新型 Jeep Avengerプレス発表会&Launch Partyレポート第2弾。アベンジャーが叶えたフリーダム・チョイス。
2024年9月26日。東京・虎ノ門ヒルズ ステーションタワーのTOKYO NODEで、80年を超えるJeep史上初のBEV(バッテリー式電気自動車)となるアベンジャーのLaunchイベントが開催された。レポートの第2弾は、Launch Partyの模様に触れつつ、会場で聞いたリアルなアベンジャー評と、Stellantisジャパン代表取締役社長の打越 晋氏のインタビューをお届けする。
煌めく東京の夜にふさわしいライブパーティ
プレス発表会閉幕の6時間後。同じ会場のTOKYO NODEで、一般公募のJeepファンを招いた『ジープ アベンジャー(Jeep Avenger)』 Launch partyが開催された。今回のパーティは、会場から見える地上46階の夜景にふさわしく、都会的な音楽による演出が特徴的だった。
シンガーソングライターでもあるYonYonが、オープニングDJで幕開けを飾った。彼女はパーティの最後にも登場し、2台のアベンジャーが置かれたステージを瞬く間にクラブシーンへと導いた。
パーティの後半を盛り上げたのは、ベース、ギター、鍵盤、サックスなどを演奏するマルチプレイヤーのTENDRE。洗練された音楽センスで注目を集めるアーティストは、電子機材とともにキーボードの弾き語りライブを披露。煌めく東京の夜にふさわしいグルーヴでオーディエンスを楽しませていた。
アベンジャーは自然と共生できるモデル
今回は、アベンジャーに向けた生の声を紹介していく。まずは、クルマ番組のMCも務めるモータージャーナリストの岡崎 五朗氏。岡崎氏は、StellantisジャパンのJeep プロダクト ジェネラルマネージャーである渡邊 由紀氏と、同じくJeep ブランド ジェネラルマネージャーの新海 宏樹氏とともに登壇し、トークショーに臨んだ。
興味深かったのは、いち早くアベンジャーの試乗を済ませているという、岡崎氏のファーストインプレションだった。
「正直なところ、JeepのBEVはピンと来なかったんです。ところが乗ってみると、エンジンの個性を語れなくなったBEVの中で、アベンジャーは車体に個性の強さを感じました。コンパクトSUVとは思えないほどの室内や荷室の広さも、遊ぶための荷物をたくさん積みたいJeepオーナーを考えてのことでしょう。そのあたりからも、BEV専用のプラットフォームにJeepらしさを与えようとしたことが明確に伝わってくるのです」
そして岡崎氏は、アベンジャーへの期待を語ってトークショーを締めた。
「JeepのBEVで山深いキャンプ場やオフロードに行ったら、きっと鳥の声が聞こえてくるんじゃないでしょうか。オフロードも走れるモデルが自然と共生できるなんて、最高の世界だと思いますよ」
実力を見たいのはアドベンチャーシーン
Launch Partyでは、RealStyleにも何度も登場している二人のJeepレジェンドに会うことができた。
一人目は、3度のオリンピック出場と、ワールドカップの日本人最高位2位の記録を持つ、元アルペンスキーヤーにしてJeepアンバサダーの岡部 哲也氏。JLのアンリミテッドまで4台の『ジープ ラングラー(Jeep Wrangler)』を乗り継いでいるJeep通に、その目で見たアベンジャーの印象をたずねた。
「冒険心を忘れないJeepが電気自動車にチャレンジしたというのは、実に感慨深いですね。アベンジャーはコンパクトだと聞いていましたが、デザイン的にワイドさが際立っているので、実際のサイズ以上に堂々と見えるところが僕好みです」
さらなる充実が見込まれるEVの充電環境に対しても言葉をくれた。
「世界中でEVが乗りやすくなっていく実感を持っています。数年前に行ったヨーロッパでは、空港の駐車場にも充電できる場所がたくさんありましたし、僕が拠点を置く軽井沢でもたくさんのBEVを見かけるようになりました。そうは言っても日本の場合は、都市部の人たちの利用が増えることで電気自動車の普及が進むと思います。その中でアベンジャーは、Jeep好きな人もそうでない人にも勧められるモデルになりますね」
アベンジャーでどんなところを走ってみたいだろうか?
