『Jeep® Wrangler』オーナー、高田晃一さんインタビュー。職人が語る、ものづくりとJeep®の共通点とは?

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鋳物職人 高田晃一さんが語るものづくりの魅力/Jeep®へのこだわりとは?

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――まずは入社前の高田さんと製作所にまつわるお話を聞かせてください。初めて職人さんの仕事を目の当たりにした時、どんな部分に魅力を感じましたか?

中学生の頃にはもうここでアルバイトをしていました。当時は仕事というよりも、お小遣いを稼いでいたのですが、最初に職人さんの作業を目の当たりにした時は……きついなあという印象でした。今は整理整頓され、その頃に比べたら少しはマシになってると思います(笑)。でも表裏一体というか、実はそこからとても美しいものが生まれていく。子供心にそんな職人さんの姿を見て、純粋に「かっこいいな」と思っていました。

――97年に入社されて以降、アルミニウムの鋳造を始められたりと、「使う人の身になって商品を考える」ことをテーマに、どんどん新しいことに挑戦されていますね。

そうですね。8年ぐらいはただ技術を覚えることに必死でした。でもその後、東京の方に出て行って営業をかけたりしていくなかで、実際に使って頂いた方に喜んでいただく様子を目にする機会が増えたんです。また、04年に製作したアルミニウムのフラワーベースのシリーズも、それに気づくきっかけになりました。この製品は富山の有名な蜃気楼をモチーフにしていて(デザイナー:加賀武見氏)、1本の花が2本に見え、2本の花が4本に見える。実際に使っていただいた際に空間に奥ゆきを出すフラワーベースですね。

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フラワーベース

これをイタリアのミラノサローネに出展して、現地では長く売れ続けたんです。ところが、09年のリーマン・ショックの頃に、イタリアからの注文が全くなくなってしまって。その時に思い出したのが、建築家の清家清さんの言葉でした。僕は若い頃からコンペに作品を出展していたんですが、その時に審査委員長を務められていた清家さんから「あなたはとてもシャープな造形をされるけれども、そこには人がケガをしてしまう可能性もある。だから丸くて人に寄り添ったデザインをしなさい」と言われていたことを思い出して・・・。当時の自分は、そういうことを忘れて、シャープなデザインに突っ走ってしまっていたんですね。それに気づいてから、より人のことを考えたものづくりを目指すようになりました。

――実際のところ、製品はどう変わっていきましたか。

たとえばこのぐい吞み(デザイン:小川悟史氏【3104GRAPHIC】)は、すずとシルバーの合金で出来ているんですが、底をまるく作ってあります。それは、お寿司屋さんのカウンターや大好きな家具を傷つけないためなんです。

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つまり、「ものが使われる周りの環境も傷つけないものにしたい」。また、人が口にするので飲み口も磨かれていますし、雪のマチエールから発案したスリップを入れることでノンスリップ効果をもたらし、持ってもストレスを感じないようにしています。0.8ミリという(器の)肉厚も、お酒の味が器で左右されないように考えているんです。金属の場合、お酒の味が少し硬い味に変わってしまうこともありますから。

――そうした細やかな配慮が、いいプロダクトを生んでいくわけですね。また、高田さんの活動には、高岡市でものづくりをすることからの影響も感じます。職人さん同士の横のつながりのようなものもあるのでしょうか。

もちろんです。たとえばこれはアクセサリースタンドなんですが、すずで出来ていて、自由に曲げられるようになっています。と同時に、ベースの部分は木で出来ていますよね?私たちは金属しか作れないので、これは近くの漆器の生地職人さんにお願いしたものなんです。

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漆器の生地職人というのは、今本当に少なくなっていまして。ですが高岡には職人さんの技が残っているので、そうした職人同士のコラボで製品が出来上がっていくということがありますね。そうすることで、伝統工芸をより若い人に手に取ってもらえる機会になるとも思うんです。

――高田さんがものづくりにおいて最も大切にされていることを教えてください。

やはり、実際に製品を使う人の身になってものづくりを行なっていくということですね。『高田製作所』は、わたしの祖父が終戦後に、戦争でなくなられた戦没者を抱える家族があまりにも多いのを目の当たりにして始めた仏具製作の話を聞いたのがはじまりでした。つまり、この会社の始まりは戦後でした。でもこれからは、生きていく人のためのものづくりに変わっていく時が来ている。そして、技術のDNAを未来へと繋いで行きたいんです。

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