ACIDMAN・大木伸夫とJeep® 。そして“ニューアコ”10周年への想い
ライブはキャンプを楽しむための一つのツールで、その一部になりたい
――ニューアコが10周年を迎えましたが、このイベントにどのような印象を持っていますか?
まず一つのことを10年続けるっていうことがすごいですよね。ニューアコはかなり特殊というか、運営が難しいイベントだとは思うんです。それでも地道に積み重ねながら、どんどん大きくなっているのは素晴らしい。
――ライブではニューアコでしか披露しないBRAHMANの“ANSWER FOR…”のカバーで、大ボス(TOSHI-LOW氏)が出てきましたね。最初に参加したニューアコ(2010年)は、大ボスから直接オファーを受けての出演だったのですか?
たぶん違ったと思います。そのころは面識はあったけどまだがっつり仲良くなっていたわけではなくて、まだ憧れの先輩という感じで見ていました。それに最初のニューアコはキャンプもしなかったし、泊まりもしなかった。本当にアコースティックライブだけをする感じだったので、今とは全然違いますね。
――そこからしばらく期間が空いて、2016年からは4年連続でニューアコに参加されています。2016年に戻ってきた際に、最初に参加したときとのギャップは感じましたか?
感じましたね。そのころには僕もキャンプを始めていたので「こんな素晴らしいイベントになったんだ!」って驚きましたし、ライブもすごく良かったので「またぜひ呼んでほしい」って言いました。
――そのころにはキャンプ道具もけっこうそろっていましたか?
道具もまあまあそろってましたね、カタチから入る方なので。ただもともとキャンプは好きでしたけど、ここまでギアをそろえて本格的にするようになったのは、ここ5年ぐらいの話です。
――ニューアコでライブをするときに意識していることはありますか?
ニューアコはライブをしに来ているというより、キャンプをしに来ている感覚の方が強い。自分としては呼んでいただいているので良いライブをしなければいけないし、もちろんお客さんには楽しんでほしい。だけど、ライブがキャンプを楽しむための一つのツールだと思っているので、その一部になりたいと思ってます。
――その考え方はすごくニューアコらしいですね。ライブの途中のMCで“自然”や“地球”、“宇宙”といったワードが出ましたが、ニューアコはそういう要素を一番感じられるイベントなんじゃないかなとも思います。
そうですね。来てくれるお客さんのことを第一に考えてるし、会場の演出とか、ブランディングとかも全部含めて、キャンパー目線で作られてるイベントだと思います。
今日をきっかけにして、夜空に、宇宙に思いを馳せるようになったら
1日目の17時ごろから、“STAGE YONDER”で披露されたACIDMANのアコースティックライブ。まず大木さんは観客、そして10周年を迎えたニューアコにメッセージを送った。
「10年って本当にすごいことだと思います。自然やキャンプ、音楽といったいろいろなものを繋げていってこんな美しいフェスを作って、でも裏ではスタッフさんがめちゃくちゃ努力してて。こんな素晴らしい場所を提供してくれるニューアコ10周年おめでとう! 最高の思い出をみんなで作って行きましょう!」
インタビュー中にも触れたが、ライブ中盤ではBRAHMANの“ANSWER FOR…”のカバーで、ニューアコの生みの親・TOSHI-LOW氏のサプライズ登場も。ステージ上で見せる一つ一つのやり取りからは、互いへの信頼とリスペクトが感じられた。そして終盤のMCで、大木さんは会場に集まった観客、特に子どもたちへ語りかける。
「もし今日の夜、星が見えたら、想いを馳せてほしいんですよね。星がキラキラと光ってるのは何でだろう。僕らが今いる地球って何歳なんだろうって。今聞いたら7歳の子も10歳の子もいたでしょ。地球は生まれてから46億年。そして宇宙は138億年。小さい子たち、すごいでしょ? 今日をきっかけにして、夜空に、宇宙に思いを馳せるようになったら素晴らしいことですし、そしたら人生変わってくると思うんですよね」
大木さんの夢のあるメッセージのあと、夜空に吸い込まれるようなメロディで始まったのは“ALMA”。
「輝く星に 明日が見えるまで 僕らは手を伸ばす」――個人的にはニューアコの日が暮れる時間が好きで、今年もその時間に聴くACIDMANのライブは最高としか言いようがなかった。
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Text:ラスカル(NaNo.works)
Photos:大石 隼土