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2019.02.15

雪道、凍結面で4WDの威力を発揮!ALL-NEW Jeep®︎ Wrangler雪上試乗会レポート!

11年ぶりにフルモデルチェンジしたJL型 Jeep®︎ Wrangler。駆動方式もフルタイム4WDを採用。街乗り、悪路、さまざまなシチュエーションを想定し、より快適な走りを提供している。北海道で行われた雪上試乗会に参加したモータージャーナリストの嶋田智之氏による試乗インプレッションをお届け。

新しい“JL”型『ジープ ラングラー(Jeep®︎ Wrangler)』の素晴らしいところは、Jeep®︎ を愛する人達の想いを何ひとつ裏切ることなく、きっちりと発展を遂げているところでしょう。誰もがどこにでも行きたい場所へと辿り着くことのできるクルマの最高峰であり続けるために、何を守り、何を変化させるか。そこをあらためてしっかりと見つめ直した感すらあるくらいです。

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▲写真協力:FCAジャパン株式会社

そんなふうに言葉にするとシンプルに聞こえるし、エクステリアやインテリアから受ける印象は誰ひとりとして望まないような疑問の残る変化などひとつもないから、そういう意味では判りにくいところもあるのですが、開発陣はラングラーがさらに素晴らしいラングラーへと進んでいくために、実際には微に入り細を穿ったような手抜かりのない改良を無数に加えているのです。

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▲写真協力:FCAジャパン株式会社

その新しいラングラーを真冬の北海道で走らせるというチャンスに恵まれました。圧雪路や凍結のある路面の上で“JL”型ラングラーがどんな振る舞いを見せてくれたのか、お伝えしたいと思います。

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▲写真協力:FCAジャパン株式会社

知っておくとさらに楽しめる4WDの世界

今回走ることができたのは、北海道の千歳市を中心とした100kmほどの一般道、そして新千歳モーターランドの中に設けられた特設コースでした。スタッドレスタイヤを履いた2WDのクルマでも注意深く行けば走れる路面もありましたが、もちろん4WDの方が比較にならないぐらいの安心感を持って走れますし、中には4WDでなければ絶対に無理と思えるような路面もありました。

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そうなると4WDシステムの出来映えがどうしても気になるわけですが、新型ラングラーはここに大きな改良が加えられています。従来の“JK”型までは悪路での走破性と一般道での走らせやすさは省燃費性を両立させるために切り替え式のパートタイム4WDを採用していましたが、それがフルタイム4WDとなったのです。“セレクトラック・アクティブ・オンデマンド・フルタイム4WD”と名付けられたこのシステムは、基本、副変速機で“4H AUTO”にセットしておけば路面状況や環境に合わせて自動的に最適な駆動力を前後に配分してくれるのですが、従来と同様のパートタイム4WDとして機能させることも可能です。つまり路面のいい街乗りではオンデマンド4WDとして、悪路ではパートタイム4WDの機能を使ってと、シチュエーションによって使い分けることができる、というわけですね。

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ちなみに副変速機で、次のようなモードを選ぶことができます。

“2H” これは前輪側には駆動を送らず、100%後輪のみに絞るモードです。駆動ロスがないので燃費の面でも有効だし、クルマの動きも僅かに軽快になります。乾いた路面の街乗りに適しています。
“4H AUTO” 通常はほとんど後輪駆動で、前輪は僅かに駆動がかかって準備している状態。後輪が滑ったときには瞬時にフロントに最大50%の駆動が伝わり、4WDとしての実力を発揮します。普段はここを選んでおけばだいじょうぶ、というモードです。
“4H PART TIME” 前輪と後輪の駆動が50対50に固定されます。片側のタイヤが滑ったときには電子制御ブレーキデフとしてESC(電子制御スタビリティコントロール)が作動して、左右輪の駆動を調整します。滑りやすい路面用です。
“N” 駆動は完全に切断されます。牽引時のためのモードです。
“4L” 駆動が前後50対50に固定され、電子制御ブレーキデフとしてESCが作動し、ギア比が2.72へと低められます。物凄い悪路をジックリと進むとき、足をすくわれたときの脱出などのときに有効なモードです。

これら全てを理屈で理解しておく必要はありませんが、知っておくとさらに楽しめるのが4WDの世界。そしてこのシステムの効果は、一般路を走りはじめて間もない頃から実感できたのでした。

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雪上でも危なげのない快適な走り

舗装の上で雪や氷がシャーベット状になっている路面、完全な圧雪路、圧雪路の中にところどころ凍結部が散らばるハイブリッドな路面、圧雪路の上に新雪がうっすら積もった路面、そして深さ20cmほどの新雪。走るエリアによって路面状況がめまぐるしく変化する中、僕はときどき副変速機のモードを切り替えて試してみたりはしましたが、最終的には“4H AUTO”に固定したまま走りました。わざわざパートタイム4WDのモードを選ぶ必要性を感じなかったからです。いきなり現れた凍結してる部分を踏みつけて一瞬タイヤが空転した気がすることもありましたが、クルマの姿勢は全く乱れず、しっかりと安定しきったまま進んでいきます。それはカーブが続く場所でも同様。僕は雪道に慣れているとは言い難いドライバーですから最初のうちは緊張感たっぷりの心持ちでしたが、ラングラーは一般路での走行中、一度も危なげな素振りを見せることもなく、ひとつひとつを呆気なくクリアしていくのです。

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おかげで気持ちに少しゆとりが生まれたのか、ラダーフレームにリジッドアクスルというヘビーデューティーなクルマのわりには乗り心地が快適なことにも気づきましたし、室内の操作系のレイアウトが機能的で使いやすいことも確かめられましたし、Apple CarPlayが使えるのはやっぱり便利だということも再確認できました。僕が走らせたのはラングラー アンリミテッドの最上位モデルとなるルビコンだったのですが、その3.6リッターV6エンジンが静かで、癖というものがなく、どの領域からでも自然に力を発揮してくれて走らせやすかったこともよく判りました。

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▲写真協力:FCAジャパン株式会社

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