「とにかく一度乗ってみたいと思っていますが、試すなら雪の上。アドベンチャーシーンでアベンジャーの実力を見たいです」
雪山でパワーとトルクの出方を体感したい
続いては、小野塚 彩那氏。彼女もまた、ハーフパイプでソチ五輪の銀メダル獲得や世界選手権優勝などで華々しい成績を残したスキーヤーだ。後に自然地形の雪山を滑るフリーライドに転向し、2020年12月の出産から2か月後の大会で部門優勝を果たした現役のアスリートでもある。加えて、根っからのJeepグランドチェロキー乗り。最後に会った2021年の秋には、夫の桑本旅人(たかひと)氏の念願だったラングラー アンリミテッドとそろい踏みの写真を撮らせてもらった。
「実は訳あって、この春にラングラーを手放し、グラチェロは新型のLに乗り換えたので、今の我が家にはJeep1台となりました。なのでコンパクトなBEVのアベンジャーは、新たに迎え入れたい一番の候補なんです」
BEVには以前から興味が?
「環境に関する活動もやっていますし、何よりも未来の子どもたちに雪を残したいので、EV全般に関心を持ってきました。Jeepの4xeも各モデルを試乗しています。だから完全電気自動車のアベンジャーには並々ならぬ興味があるんです。JeepのDNAを受け継いでいるのは、見ただけでわかりますから」
やはり試したいのは雪の上?
「そうですね。雪山に行ってみたいです。どんなパワーとトルクの出方をするのか体感したいです」
「BEVでも皆さんが安心できるJeepです」
アベンジャーに向けたリアルな声、最後はStellantisジャパン代表取締役社長の打越 晋氏のインタビューをお届けする。プレス発表会とLaunch Partyの合間に時間をいただき、Jeepファンが聞いてみたいと思われる質問をぶつけてみた。
Jeep史上初のBEV登場に際し、長年のJeepファンが懸念しているのはどんなことだと考えていますか?
「Jeepファンの皆さんがJeepに期待されるのは、郊外へのドライブや、キャンプを楽しむというような、それぞれが望むことを叶えてくれるところだと思っています。それがBEVになると制限されてしまうのではないか? バッテリー残量が気になって遠くまで行けないんじゃないか? オフロードは走れないんじゃないか? そこがJeepファンの危惧する部分だと考えています。」
それに対してどんな回答を提示されますか?
「発表会でもお伝えしましたが、新たなプラットフォームにJeepらしさを追加したこと。一充電の総距離が486㎞に達すること。さらには通常より3つ多い計6種のドライブモードの設定などに鑑みて、私からはこうお伝えさせていただきます。BEVでも皆さんが安心できるJeepですよと。さらに、近い内に行動範囲を広げられるサービスを実施し、より安心してBEVを楽しんでいただけるよう努めていきます。」
アベンジャーに続くBEVとしてリーコンの発表もアナウンスされています。Jeepはこれからどんな方向に向かうのでしょうか?
「BEVのアベンジャーが発売されたので、皆さんがJeepブランドの将来をお聞きになりたいのは当然だと思います。持論としてお話させてください。これまで自動車の方向性は、政府や自動車メーカーが誘導してきたところがありました。しかしエンジン、PHEV、BEVがそろった現在の市場に至り、お客様がそれぞれの使い方で選択する時代になったのです。そこでJeepは、伝統に則ったJeepならではのBEVをつくりました。これは、プレス発表会でJeepブランドのバイスプレジデントであるマック・ナイクイスト氏も言っていた、お客様に提供すべきフリーダム・チョイスを叶えるために必要不可欠だったのです。いろいろ選べる。どれか一つに絞らない。あえて言えば、それがJeepの今後です。」
それにしても、7スロットグリルや台形ホイールアーチ。さらには様々なオフロードテクノロジーなど、Jeepにはどんな時代にも“らしさ”を継承できるエレメントが豊富ですね。
「おっしゃる通りです。これも私見ですが、多くの先進的BEVが登場する中でも、Stellantisで言えばFIAT 600eとこのアベンジャーはバッジを外してもブランドがわかる車の代表になるのではないかと思います。」
Jeepがアベンジャーに託した思いは、『その日常に電気が走る』。果たして80年を超えるJeep史上初のBEVは、我々の生活にどんなワクワクをもたらしてくれるのか。全国の正規ディーラーで開催される『Jeep Avenger Debut Fair』は、2024年10月12日(土)~14日(日)。何はさておき、電撃的なアベンジャーのリアルを体感してほしい。
ニュースメディア『Qetic』では、TENDREとYonYonのライブレポートを公開中なので、こちらも是非チェックしてほしい。
TENDREとYonYonの詳細ライブレポートはこちら!
カタログ請求はこちら!
ご試乗予約はこちら!
商品に関するお問い合わせは、Stellantisジャパン株式会社まで。
ジープ フリーコール 0120-712-812(9:00~21:00、無休)
https://www.jeep-japan.com/
Text:田村 十七男
Photos:安井 宏充(Weekend.)