UNMAP YOUR LIFE ~岐阜県 笠ヶ岳編~ 自分を解放する、こだわりの時間
「人生は、どこへ行くかではない。どう楽しむかだ」を体現する企画、UNMAP YOUR LIFE。今回はジープ コンパス リミテッドに乗って、新穂高温泉へ向かう。旅の目的地は北アルプスにある日本百名山の一座“笠ヶ岳”、そこは穂高連峰や槍ヶ岳の絶好の展望地として知られている。夏真っ盛りの北アルプスを、テントを背負って二日間に渡って歩いた。
遠き道のり、笠ヶ岳へ
富山県と長野県、そして岐阜県の境に脈々と延びる北アルプス。標高2,000m後半から3,000mの山々が連なる日本を代表する山岳エリアだ。岐阜県側からこの山脈を見て、笠のように端正な山容の山がある。それが標高2,898mの笠ヶ岳だ。
北アルプスのほとんどの山が県境にあるのに対して、笠ヶ岳は岐阜県に位置し、県内最高峰の山でもある。
登山口のある岐阜県・新穂高温泉へ『ジープ コンパス リミテッド(Jeep Compass Limited)』を走らせた。
標高1,000mの位置から2,898mまでおよそ1,900mの標高差を登り、3つある登山ルートはどれも片道9時間以上かかる。一日ひたすら坂道を歩き続けなければ山頂にすら着けない、そう簡単ではない山だ。
今回は二日間かけて笠ヶ岳へ登るため、前後に新穂高温泉の老舗旅館の宿泊をセットして、満喫の山行を送ることに。
初日は『野の花山荘』に宿泊し、翌日の早朝に笠ヶ岳へ向かった。
『野の花山荘』は日本秘湯の会にも登録される趣深い温泉宿。宿の背後にはクライミングで有名な錫杖岳(しゃくじょうだけ)がそびえ立ち、雄大な自然に囲まれている。館内は華美な装飾を施さない、落ち着いた空間で居心地がいい。
温泉や自然もさることながら、飛騨牛や飛騨の大ナス、高山名物のごま五平餅など地元食材を使ったディナーが人気だ。
絶品料理に舌鼓を打って、英気を養い翌日の笠ヶ岳へ挑む。
新穂高温泉内にある『槍見館』のすぐわきに、クリヤ谷を通って登るルートがある。ルートタイムは9時間半なので、休憩時間も含めて山頂直下にあるキャンプサイトまで、10時間半はかかるという見通しを立てた。
早朝5時、登山口で靴ひもを結びなおして出発。すでにヘッドライトが必要ないほどほのかに明るく、森のなかは涼しい。
クリヤ谷は沢筋を登り続ける静謐なルートで、ところどころある渡河ポイントや清流、滝などを眺めながら気持ちよく歩けるルートだ。
鳥や虫たちの音が響き渡る森を黙々と登り続ける。
スタートしてから1時間少したったところで登山道にも陽が当たり始めた。刻一刻と気温が上がるのを肌で感じ、快適だった登りも次第にきつくなる。汗が顔をつたって、あごから滴り落ちる。
やはりひたすら樹林帯の登りは辛いな、と思った。
しかし、大変なのはそれだけではなかった。クリヤ谷を使うルートは新型コロナウイルスの影響により一部の登山道で草の刈り払いがされていなかったのだ。途中からやぶ漕ぎのような箇所をやり過ごし、ワイルドな山行になった。
6時間ほど登り続けたところで、標高2,400m付近でクリヤの頭直下に出る。ここは地盤が岩石で覆われているため草木が生えていない。ようやく視界が開けて清々しいお天道様と対面する。
稜線に出ると涼しい風が吹いた。岩の隙間には高山植物もたくさん顔を出している。さきほどまでの苦行のような登りから一変。華やかで爽快な稜線歩きに変わる。
稜線を歩くことおよそ1時間で山頂に到着した。時計をみると短針は午後2時を指していた。予定より少し早く着いたが、朝から登り続けることおよそ9時間。その苦労が報われた瞬間に大きな達成感が体に湧く。
山頂からは谷を挟んで東側に槍ヶ岳から延びる穂高連峰、焼岳までの稜線が壁のようにそびえたつ。いずれも標高3,000m級の日本屈指の山々で、これほどの圧巻な壁が見られるのも笠ヶ岳の魅力の一つだ。
山頂を10分ほど下った場所にテント場がある。途中の笠ヶ岳山荘で使用料を支払い、テントを張る。
リラックスウェアに着替えて、豆を挽く。お湯を注いで香り立つコーヒーの匂いでようやく心身ともに落ち着いた気がした。
二日目は笠ヶ岳の稜線上にある抜戸岳、弓折岳を縦走して小池新道を下って新穂高温泉まで戻る。抜戸岳の頂上にある“笠新道”を利用したほうが早く、そちらから下る人も多いのだが、せっかく9時間もかけて登ってきたのに稜線歩きを楽しまないで下山するのはもったいないと思い、遠回りするルートで下ることにした。
こちらもルートタイムでは8時間以上かかる予定だったので、陽が出る前から行動を開始する。
稜線上では、両手で数えられる程度の人しかすれ違わなかった。
稜線の左手には同じ北アルプスの三俣蓮華(みつまたれんげ)、左手には穂高連峰のそびえ立つ姿を独り占めする絶景のなかを歩く。残念ながら、晴れていればばっちり見えるはずの槍ヶ岳は一瞬顔を出したり、出さなかったり。聞こえるのは風の音だけで人はおろか、虫も鳥の音もしない。笠ヶ岳は静かな山だ。
弓折岳の分岐を小池新道のほうへ下ると、一気に人が多くなった。この道は屈指の人気を誇る双六小屋に向かうルートでもあるのだ。なかには子どもの姿も見える。緩やかな傾斜で、登山道も整備されているため比較的登りやすいルートのようだ。静寂の登山道から一転、にぎやかで楽しげな声が響く登山道になった。
徐々に標高を下げてふたたび森の中を歩き、鏡平小屋、わさび平小屋を過ぎて新穂高温泉に帰った。
下山後は、『槍見館』まで戻って一泊することに。古き良き古民家の趣を随所に残した、堂々としたたたずまいの旅館だ。梁や柱は釘を使わない建築で、ロビーには古美術品の家具が並べられている。食事処の欄間や襖にも見応えのある装飾が施されるこだわり。
清流・蒲田川沿いにあり、温泉は新穂高温泉の源泉をかけ流しで注ぎこんでいる。男女の内風呂、混浴の露天風呂などを備えた昔の風情を残した温泉だ。
登山も満足、宿も温泉も食事も満足の笠ヶ岳山行となった。
今回使用したクルマ
優れた快適性とJeepならではの力強いオフロード走破性が融合。サラウンドビューカメラやドライバーアテンションアラートなど、次世代Jeepを先駆けて先進のドライバーアシストも充実させた最上級グレード。
『ジープ コンパス リミテッド(Jeep Compass Limited)』
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商品に関するお問い合わせは、Stellantisジャパン株式会社まで。
ジープ フリーコール 0120-712-812(9:00~21:00、無休)
https://www.jeep-japan.com/
今回の旅で使用した、こだわりギア紹介
【Information】
野の花山荘
〒506-1421
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷新穂高温泉
https://nono87.jp/
槍見の湯 槍見館
〒506-1421
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂587
https://yarimikan.com/
Text:soto
Photos:Takahiro Nakanishi