世界初の〈ノルディスク〉コンセプトストアが見据える、東京発のキャンプカルチャー
「道具のお店」だからこそ。選んだのは、街と自然を結ぶ中間地点。
—まず、お店をつくる上で重要な立地ですが、都心ではなく環状八号線の目の前、世田谷区を選んだのは、車で訪れる人を意識してのことですか?
山根:そうですね。〈NORDISK〉のコットンテントは重くてオートキャンプ用につくられたものが多く、ユーザーの9割が車でキャンプに行く人たちです。〈NORDISK〉のアイテムを中心に「都市に暮らすひとがキャンプをたのしむための道具」を揃えたお店にしよう、という考えが根本にあったので、道具を買ってくれる人にとって、どんな場所が理想的だろう?ということを出発点にして、立地も考えました。当初は、道具屋が並ぶイメージから、合羽橋商店街付近を探して、いいなと思う物件もあったのですが、なんだかピンとこなくて。
—いわゆる、下町のエリアですよね。
山根:物件も良くて、迷ったんですけどね。そもそも、アウトドアショップが街の中心にあることがずっと疑問だったんです。キャンプ用品は自然の中で使うものなので、実際にアイテムを使うイメージが湧くような、もう少し自然を感じる場所が良いな、と。それから、自分の経験を思い返すと、キャンプに行こう、と車に乗って出発してから、高速に乗ったあたりで「あー、ガス缶忘れた!」とか、道具を買い忘れたりすることが多々あって。ひとまずホームセンターに寄って、間に合わせのものを買うのですが、せっかくのキャンプなのに妥協した感じがあるじゃないですか。キャンプへ行く途中に、必要な物を買えるお店って案外無いんですよ。だいたいお店が開くのも10時とかですし。
—それで、場所は高速道路の入り口にも近いところで、土曜日は朝8時からオープンするという形態になったのですね。
山根:そうです。都心から郊外へと向かう中継地点に、キャンプに必要な道具を買えるお店があると良いなと。キャンプ当日、朝早めに出発しても、ここに立ち寄れば、必要なものが揃う。実際の動きの中にあるお店を意識しました。
—実際に車でお店を訪れたときに、ついでに立ち寄ると良い、近所のおすすめはありますか?
山根:そうですね、このあたりって本当になにもなくて…(笑)。公園はたくさんあって、特に砧公園は子どもとよく行くし、おすすめですね。広くて、ピクニックにも最適なので、ここで買ったギアを早速試すのにも良いと思います。