、UNMAP YOUR LIFE。今回はジープ ラングラー アンリミテッド ルビコンに乗って、山を登る喜びも、キャンプで得られる安らぎも妥協しない、南アルプスのお膝もと日向山が舞台。毎週末キャンプをして過ごす、アウトドア好きの夫婦が旅をした。
“山の上のビーチ”を目指し、いざ日向山へ
関東から中央道で約2時間の場所にある北杜市。八ヶ岳と南アルプスに囲まれ、山岳リゾートも多い自然豊かな街だ。
須玉I.Cを降りて、北西に『ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン(Jeep Wrangler Unlimited Rubicon)』を走らせること20分。今回の旅のスタート地点である日向山の登山口に着く。
▲インターチェンジを降りると緑に囲まれた田園風景が広がる。写真の右に見える山が日向山だ。
日向山は南アルプスの名峰、甲斐駒ヶ岳から伸びる尾根の先にある山。標高1,660mと決して高くないが、登山口のある標高1,120mまでクルマで上がることができ、ゆっくり歩いても往復で3時間程と距離も短い。おそらくUNMAP YOUR LIFEシリーズ史上最も登りやすい山だろう。
南アルプスという3,000m級の名峰が立ち並ぶエリアの一角でなぜこの山を選んだのか。
それは、日向山の山頂にはここでしか見られない、海辺さながらのビーチがあるらしいのだ。“山の上のビーチ”というキーワードに惹かれて行先を決定。いざ、その景色を見に行こう。
午前10時。登山口である矢立石口に到着。10台ほどしか停められない駐車場は、すでにクルマがいっぱいだ。偶然1台出ていったタイミングで、ラングラーを停める。
忘れ物はないか最終チェックをして、靴ひもを結びなおして歩き始める。
▲木々が生い茂る駐車場で準備を整える。
梅雨前の強い日差しが森の中に注ぎ込む。木漏れ日が地面を照らし、上を見上げればカエデやシラカバの青々とした葉っぱが風にそよいでいる。
登りごたえのある坂が続くが、登山道は整備が行き届いていて歩きやすい。平日は仕事に忙殺されている夫婦の会話も弾む。目についた植生、以前訪れたキャンプ場の思い出。日頃時間がなくて話せないことも、いまなら存分に二人の時間がとれる。
▲出だしは深い樹林帯。初夏のような日差しに照らされた新緑が輝いて見える。
▲駐車場から山頂まで標高差540mの道のりは程よい登りが続く。「10>2」の表記は山頂までの距離を表している。
美しい森を歩くこと1時間半ほど。坂が緩くなって、周りの様子が変わった。さっきまで広葉樹林が生い茂っていたのに、辺りはカラマツが生えた笹平だ。小さな山だが登るごとに光景が変わる。多様な植生を持つ山の奥深さを感じる。
ここまで来れば、山頂はすぐそこだ。
▲登り坂を終えると笹が広がる平坦な道になる。一息ついて周りを見渡しながら歩くのにちょうどいい。
▲緑一辺倒の森の中でひときわ目立つピンク色のヤマツツジ。
目の前に広がる白い砂浜
ちょっとしたアップダウンを過ぎた後に、山頂が現れる。
これまでずっと樹林帯を登ってきたのに、一帯は木々がなくなってぽっかりと空いている。そして目の前に広がるのは白い砂浜だ。山の上に来たというのに突如砂浜が広がっている景色は、なんだか不思議な感じがする。
なぜ白いのかというと、山頂部分の地質が花崗岩だからだ。木が生えていないのもそのため。花崗岩で覆われている白い山は燕岳や甲斐駒岳などほかにもあるが、日向山の山頂にあるそれは風化しているため、岩というより砂のような特徴を持っている。
▲砂浜のようにキメの細かい花崗岩。フラットなスペースで休憩にちょうどいい。目の前に北杜市と八ヶ岳が広がる。ちなみに、当日は雲で隠れていたが、振り返れば甲斐駒ヶ岳の姿も見られるとのことだ。
山の上の砂浜から見えるのは、北杜の街と大きな八ヶ岳だ。主峰である赤岳とその隣の阿弥陀岳、硫黄岳など、ごつごつした南八ヶ岳らしい山容がはっきりと見える。
その北側にはこんもりとした蓼科山まで見えて、八ヶ岳を一望するのに絶好の場所。
ビーチに座りながら山を眺めるという、日向山ならではの特別な体験。お昼ご飯を食べたら、友人が自らブレンドしてくれた特別な豆を挽いてコーヒーを入れる。
▲雲の切れ間から顔を出したり隠したりする八ヶ岳の主峰赤岳(写真中央にある凹凸の真ん中の山)。
▲レジャーシートを敷いてピクニック気分。この日は日差しも柔らかくて過ごしやすい。ここが山の上だという事を忘れてしまう快適さ。
▲友人からプレゼントしてもらった豆を挽いてコーヒータイム。
登行時間が短いので、山頂でゆっくりできるのも日向山の魅力。一通り山頂を散策したら、下山する。1時間ほどで、あっという間に駐車場に降りてきた。
今日のキャンプ場は日向山を下りてすぐの場所にある、『木もれびPONDキャンプ場』。オープンしたばかりのキャンプ場で、サイトは尾白川のほとり“RIVER”、池の周り“POND”、木々の中“KOMOREBI”と3つのエリアに分かれている。
▲尾白川のそばにあるキャンプ場は静かで、落ち着いた時間を過ごせる。日々の疲れも癒される空間だ。
今回は、晴れて日差しが気持ちよかったので、木々に囲まれた“KOMOREBI”にテントを張ることにした。愛用のキャンプギアに囲まれ、夫婦水入らずの時間を過ごす。
▲オートサイトは荷物がたくさんあってもクルマをテントのすぐ近くに停められるので便利。愛車と一緒にキャンプを楽しむ。
▲夜ごはんは二人で特製カレーを作った。すっかりたいらげたあとは焚火を囲んで会話に花が咲く。
本格的な登山シーズンを前に、ちょうどいい足慣らしと絶景が見られた日向山。
山もキャンプもいつだって妥協はしたくない。