グラディエーター、ついに日本上陸。新潟・妙高で『Jeep グラディエーター オフロード試乗会』開催!
「Jeepに憧れる方々にこれまでにない選択肢を」
「私が間違っていました」
そんな表現を用いたのは、Stellantisジャパン株式会社のJeepプロダクトマネージャー、渡邊由紀氏だ。渡辺氏は、本国のラインナップから国内導入する車種やグレードを選定する職務に就いているという。
「2018年にグラディエーターが発表された直後から、国内のディーラーやジャーナリストに導入予定をたずねられました。もちろん私たちもすぐに検討を始めましたが、やはり日本ではピックアップトラックが浸透しておらず、見込みがないだろうと一度は諦めたんです。ところがそのうち、街中で並行輸入のグラディエーターを見かけるようになりました。台数は極めて少ないものの、その姿が話題を集めました。ただ、調べてみると並行輸入では希望のボディカラーが選べないようでしたね。私たちの立場として、それは正しい在り方なのかと思い直し、改めて検討を始めたのです。一つの救いは、本国で右ハンドルを備えたオースラリア仕様を生産するというニュースでした。それがなかったから、今とは違う結果だったかもしれません」
『オフロード試乗会』に用意された2台のグラディエーターのうち、ブライトホワイトをまとったほうが試験的に持ち込んだオーストラリア仕様だという。日本仕様のハイドロブルーとの違いは見受けられなかったが、細部には法規的な差異が多々あり、右ハンドルだから即導入というわけにはいかないらしい。そうした設定調整も渡邊氏が担当するそうだ。
「時間はかかってしまいましたが、2021年11月にようやく受注を開始できました。申し訳なかったのは、その時点で実物をお客様にお見せできなかったことです。それにもかかわらず、これまでに約400台もの注文をいただきました。心からの感謝とともに、私がパフォーマンスを見誤ったことを、ここでお詫びしたい気持ちでいっぱいです」とは言え種々の事情を乗り越え、“正規で買えるピックアップトラック”の国内リストにグラディエーターを追加させたのは英断と言えるのではないだろうか。
「“冒険”と呼ぶほうが正しいかもしれませんね。本国で3種類あるグレードの中から最高峰のルビコンを選んだのもそうです。おそらくグラディエーターを求める方は、他にないカッコいいクルマを欲していらっしゃるでしょうし、Jeepが標榜するフリーダムをピックアップトラックで体感していただくのも、最強の4WDパフォーマンスを備えたルビコンがもっとも適していると思います。私たちの務めとして、ボディカラー8色、インテリアカラー2色を自由に選んでいただけるようにしました。Jeepに憧れる方々にグラディエーターというこれまでにない選択肢を提供することができて、今後の皆さんの反応が楽しみです」
先にも触れたように、白と青のグラディエーターは泥でタイヤが半分埋まるほどのコースを、メディアの挑戦に応じながら日が傾くまで走り続けた。当日はラングラーとレネゲードの試乗車も用意されたので、各社の記事はグラディエーターを軸にしたオフロード走行の実力についても触れられるだろう。
そこで、渡邊氏の話を通じて改めて思い知らされた。ある特別な前提条件、今回であればオフロードという状況で、新たにラインナップに加わったピックアップトラックとの比較ができるのはJeep以外に見当たらないこと。何より、日本ではまだ特殊ゆえ話題を集めるピックアップトラックがJeepではなかったら、『オフロード試乗会』で誰もが喜々としてハンドルを握るような結果にはならかったかもしれない、ということだ。
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Text:田村十七男
Photos:望月勇輝