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2022.06.21

グラディエーター、ついに日本上陸。新潟・妙高で『Jeep グラディエーター オフロード試乗会』開催!

2018年の発表からおよそ4年を経ても注目が絶えなかったJeep Gladiatorが、いよいよ日本を走る。それに先駆けて行われたメディア向け試乗会の現場で、この国ではいまだ稀有なピックアップトラックが国内導入されるまでの経緯を軸に、改めてJeepのパフォーマンスを考えてみた。

ピックアップトラックにブレークスルーの予感

妙高山を望む一大リゾート施設の『ロッテアライリゾート』で2022年5月27日に開催された『Jeep グラディエーター オフロード試乗会』。

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▲グラディエーター以外のモデルも集結。

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▲『ジープ グラディエーター(Jeep Gladiator)

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▲『ジープ グランドチェロキー L(Jeep Grand Cherokee L)』

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▲『ジープ コンパス(Jeep Compass)

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▲『ジープ ラングラー(Jeep Wrangler)

招待された10組を越えるメディアは、敷地内の特設コースを走り回る以上に、こんな関心を持って新潟まで足を運んだのではないだろうか。
「Jeepのピックアップトラックを直に体験したい!」
事情通の彼らはよく知っている。ピックアップトラックという車種が北米の新車販売台数でトップ3を独占するほど売れていても、そもそも日本では“正規で買える”モデルがごくわずかであること。それはこの国でピックアップトラックが普及しない事情に裏付けられていることも。

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乗用車並みの居住空間と広大かつ屋根のない荷室を兼ね備えるピックアップトラックは、その定義ゆえ車体が(時に冗長なまでに)大きくなる。それが国土の狭い日本で受け入れ難い主な理由だ。このあたりは、それぞれの生活圏におけるクルマの使い方に根差した違いという他になく、かなり強引に双方の普及構造にフォーカスすれば、北米のピックアップトラックと日本の軽自動車は興味深い比較対象になり得るかもしれない。

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いずれにしても、市場を俯瞰する限り現状では特に必要とされていないピックアップトラックをなぜJeepは国内導入したのか? 導入されたのはどんなモデルなのか? 少なくとも自動車関連でその点に注目しないメディアは皆無だろう。専門を謳う彼らにしても、根はクルマ好きだ。中でもブレークスルーを予感させるモデルの登場を放っておけるはずがない。
そんな素性を隠す素振りなどここでは無意味と言わんばかりに、2台用意されたグラディエーターの試乗予約は追加枠まで瞬く間に埋まった。早朝まで降り続いた雨でコースは泥に沈んでいるにも関わらず。

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グラディエーターは26年の空白を埋める2代目襲名モデル

改めて『ジープ グラディエーター(Jeep Gladiator)』を紹介する。ラテン語の“剣を持つ人”を語源とする名称を与えられたJeepのニューモデルが発表されたのは、2018年のロサンゼルスモーターショーだった。先述の通り5名分の居住空間と開かれたカーゴスペースを備えるため、ベースモデルの『ジープ ラングラー アンリミテッド(Jeep Wrangler Unlimited)』を大幅にストレッチ。

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全長で730㎜増の5,600㎜。ホイールベースが480㎜増の3,490㎜。なおかつテールゲートに“Jeep”の文字が刻まれた、それは見まがうことなきピックアップトラックだった。

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グラディエーターがことさら注目されたのは、ラングラーがフルモデルチェンジを果たして間もない翌年の登場だっただけでなく、“Jeep 26年ぶりのピックアップトラック登場”という事実が大きかった。実はJeep、アメリカンブランドだけに脈々とピックアップトラックをつくり続けてきていた。
始祖は、1947年のウィリス・オーバーランド・トラック。農作業向けの実用車ながら、当初から2WDと4WDを選べる設定を設けていた。それに続いて60年代に登場したのが、ワゴニア・ベースのグラディエーター。同モデルは70年代に入るとJシリーズに名を改めるが、この史実に則れば最新のグラディエーターは2代目を襲名したことになる。

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▲1950 Willys-Overland truck.

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80年代にはCJベースのCJ8スクランブラーとチェロキー・ベースのコマンチが登場。しかしコマンチは1992年で生産中止。そこから始まった“空白の26年間”を埋める形で、言葉を換えればJeepのピックアップトラックの系譜を紡ぎ始めるためにグラディエーターが“復活”した。ゆえにJeepファンに留まらず、全米のピックアップトラックファンにも待望の1台として迎えられたのである。
そしてまた、2018年のロサンゼルスモーターショーの衝撃は日本にも届いていた。となればクルマ好きは口に出す。「いつ日本に導入されるのか?」
そうして2022年。今回の『オフロード試乗会』をキックオフとして、ついにグラディエーターは日本で走り始める。本国発表から約4年のタイムラグが生じた理由を説明してくれた人は、意外すぎる言葉を口にした。了承を得たので、遠慮なく伝えることにする。

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