Camp Gear

2020.03.19

“アウトドアの何でも屋”こと牛田浩一さんが厳選紹介!2020年最新アウトドアギア特集

THERM-A-REST(サーマレスト)『ネオエアートポリュクス レギュラー』

100以上の試作を重ねて生まれた3シーズン対応マットレス

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▲『ネオエアートポリュクス レギュラー』¥20,000(+税)

R値という数値を知っているだろうか。アウトドアを長年やっている人も意外と知らなかったりするのだが、このR値はマットレスの熱抵抗(断熱性)を示す値で、数字が大きくなるほど断熱性が高くなり、マットレスの性能を図ることができる。実はこのR値が今年から同一基準のもとに測定され、この新基準に参賀しているメーカー、ブランドすべてのマットレスに表示されることになった。ただしこのR値が高いモデルがすべてカバーできるマットレスかというとそういうわけではない。使用する季節や、湿度、使用するテントや地面のコンディション、そして個人の好みなどがあるため、対応する季節を表したチャートがあるのでそれをひとつの指標にして欲しい。
R1.0~2.0:夏
R2.0~4.0:春・秋
R4.0~6.0:冬
R6.0以上:極寒
R値がわかったところで、今年一押しのマットレスが言わずと知れたマットレスブランド・サーマレストのNEWモデル『トポリュクス』だ。実は今年からサーマレストのバルブが一新された。100以上の試作を作り、500日以上のフィールドテストを繰り返し、出来上がった最高のバルブが搭載されている。バルブ自体を大きく、また逆止弁により空気戻りがなくなったので、一度に多くの空気を素早く、そしてロスなく入れられるようになった。トポリュクスは最高の寝心地を求めるバックパッカーに向けたモデルで、厚みは10㎝! R値3.7と3シーズン対応しつつも重量640g、収納サイズは23×14㎝とバランスの取れたマットレスだ。バルブはツインロックバルブを採用しているので、膨張・撤収ともにあっという間だ。ポンプサックが付属しているので、呼気よりも楽に入れることができる。厚みが10㎝もあるので、車中泊をする際のちょっとした段差もカバーしてくれる。

▼INFO
株式会社モチヅキ
https://www.e-mot.co.jp/therm-a-rest/

FLOAT(フロート) 『リゲル+アクティブテンプル』

鯖江の技術が生んだ、掛け心地抜群サングラス

02 “アウトドアの何でも屋”こと牛田浩一さんが厳選紹介!2020年最新アウトドアギア特集

▲『リゲル+アクティブテンプル』¥12,480(+税)

世界三大眼鏡生産地のひとつでもある眼鏡の街・鯖江。その鯖江で生まれたブランド・フロートの特徴はなんといっても掛け心地。特殊樹脂のテンプルの付け根を蛇腹状にすることで丁番レスにし、程よく頭部をホールド、シリコン製のノーズパッドがズレを抑制、このバランスの良さでとにかく軽く、浮いたような掛け心地がまさにフロートなのだ。僕はこの掛け心地の虜になり、『STAR』というモデルのレンズを眼鏡レンズに付け替えて使っている。実はこのテンプルには秘密がある。テンプルの中央付近にマグネットが入っているので広がろうとするテンプルを留めることができる、そしてオプションのベースマグネットを使えば車内や鏡などに付けて置くことできるのも嬉しいポイント。また、すべてのモデルに日本製のハイクオリティーフィルムを採用した偏光レンズを搭載しているのでパキッとしたコントラストでクリアな視界が素晴らしい。そしてAR(アンチリフレクション)コーディングをレンズの裏側に施しているので、隙間から入る日差しで起こる内部反射を軽減し、とにかく目が疲れない。オススメポイントが多すぎて長くなってしまったが、このフロートの今年の新作が『リゲル』だ。形は顔なじみの良いボストン型をベースにしているので、老若男女問わず合うだろう。フレームカラーはマットブラックとブラックの2色。マットブラックはブラウンレンズを採用し、クラシックなスタイルでアウトドアでも街でも合わせやすい。透過率は15%。ブラックはライトグリーンレンズで山や森林を鮮明にし、リラックス効果がある。透過率は28%なので薄曇りや木陰の中でも着けっぱなしでOK。

