【Jeepオーナーインタビュー】夢を叶えるために、裏方の道を選んだプロゴルフコーチ・石井忍
名選手の影に名コーチあり。コーチはアスリートが活躍するための重要なピースだ。個人スポーツであるゴルフにおいて、コーチは単なる技術指導だけではなく、メンタルなどあらゆる面での支えになる。ただ、それは年間を通して常に選手と向き合い続けなければならない過酷さを意味する。そしてプロゴルフコーチの石井忍(いしい・しのぶ)さんにとって、全国のトーナメント会場への移動手段として欠かせないのがJeep Wrangler Unlimited Saharaだ。華やかなプロツアーの裏で行われている“プロゴルフコーチ”という仕事について、石井さんに話を伺った。
車内は仕事や義務が侵食しないかけがえのない空間
過去に例がないほどのブームが起きているゴルフ。その要因の一つになっているのが女子プロゴルフツアーの活況だ。石井忍さんは、そんな女子ツアーでプレーする選手をコーチとしてサポートしている。ただ、肩書きはプロゴルフコーチだが、プロだけを指導しているわけではない。男女問わずビギナーからトッププレーヤーまで、あらゆるゴルファーへの指導を行なっている。
もともと石井さんは、プロゴルファーとしてツアーで活躍することを目標にしていた。ただ、35歳の頃に10年後の自分を想像して「今のままではまずい」と思ったそう。プロとして夢を追いかけ続けることの限界を感じはじめていたのだ。そんなタイミングで女子の研修生(プロを目指す練習生)から「スイングを見てもらいたい」という相談があった。
「これは面白いかもなと思いました。教えたことが結果として出る喜びを知り、自分のやりたいことが全てじゃなく、自分がやれることはなにかを考えることも大事なんだと。自分の夢を叶えてくれるというか、自分ができなかったことを叶えてもらうためのサポートをする。コーチという仕事にのめり込んでいく大きなきっかけだったと思います」
現在、石井さんがサポートしているプロの選手は複数名いるが、男女ツアーに加えて、アマチュアへのレッスンなどを含めると、きっちり休める時間はほぼ無いと言っても過言ではない。そんな石井さんにとって『<ジープ ラングラー アンリミテッド サハラ(Jeep Wrangler Unlimited Sahara)』は癒しの時間を与えてくれる貴重な存在だ。
「主な仕事場はゴルフ場になるので、クルマを使うことは日常茶飯事。だからこそ車内で過ごす時間は私にとっての休み時間と言えます。仕事も義務も侵食してこない空間なので、癒しの時間を過ごすことができます。また、心身ともにリラックスできる空間だからこそ新たなアイデアが生まれたりもします」
プロゴルファーとコーチの契約のスタイルには年間契約など、色々な形がある。石井さんへの依頼内容も短期的な目標から長期的な目標までと様々だ。石井さんは、「選手の目標を達成するために全力でサポートすることこそが自分にできることだ」と言い切る。常に選手と向き合い続けるのは並大抵のことではない。身体的にも精神的にも疲弊することもあるが、それを癒してくれるのがJeepなのだ。
肩を組んで歩ける男友達のような相棒
おもむろにスマホを取り出し、写真フォルダのデータを遡り始めた石井さん。そして見せてくれたのは2020年の頃に撮影した写真。そこにある平面の駐車場で、当時石井さんが乗っていたクルマの背景に映るJeepの姿があった。「以前からJeepは気になる存在でした。どうしても乗りたいクルマで、この時もたまたま見かけたJeepを思わず撮影してしまったんです」
その写真を撮ったのと同じ2020年からJeepに乗りはじめたわけだが、憧れだったクルマは、想像以上の満足を与えてくれているという。
「ゴルフ場に着いた時も優越感があるんです。唯一無二の存在感と優越感はこのクルマでしか味わえないことだと思います。個人的には強さというかJeepが持つ無骨さが気にいっていて、良い意味でデリケートに扱わなくてもいい。言葉で表現するのが難しいのですが、男友達とガツガツ肩を組んで歩くような、伝わりますかね?(笑)」
石井さんのイメージはこうだ。無骨さにテクノロジーを融合させたハイブリッドモデル。力強い走りと、居住空間の快適さなど求める全てを満たしてくれる。
「もちろん以前から気になっていたクルマでしたから、最初にディーラーに見にいった時にはシンプルに格好いいなと感じました。世の中にはSUVとかクーペとかいろんなカテゴリーがありますが、自分の中では“Jeep”というカテゴリーがある感覚なんです。その中でも最高に乗りたいクルマでした。デカさのわりには小回りも効きますし、ドライブアシストなどの欲しい機能も充実しています。あとはゴルフバッグなんかも十分入りますし、荷物が多いゴルファーには嬉しい限りです」
Jeepに乗るようになってから、コースに向かうのが以前よりも楽しくなったと石井さん。プロゴルフコーチという仕事は、意外とプレーできる回数は少ない。プライベートとなれば、数ヶ月に1回有るか無いかというレベル。それでもたまにあるプライベートラウンドの際は、テンションが上がって前の日の夜は寝付けないと話す。
「アマチュアの方からはよくそういう話を聞きますが、久々のラウンドの時にはその気持ちがよくわかりますね」
昂る気持ちを味わいながら、Jeepに乗り込みコースへと向かう。プレーするだけがゴルフではない。道中のクルマで過ごす時間もその日のゴルフに含まれる有意義な時間なのだ。
プロゴルファーの調子とは生モノのようなもの
選手たちと共に達成することの喜びは、今となっては何にも変え難いものになっている。
「コーチとしてのやりがいは選手の成果が出たときですね。成果とは分かりやすく言えばトーナメントでの優勝です。でも、それってすごく短いものなんですけどね。優勝しても次の試合がすぐに始まるわけですから、いつまでも喜んでばかりはいられない。また、プロの調子に関しても、日替わりのようなもので、まるで生モノみたいに明日になれば全く変わってしまっているということは多々あります。だから本当に難しい仕事だと思いますし、やりがいもあります」
石井さんに限ったことではないが、選手とコーチの間に必要なのは信頼感だ。どれだけ優れたコーチでも、選手との信頼関係を築くことができなければ、それはプレーヤーにとってベストなコーチではなくなる。では、信頼関係とはどのように築くのだろうか。
「やはり細部にまで目を配って、選手をよく見るということだと思います」
機嫌が悪い日もあれば、会話が噛み合わない日もある。選手からあたられることだってもちろんある。それでも根気よく話をして、しっかり選手を見ることで、選手には安心感が生まれる。選手とコーチの間には言葉では表現できない感覚的なものが存在する。言葉を交わさずとも、意思疎通できるのは信頼があるからだ。表舞台から裏舞台へと自身のフィールドを移した石井さん。プロゴルファーとしての成功を諦めるという精神的な葛藤があったことは予測できるが、今は選手と共に歩く道をひた向きに進んでいる。それはゴールとうものが存在しない過酷な道だが、それでも選手のために力を尽くす姿をこれからも見続けたい。
●プロフィール
石井忍 / プロゴルフコーチ
1974年8月27日生まれ。千葉県出身。
日本大学ゴルフ部を経て1998年にプロテストに合格。男女プロのサポートを行うプロゴルフコーチとして活躍。現在は「エースゴルフクラブ」を主宰し、千葉市、神保町、赤坂でゴルフアカデミーを展開している。
Text:出島 正登(オジー&デジー)
Photos:高橋 淳司(cg&m)
撮影協力:株式会社ファイブスター東都