Jeep® Cherokee Trailhawkで静かな森歩きの山へ。
この日に歩くのは小屋まで。もしかしたら明日は天気が好転するかもしれないと、山頂は翌日に残しておくことにしたからだ。
初夏を迎え、深味を増した木々の緑は雨水に濡れ、なんともいえない透明感がプラスされている。そんな美しい緑で頭上まで覆われた登山道は、まるで緑の回廊のようだ。登山計画を中止せず、出発してきてよかったと思う。
高い撥水性をもつソフトシェルのパンツですら、うっすらと湿り始めたころ、僕はほこら小屋に到着した。案の定、だれもいない。それどころか、ここまでほかの登山者とは一切出会わず、おそらくこのまま静かな夜になるのだろう。
夜メシを食うと、日が暮れた。登山道でも聞こえたシカの甲高い鳴き声が、山中に響きわたる。どうやら僕が想像していたほど静かな夜にはならないようだ。それにしても、この小屋の周辺にいったい何頭いるのだろう。シカの大家族のご自宅におじゃましているような気分になってしまった。
荷物をクルマに戻し、街中へ。下山後もまだまだ楽しみは続く。
翌日は残念なことに、大雨だった。これでは山頂に登っても仕方ないと、同じ道で駐車場に戻ることにする。山頂に登ること自体よりも、山中に泊まることの開放感を重視する僕にとって、今回のように気楽なひと晩をすごせていれば、もう十分に満足なのである。
高山植物の花を探しながら、僕は下山を始めた。何度も写真を撮っていると、体は次第に雨で濡れていくが、クルマに戻れば乾燥して温かな着替えが待っているのだから、気持ちには余裕がもてる。駐車場に到着した僕は、濡れたウエアを脱ぎ、車内に放り込んだ。そして再びハンドルを握る。
ウエアと荷物の湿気で、窓が次第に曇り始めた。雨の多い時期の山では、これが問題だ。しかしエアコンを作動させれば、すぐに解消するのがありがたい。車内に効率よく風が回っているのだろう。アウトドアで使うクルマには、こういう点も重要なのである。
山頂を諦めたこともあり、時間には余裕がある。僕は甲府までクルマを走らせると、仲のよいアウトドアショップ『SUNDAY(サンデイ)』へ向かった。品揃えにスタッフのセンスが光り、甲府に来たら店内をチェックしないわけにはいかない。
都会にある『サンデイ』の駐車場でも、真っ赤なチェロキー トレイルホークはとにかく見栄えがいい。このスタイリッシュな存在感は、場所を選ばずに発揮されるようなのである。
僕はドアを開け、ショップ内に入った。そして再びドアから外に出たとき、クルマの中に収容する新しい道具がいくつか増えていたことは、いうまでもない。
<プロフィール>
高橋庄太郎
山岳/アウトドアライター。小誌をはじめアウトドア各誌で山の紀行文やギアのレビューなどを手がける。『山道具選び方、使い方』『トレッキング実践学 改訂版』(小社刊) など、著書多数
今回使用したクルマ
『ジープ チェロキー トレイルホーク(Jeep® Cherokee Trailhawk)』
商品に関するお問い合わせは、FCA ジャパン株式会社まで。
ジープフリーコール 0120-712-812(9:00~21:00、無休)
https://www.jeep-japan.com/
Text:Shotaro Takahashi
Photos:Takehisa Goto