一つの星座のようなJeep仲間

和泉氏が言うメンバーとは、現時点で総勢6名の通称4J。4とJにどんな意味があるかを聞くと、それぞれ勝手なことを言い始める。おそらく名前自体にこだわりなどないのだろう。

▲（写真左から）杉岡氏、森勉氏、塚原氏、奈良氏、和泉氏、仲本氏

彼らに共通しているのは、Jeepディーラーに勤めていた塚原氏を通じて全員が新型ラングラーを所有していること。それ以外は年齢も職業も別々。塚原氏によれば、以前からJeepオーナー同士を引き合わせる試みは行ってきたが、1年も経たずここまで全員が仲良くなった例は過去になかったそうだ。

個性に満ちたメンバーなので、いずれ機会があれば個々に取材したく、今回はあえて短い紹介に留めさせていただく。入会順の1番手は仲本氏。建築業を営みつつ渋谷の焼き肉店と沖縄のサーフショップを経営する42歳。様々な車種を乗り継ぎラングラー アンリミテッド サハラへ。

▲仲本氏

2番手は杉岡氏。不動産会社の立ち上げ従事と共に独立した35歳の最年少は、子どもの誕生に合わせて先代のJK型を手に入れ、新型の乗り心地向上に感銘を受けラングラー アンリミテッド ルビコンに買い替えた。

▲杉岡氏

3番手が和泉氏で、それに続くのが39歳のアーティスト、森 勉氏だ。森氏は2019年まで限定色をまとったアンリミテッドに乗り、RealStyleにもご登場いただいた中で、「あのムラサキはオレしか乗りこなせない」と豪語していた。が、新型ラングラーの小回りが利くハンドリングに驚き、「これは！」と購入を決意したという。

▲森勉氏

5番手は49歳の医師、奈良氏。元より四駆好きで、Jeepも現在の新型のラングラー ルビコンまで4台を所有してきた。目にも鮮やかなイエローと相まって、街中で写真を撮られることが多いそうだ。

▲奈良氏

この4J、どんなチームなのかを聞くと、これは皆同じような感想を口にした。「何か楽しい」「安心できる」「年齢の上下を感じない」。そんな思いを共有しながら、仲本氏の焼き肉店で集まっては他愛のない話で盛り上がる。その様子は男子校の部活そのものらしい。だが、全員がJeepを持ち寄ったのは今回が初めてだという。互いのクルマを眺め合っては好き勝手言い放題。何とも奇妙で羨ましい仲間に見えた。

「会った瞬間から嘘がつけないメンバーでした」。これは結果的に最年長となっている和泉氏の言葉だ。
「それぞれの持ち場でもっとも話をするのは仕事関係ですよね。僕にしてもそうですが、それではケーキの外側まで話題が及びません。そうではない間柄――彼らとは初対面で自己紹介もしませんでしたが、少なくとも僕は、自分を飾らなくていい友人を気付かぬうちに求めていたのかもしれませんね。これも巡り合わせだと思います」

和泉氏の店の名を借りれば、各々が小さいながらも強く光る『アステリスク』。男ばかりでごつく、自由にJeepを乗り回しても、夜空に輝く一つの星座を象ろうとする距離を保ち合うのだろう。

Text：田村 十七男
Photos：大石 隼土