世界の頂点に立った男がJeep®と共に切り開く道
高畑選手はすでに将来を見据えた次の一歩を踏み出していた
R2クロス(二人乗りのラフト)、SUPクロス、SUPスプリントと全ての競技を終えた高畑選手は、今回のもう一つの彼の目的を果たすべく行動を開始していた。
それは、アメリカのリバーシーンにおいて重要な役割を果たすパドラーたちに、今後の彼のビジョンと活動を伝え相談し、協力体制を作ること。
<Gopro Mountain Games>でリバー競技を運営しているクレイとダン、ホワイトウォーターパークを作ることで地域活性化を成功させたマイクハービー、そしてACA(全米カヌー協会)のSUP部門の責任者であり日々インストラクターを養成しているSUPのパイオニアの一人チャーリー・マッカーサーなど錚々たる顔ぶれだ。チャーリーとのミーティングの時に同席させてもらった。
長年アスペンでスキーのインストラクターを務めた時に培った指導技術で現在多くのSUPインストラクターを育てている。またハワイにも住んだことのあるチャーリーはサーフィン、カヤック、SUPのスキルはワールドクラス。高畑選手とは2011年にコロラドの大会で出会い、それ以来よき相談相手となっている真のウォーターマン。高畑は2年前、彼を日本に招聘しリバーSUPのインストラクターを養成するワークショップを開いたこともある。
高畑選手が次に目指すものとは?
「日本でリバーSUPをきちんと競技化しスポーツとして広めていきたい。そのために、今年僕はRiverman Brothersという社団法人を立ち上げます。目的はリバーSUPを競技としての確立させること、全国で統一したルール設定や大会のランク付け、インストラクターや選手の育成などです。今までパドルのあるライフスタイルを提唱し、SUPを通して人の輪を広げ、人と人/人と自然を繋いで来ましたが、次のステップはリバーSUPをスポーツ化し競技人口を増やしていくこと。愛好家と競技者両方をバランスよく増やしていき、もっと日本に無数に流れる川の魅力をたくさんの人に伝えたい」
そうチャーリーに熱く語り色々なアドバイスをもらう中、意外な事実が…。
外国人が羨ましがる日本のあることとは?
来日した経験があるチャーリーはすぐに高畑選手のビジョンを理解しサポートする意思を表していた。今後、高畑が日本のリバーシーンを牽引していく上でのアドバイスを自身の経験を交えて語ってくれた。その中で意外な言葉が生粋のアウトドアマンの口から出てきた「日本に初めてきた時、なぜか家に帰って来たような気持ちになった」と。
山、川、海がこんなにも身近にある日本は、アウトドアスポーツのフィールドの宝庫だと彼は言う。
島国だからこそ山と海が近い距離にあり、そこを流れる川は表情豊か。僕たちが憧れているコロラドのパドラーが浮き彫りにしてくれた日本の地理的なアドバンテージだった。「都市部に住んで車で数時間の距離にスキーを楽しめる山も、SUPで下れる川も、サーフィンできる海も全て揃っているなんてすごいことだよ。コロラドの連中が海に行きたかったり、LAに住んでる人がスキーをしたかったら飛行機に乗るしかないでしょ」
自国の恵まれた環境を再認識し、リバーを舞台にしたSUP競技のプロスポーツ化にさらなる情熱と確信を得た高畑選手は、“Go anywhere Do anything(どこへでも行ける。何でもできる。)”のJeep®精神で日本中を駆け巡り新しい道を切り開いていくだろう。
Photo by Jeep® River SUP Team
Text by 藤村育三