▼INFO
アルファ株式会社
http://www.float-glasses.com/set-galaxy/

SEAL LINE(シールライン)『プロジップダッフル』

海運業界のために開発された技術を用いた防水バッグ

40 “アウトドアの何でも屋”こと牛田浩一さんが厳選紹介!2020年最新アウトドアギア特集

▲『プロジップダッフル』40L/¥28,500、70L/¥35,500、100L/¥42,500(+税)
※画像は40L

僕が絶対的な信頼をおいているドライバッグブランド・シールライン。元々海運業界のギアを作っていた同社、プロの現場で培われた溶着技術と素材で作られるアイテムは間違いがない。今年の新作でオススメしたいのが『プロジップダッフル』だ。YKKのアクアシールジッパーを採用した完全防水のダッフルバッグで、その防水性は水面下1mに30分水没させても耐えられる! また同社の溶着技術は生地同士を分子レベルで結合させる高周波溶着によって耐久性も抜群だ。実は前モデル(現:クラシックジップダッフル)を愛用しており、ジッパーを締め切って標高の高いところにいくとポテチの袋のようにパンパンに膨らむ。それだけ密閉性が高いということ。何度もルーフキャリアに乗せているが水一滴入ったことはない。新しい『プロジップダッフル』は背負うことができるハーネスが付いており、脱着も可能。前後左右側面4箇所にハンドルも付いているので、ハーネスを取り外してもしっかりと持つことができる。個人的にだが、ルーフキャリアにBOXを積むのはあまり好きでない。積み降ろしが大変だからだ。ルーフに積むなら防水バッグがおすすめだ。

▼INFO
株式会社モチヅキ
https://www.e-mot.co.jp/sealLine/

越乃火匠 久八(コシノカショウ キュウハチ)『手鉞』

職人技が織りなす、手にしっかりとフィットするアックス

3-1 “アウトドアの何でも屋”こと牛田浩一さんが厳選紹介!2020年最新アウトドアギア特集

▲『手鉞』¥15,000(+税)

火を愛する人のための「日本の火の道具」をコンセプトに鉈や斧を作っている同ブランド。
職業柄、色々なアックスを使ってきたが今一番のお気に入りが同ブランドの新作『手鉞』。ヘッド、柄の長さ、握りやすさなどバランスが非常にいい。買った薪を焚き付けや小割するぐらいなら柄の長いアックスはあまり必要がなく、これくらいが一番使い勝手がよい。ヘッドは金物の街・新潟三条で唯一の斧鍛冶職人がたたき上げ、手にしっかりとフィットする柄は柄専門の職人が作り上げている。特徴的なのがヘッドを固定するクサビ。通常丸型のクサビを打ち切ってしまうのでヘッドが緩んだ時に柄を変えるしかないのだが、この手鉞のクサビは最後まで打ち込まず、緩んだら自分で打ち込むことでリペアすることができるのだ。まさに日本らしい道具の考え方だ。また特徴的なヘッドデザインは刃裏が大きく抉れているので、手が入るようになっている。これにより樹皮を削るなど細かい作業ができるようになっているのもポイントだ。エンドに付いている紐も“真田紐”という、これまた日本古来の技術で織られている(組紐ではない)紐を使用している。おそらく世界で一番細い織物とも言われ、その頑丈さは敵の刀を受け、絡めて奪い取ることもできたとか。日本の粋が集まったような斧。

▼INFO
越乃火匠 久八
http://kyuhachijapan.com/index_j.html

▼PROFILE

牛田 浩一(うしだ・こういち)

Ushida_Photo “アウトドアの何でも屋”こと牛田浩一さんが厳選紹介!2020年最新アウトドアギア特集

化石堀りが趣味だった父親の影響で幼少よりアウトドアに親しむ。アウトドア用品の輸入卸会社で広報・マーケティングを経て、アウトドア専門のアタッシュドプレスとして独立。PR・マーケティングをベースに撮影コーディネート、イベント運営など“アウトドアの何でも屋”。著書に「キャンプ雑学大全 2020」がある。

Text:牛田 浩一

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