世界初の〈ノルディスク〉コンセプトストアが見据える、東京発のキャンプカルチャー
東京・世田谷区。環状八号線と砧二丁目の交差点。いわゆる商業エリアとは程遠い住宅街の一角に、今年3月、世界初の〈NORDISK〉コンセプトストア「NORDISK CAMP SUPPLY STORE by ROOT」がオープンした。白熊のロゴマークでおなじみの、100年以上続く北欧発の総合アウトドアブランド〈NORDISK〉。本国デンマークではなく、遠く離れた日本で世界初のコンセプトストアが誕生したこと、そして日本の公式リテールパートナーとしてストアの構想から立地選定、商品セレクトなど全体監修を手掛けたのは、〈F/CE®.〉や〈So far〉のデザイナーであり、バンド〈toe〉のベーシストとしても活躍する山根敏史氏。これらの要素だけでも、ブランドのファンやキャンパーの方々がこの場を訪れる理由としては十分かもしれない。
店内に足を踏み入れると、〈NORDISK〉を代表するコットンテントやシュラフが大きくレイアウトされているだけでなく、天井まで続く柱や壁面にはキャンプに必要な衣・食・住のギアがブランドの垣根を越えて並んでいる。コーヒーやホットドッグを楽しめるカフェスタンドも併設し、屋外にはデッキスペースもある。立地のみならず、これまでに存在した「東京にあるアウトドアショップ」にはない、新しい要素とおもしろさがいくつもある。
そこで、ディレクター山根敏史氏に、何を考え、何を見据えて、この場所をつくりあげたのか。ストアができるまでのプロセスや、目指しているもの、ここから生まれつつある、東京ならではのキャンプカルチャーについて語ってもらった。
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