星野リゾートとのコラボによる『2022 Jeep Hokkaido Lifestyle Session』 パート1/都市観光ホテル『OMO7旭川 by 星野リゾート』をベースにした真冬の北海道Jeepドライブ
北海道の魅力をJeepで体感する星野リゾート×Jeepのウィンターセッション。パート1では、最新モデルのGrand Cherokee Lを始めとする3台のJeepによるスノーロードインプレッションと、新たな都市観光ホテルの在り方を提案する『OMO7旭川 by 星野リゾート』の魅力を報告する。
思いがけず北海道で享受したJeepのメリット
移動(クルマ)と宿泊(ホテル)という関係性で紡いだ、星野リゾートとのコラボによる『2022 Jeep Hokkaido Lifestyle Session』。優れたオフロード性能を誇るJeepで冬の北海道を走るイベントは、過去2回のトマムに続き、今回は2月中旬に『OMO7(おもせぶん)旭川 by 星野リゾート』を拠点にして開催された。
用意されたのは、10年ぶりのフルモデルチェンジを果たした『ジープ グランドチェロキー L サミットリザーブ(Jeep Grand Cherokee L Summit Reserve)』。先代『ジープ グランドチェロキー(Jeep Grand Cherokee)』の面影を残す『ジープ コンパス リミテッド(Jeep Compass Limited)』。そしてオフロード最強の呼び声が高い『ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン(Jeep Wrangler Unlimited Rubicon)』の3モデル。試乗が2日間に及んだので、2台ずつ2回に分けて出かけた。
初日は、グランドチェロキーLとコンパスで美瑛へ。なだらかな丘が連なる美しい景観で有名な美瑛は、旭川市内から国道237号経由で約30分の距離。そこから富良野までは約40分なので、旭川を起点にすると道北地方の観光地巡りが計画しやすくなるだろう。
それはさておき、今は冬。何はともあれ一介の旅行者は北海道の雪道に不慣れだ。「あらゆる急操作を控える、教習所で習った通りの運転が大事」と諭されるも、ハンドルを握る手には自然と力が入ってしまう。
そんな緊張感を和らげてくれるのがJeepだ。一般道を走る限りは、グランドチェロキーL、コンパスともに備わっているセレクテレインシステムのモードをAUTOに設定すれば、路面状況に応じた最適なトラクションを導き出してくれる。車高調整機能付きのグランドチェロキーLの場合、SNOWモードにすると雪上に適したロードクリアランスの確保が自動で行われる。これは大きな安心材料だが、美瑛の丘陵地帯に入る交通量の少ない道=路面に雪が残る箇所以外では使わなくても大丈夫と感じた。
多用したのはATのマニュアルモードだ。特に下り坂では、実際の制動力は言うに及ばす精神の安定にも効力を発揮してくれる。新型になりセレクトレバーが廃されたグランドチェロキーLはステアリングハンドル裏のパドルで。コンパスは従来のセレクトレバーで、それぞれマニュアルモードの操作が可能だ。
これは試乗会ならではのトピックになるが、グランドチェロキーLからコンパスに乗り換えたとき、なぜかホッとしたことを話しておきたい。コンパクトなボディサイズと乗用車に近い視線の低さに安心感を覚えたのだと思う。このあたりは雪道の不慣れさを含めたあくまで個人的な感覚で、グランドチェロキーLを否定するものではない。正しく伝えたいのは、Jeepがそれぞれの感覚に合ったモデルを用意しているメリットを、思いがけず北海道で享受したということである。
緊張しつつもここまで来てよかったと歓喜した冒険の果て
翌日は距離を伸ばして大雪山北側に位置する上川町の層雲峡へ。旭川から国道39号で66㎞。時間にして約1時間半。この道程の大半は道路に積雪がなく、2日目の慣れもあって快適なドライブが楽しめた。こうなると現金なもので、安定感がランクアップしたグランドチェロキーLから降りたくなくなる。距離がかさむほどリラックスできるのは、モノコックボディの刷新に伴ったグラスエリアの拡大による視覚的安心感も寄与しているのだろう。
この日のもう1台の相棒は、グランドチェロキーLとは別の最高峰を極めるラングラーだ。こちらも一般道を走るレベルなら、セレクトラック フルタイム4×4システムを「4H AUTO」モードに設定しておけば十分だろう。Jeepのライナップ中唯一のマニュアルレバー式モード変換は、ラングラーらしいタフさが味わえる操作だ。
そんなプリミティブさが魅力のラングラーだが、2018年のフルモデルチェンジで得た操縦安定性の向上は、往復3時間強のドライブを経てより際立ったように感じられた。グランドチェロキーLとは趣を異にするものの、快適なドライブを体感できるクルマの核たる特性は双方に備わっている。強いて言えば音楽の好みのようなものだから、諸事情が許せばタイプが違う二つの頂点を手元に置いて気分で楽しめたらと、運転しながら贅沢なことを思った。
たどり着いた層雲峡は、高さ100mに及ぶ断崖が続くロケーションだった。詳しく調べずに出かけたのだが、薄緑色に光って見える凍結した滝を目の当たりにできるとは思わなかった。それは、緊張しつつもここまで来てよかったと歓喜した瞬間だった。
つまるところ2日間で冬の北海道の走り方がマスターできるわけではないが、十分な注意を払いつつ新たな景色との出会いを求めるというのも、Jeepだから可能にしてくれた冒険と言っていいだろう。
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