一流の料理人が、地元の厳選食材を駆使する極上のエンターテイメント

そして“ここでしか食べられない”料理も、Zenagiの大きな魅力だ。ここでは11年連続でミシュランガイドの星を獲得する懐石料理の名店『銀座 うち山』、そして9年連続で星を獲得するイタリア・シチリア島の天才女性シェフによる『bye bye blues』、それぞれがプロデュースする、和・洋の豪華料理を味わえる。そのどれもが地元の食材をふんだんに使ったスローフード。さらに、宿泊客の好みやアレルギーなども、宿泊前にリサーチするというホスピタリティ面も万全だ。

▲黒澤明が「これが日本の美学だ」と世界に紹介したとされている漆器、根来（ねごろ） （※1）

今回は和の料理を堪能することに。まず、半径3km以内で採れた信州サーモンや雪鱒といった魚、そして幻の牛と呼ばれる木曽牛のお肉を使ったお寿司を味わう。醤油も長野産というこだわりで、この先、新たにオリジナルの醤油を作ることも考えているという。そして、この地域の冬の時期に蓄えた脂身とともに肉を味わう熊のしぐれ煮や、アルプスの天然水で育てた日本なまずを使った椀物、そして二度目の登場となるワインにぴったりの木曽牛のステーキ、そして締めの炊き込みご飯からデザートまで、文句のつけようのないフルコースだった。

▲木曽牛の炙り鮨、お皿はもともと屋根に使っていた『へぎ板』に漆を塗った作品 (※2)

▲木曽クマの時雨煮

▲信州黄金シャモの吸い物

▲田立ナマズの蒲焼

▲木曽牛のもも肉

▲木曽の季節の炊き込みご飯

▲サルナシのおぜんざい

今回、料理を提供していただいた福岡さんに、ここで働くことになった経緯や今のやりがいについて聞いた。

▲総料理長の福岡さん

「高校卒業後、東京の一流ホテルの和食店に弟子入りして25年以上働いてきましたが、南木曽の隣の阿智村が実家でいずれは戻ってこようと思っていました。それで戻ってきてから3年ぐらいが経った時に声をかけていただいて。この場所は地方創生を目指して、料理も地元の食材を使って提供するということを聞いて、私もそういった料理を作りたいと思っていたんです。自分が探した食材や、農家の人が持ってきてくれた食材で作る。都会だと何でも揃ってしまうので便利なのですが、ある時からそれだと満足できなくなった自分がいました。今は一つの食材を手に入れるのに何時間も掛けることがあるし、なかなか大変な面もありますが、毎日が新しい体験なのですごく楽しいですよ。熊とかなまず、珍しい山菜やキノコなど、地元ならではの食材を使って、ここでしか味わえないインパクトのある料理を作っていきたいと考えています」

また、料理に使う食器にもこだわりが。南木曽は江戸時代から木を切り、ろくろを回して器を作る木地師（きじし）と呼ばれる職人の伝統が色濃く残る土地。黒い漆を塗った上に赤い漆を重ねることで、使っていくうちに絵画のような独特の風合いが現れるのだという。ここで使われている根来（ねごろ）（※１）という器は、かの黒澤明が「これが日本の美学だ」と世界に紹介したとされている逸品。また、寿司を乗せるへぎ板（※2）は、もともと屋根に使っていたものに漆を塗った作品で、100年以上の風雨に耐えたその造形美は、これ以上ない形で料理を引き立てていた。

▲Zenagiで使用している食器を作っている、妻籠宿近くにある工房『木地屋やまと』

さらにいくつかのお椀などは、このお屋敷の裏にある蔵に残っていたもの。江戸時代当時の紙に包まれ、大事に桐の箱に入って保存されていたというその器の保存状態の良さには、地元の職人たちも驚きを隠せなかったという。

ゆったりと極上の料理に舌鼓を打つ時間。この快適さを岡部さんに伝えると、実はカウンターの奥行きの幅を決めるのに1ヵ月近く熟考を重ねたという。それを聞いて「どうりで落ち着くはずだ」と腑に落ちる。Zenagiでの料理は、食材をただ単に味わうだけでなく、さまざまな要素を五感で味わう極上のエンターテイメントだった。

後編では自転車ライドやSUPなど、アウトドア体験にフィーチャー！

前編ではZenagiというラグジュアリーホテルそのものにフィーチャーしたが、後編ではZenagiの名前の由来の一つ、“然”の部分に当たる南木曽の自然を満喫するアウトドア体験をメインにご紹介。それにあたって、RealStyle by Jeep® のアドベンチャートリップ企画などでもおなじみの藤村育三さんに登場していただき、電動自転車で農村を駆け抜けながら文化体験する“農村ライド”や、木曽川の大峡谷を漕いで下る“SUP・カヌー・ラフティング”などを体験！ さらに、Zenagiがオープンしてからの日々で感じた、岡部さんや現地のガイドの人たちからの声もお届けする。

今回使用したクルマ

『ジープ グランドチェロキー トレイルホーク（Jeep®︎ Grand Cherokee Trailhawk）』

【主要諸元】
全長：4,835mm／全幅：1,935mm／全高：1,805mm／乗車定員：5名／エンジン種類：V型6気筒 DOHC／総排気量：3,604cc／使用燃料：無鉛レギュラーガソリン／最高出力：213kW（290ps）/6,400rpm[ECE]／最大トルク：347N・m（35.4kg・m）/4,000rpm [ECE]／駆動方式：常時4輪駆動／全国メーカー希望小売価格¥6,300,000〜（消費税込）2019年6月28日現在

商品に関するお問い合わせは、FCA ジャパン株式会社まで。
ジープフリーコール 0120-712-812（9：00～21：00、無休）
https://www.jeep-japan.com/

Text：ラスカル（NaNo.works）
Photos：安井宏充（Weekend.）