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2020.07.16

“本物の実力”が遺憾なく発揮された、白馬オフロード試乗会レポート

カーメディアやジャーナリスト24組を招待した『白馬オフロード試乗会』が長野県北安曇郡白馬村のスキー場で開催された。4日間に渡ったこのイベントに参加したFCAジャパン株式会社・代表取締役社長兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏の解説とともに、フルラインナップで臨んだ試乗会の模様をレポートする。

「実にJeepらしい天気を存分に楽しんでください」

「人工的な障害物が備わるオフロードパークではなく、可能な限り自然に近い場所でJeepの実力を試してほしかった」
FCAジャパン株式会社・代表取締役社長兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏の切望を叶えた場所は、草が生い茂ったままの夏のゲレンデだった。『Blue Resort 白馬さのさか』内に設けられたコースは二つ。後々の説明のためチーム分けを行うが、『ジープ レネゲード トレイルホーク(Jeep Renegade Trailhawk)』、『ジープ コンパス トレイルホーク(Jeep Compass Trailhawk)』、『ジープ チェロキー トレイルホーク(Jeep Cherokee Trailhawk)』、『ジープ グランドチェロキー リミテッド(Jeep Grand Cherokee Limited)の4車種による“チャレンジャーチーム”にはゲレンデコースが。

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▲『ジープ レネゲード トレイルホーク(Jeep Renegade Trailhawk)

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▲『ジープ コンパス トレイルホーク(Jeep Compass Trailhawk)

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▲『ジープ チェロキー トレイルホーク(Jeep Cherokee Trailhawk)

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▲『ジープ グランドチェロキー リミテッド(Jeep Grand Cherokee Limited)

そして『ジープ ラングラー アンリミテッド サハラ 2.0L(Jeep Wrangler Unlimited Sahara)』、『ジープ ラングラー ルビコン(Jeep Wrangler Rubicon)』、『ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン(Jeep Wrangler Unlimited Rubicon)』の“アドベンチャーチーム”にはラングラーコースが用意された。

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▲『ジープ ラングラー アンリミテッド サハラ 2.0L(Jeep Wrangler Unlimited Sahara)

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▲『ジープ ラングラー ルビコン(Jeep Wrangler Rubicon)

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▲『ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン(Jeep Wrangler Unlimited Rubicon)

いずれのコースも、1周約20分の山裾を上って下りるルート。難度の高さを感じたのは、頂上からゴールまでほぼ刈られていない下りの草原だ。その上には梅雨末期の大きな雨粒が間断なく降り注いでいた。それが望まれた自然とは言え、ひどく滑りやすいコンディションであることは誰の目にも明らかだった。しかもラングラーコースのダウンヒルには、途中3つの大きなコブまで備わっていた。
「私も走りましたが、コースもクルマも大変素晴らしかった。実にJeepらしい天気を存分に楽しんでください」
これはヘグストロム氏がジャーナリストを囲んだディナーで発した挨拶だ。それを聞いた参加者たちは一様に微笑んでいた。

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▲“アドベンチャーチーム”向けのラングラーコース。

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▲“チャレンジャーチーム”向けのゲレンデコース。

TRAIL RATEDが示す本物の実力

では、“チャレンジャーチーム”から走行レポートを。まず伝えておきたいのは、山登りには登山靴が不可欠であるように、各車とも今回のコースに適したタイヤに履き替えたことだ。いずれもJeep適合タイヤとされているBF グッドリッチのオールテレインまたはマッドトレインを装着。一齣が大きいブロックパターンは実に頼もしく、中でもJeepブラザー末っ子のレネゲード トレイルホークは逞しさが増したように見えた。
タフなタイヤのサポートも加わり、最大斜度15度の上りは何の苦もなくクリア。各車に備わった4×4テクノロジーが遺憾無く発揮された結果だ。

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▲左:BF グッドリッチのオールテレインタイヤ(チェロキー)、右:BF グッドリッチのマッドテレインタイヤ(レネゲード)

ハイライトは下り。登山靴の紐を締め直すが如く、傾いた草原に分け入るにはいくつかのボタンを押さなければならない。操作は2ステップ。ギア比を低レンジにする4WD LOW。これだけでたいていの不整地に挑めるが、滑りやすいダウンヒル向けにヒルディセントコントロールのボタンも押す。
ヒルディセントコントロールは、スロットルペダルを踏まずとも適切な速度をクルマ側が保つことで、ドライバーはハンドル操作だけに集中できるという電子制御の4×4システムだ。さらにレネゲード トレイルホーク、コンパス トレイルホーク、チェロキー トレイルホークには細やかなシフトチェンジを行う9速ATが組み合わされ、高次元の走破性が実現される。これが3車のトレイルホークに燦然と輝く赤いバッジ、TRAIL RATEDが示す実力だ。

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Jeepは、4×4性能に求められる5つの項目、トラクション、渡河性能、機動性、接地性、地上高において、“地球上でもっとも険しいトレイルでの過酷なオフロード性能試験に合格したモデル”にTRAIL RATEDというバッジ=称号を与えている。それをラインナップに加える理由について、ヘグストロム氏は次のように語った。

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▲FCAジャパン株式会社・代表取締役社長兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏

「すべてのモデルでオフロード性能を重視するのは、Jeepのルーツが軍用車だからです。このブランドにとって大事なのは、本物であること。他にもオンロードモデルから派生した優れた4WDモデルがありますが、我々とは出自が、つまりDNAが違うのです」
その言葉を裏付けるように、TRAIL RATEDのバッジをつけた3台のトレイルホークは穏やかな足取りで草むらを踏み分けた。

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今回の“チャレンジャーチーム”ではグランドチェロキーのみTRAIL RATEDに認定されたトレイルホークが参加できなかったが、リミテッドには4WD LOW、ヒルディセントコントロールのボタンが備わっており、他のトレイルホークと同等、または大柄なボディと相まった堂々とした走りを見せた。TRAIL RATED版であればさらに、という期待感が膨らんだのは言うまでもない。

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