Real Tabi with Jeep® 〜Jeep® と行く、日本の“こころ”を探る旅〜〈和歌山県・那智勝浦町〉

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那智の扇祭り。水と火が織りなす、勇壮にして神聖な熊野の祭礼

自由、冒険、本物、情熱──。4つのDNAを持つJeep® を駆って、日本という地が持つ“こころ”を解き明かす旅へ。扇神輿と松明による火祭りの一団が那智の滝へと進む。

自然と神と人が邂逅する聖地で
繰り広げられる勇壮な火祭り

トンネルを抜けるたびに緑が深く濃くなっていく紀州路を、『ジープ チェロキー トレイルホーク(Jeep® Cherokee Trailhawk)』で熊野へ。馬力と燃費の良さ、4WD車としての醍醐味を兼ね備えた頼もしい走りで、海岸線に沿ったドライブウェイも、急な勾配の山道も、難なくこなしていく。熊野三山の一つとして崇められている熊野那智大社に近づくにつれ、周囲には霧が立ち込め、小雨も降り始めた。

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▲丸山千枚田にて。青々とした棚田が広がる景色に、深みのある赤のボディカラーが映える。

「もともとこの一帯は“竜がすむ”といわれるほど雨の多いところ。田植えが済んで一段落した時期に豊作と安寧を祈願して行われる那智の扇祭りでは毎年、天候が心配されますが、不思議と神事が始まると晴れることが多いのです」と語るのは、熊野三山協議会幹事の山本殖生氏だ。

山本氏の言葉通り、御本社大前の儀が始まり、続いて大和舞や田楽舞、御田植式が行われる頃には不思議と雨はやみ、雲の切れ間から那智の滝が荘厳たる姿を現した。境内にずらりと12体揃ったのは、この祭りの主役、扇神輿(おうぎみこし)。それぞれに32本の扇と8面の神鏡が取り付けられている。本社を出発した扇神輿は急な階段を下り、那智の滝へと向かう。

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▲本殿の前に高さ約6メートルの扇神輿が並び、いよいよクライマックスの御火(おひ)行事が始まる。

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▲落差133メートル、30階建てのビルに相当する高さから流れ落ちる那智の滝の迫力は圧巻。

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▲扇神輿を那智の滝の前に迎えた後に行われた御田刈式。「千年萬年、あっぱれあっぱれ」の声に合わせて参列者たちも唱和する。

「那智の滝は、ここ熊野の地で神々が神話に登場するよりもさらに古い時代から崇められ、現在では熊野那智大社の別宮、飛瀧神社の御神体となっています。私たちの祖先は太古の昔から、人の力の及ばない自然の偉大さに崇拝の気持ちを抱いてきたのでしょう。神輿に掲げられた扇の数は旧暦のひと月の日数を表し、使用する釘の数も360本。12体で一年の月の数を表すことで、この一年、太陽がつつがなく運行しますようにと願ったのでしょう」と山本氏。

滝へと向かう扇神輿を迎えるのは、滝前で点火された12本の大松明。持ち手を務める氏子たちが「ハリャ、ハリャ」というかけ声とともに何度も石段を上下すると、松明の熱風が周囲の観覧席にまで押し寄せ、扇神輿や、大きいものでは重さ50キロにもなるという大松明を担ぐ人々の緊張感が伝わってくる。

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▲熊野那智大社の境内では無形文化財の大和舞が奉納された。

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▲白装束に烏帽子姿で大松明を担ぐ氏子たちが扇神輿を先導する。

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那智の滝に“里帰り”した神々を祀る扇神輿は、松明の炎と大滝から流れ落ちる水で浄められ、再び山頂の熊野那智大社へと戻っていく。こうして熊野の地に新たな神気が漲り、災いや汚れが払われるのだという。
「勇壮で神聖さに満ちた祭りを通して、人々が昔から抱いてきた自然を敬う心を強く感じました。自然を理解し、調和し、ともに生きていくことは、Jeep® にとっても大切なコンセプト。時代も国も超えて、私たち人類にとって一番大切なものなのかもしれませんね」と、ティツィアナ・アランプレセは想いを述べた。

支える人、参加する人
多くの力で受け継がれる伝統

石段の左右の観覧席で御火行事を見守る人々の数は約1万人。その中には参進する父や祖父の姿を、目を輝かせて見つめる、小さな子どもたちの姿も見られた。よく見ると、その顔が炭で真っ黒になっている。
「松明から落ちた炭を顔や体に塗ると、いいことがあるんだよ」。子どもたちに教えられ、参道に落ちている炭のかけらを拾い記念に持ち帰る観光客たち。ここ那智の地で、伝統と思いが、次の世代へと伝わっていくのを実感できた瞬間だった。

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▲ヒノキの板を円筒状に束ねた大松明の炎が参道を照らす。

「扇神輿や松明を担ぐ役割は、以前は社家(神職の一族)が担ってきましたが、現在では広く地元の方々が参加しています。他にも神楽や田楽に携わる人、松明を作る人など様々な役割で、世代も10代から上は80代までが協力して支えているのです。魅力ある祭りですので、都市部に進学や就職をしてもこの時期に合わせて帰省し、参加する人がいるようですよ」と、山本氏も子どもたちの姿に目を細めた。

山本氏によると、平成23(2011)年の紀伊半島大水害では那智一帯も被害を受け、熊野那智大社では社殿裏の山の一部が崩落し、巨石や倒木の落下も相次いだ。そのことが地元の結束を強め、祭りに対する意識も高まったように感じられるという。移り変わる時代の中で、次の世代へと受け継ぐために。伝統は多くの人々の思いで支えられている。

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▲全国に約4800社あるといわれる熊野神社の総本宮、熊野三山の一つである熊野本宮大社。

旅という「非日常」の経験で< 改行>
得ることができる心の成長

熊野の地は古く平安時代から聖地として崇められ、そこへの熊野参詣道は世界遺産にも登録されている。なぜ人々は険しい山道を登り、遠いこの地を訪れるのだろうか。

「後鳥羽上皇は熊野を21回も訪れたと伝わっていますが、その旅は途中の寺社にも参詣しながら往復で1カ月にもわたったようです。奈良や京都の都人からすれば、熊野は“甦りの地”とでもいうべき場所だったのかもしれません。厳しい山道を登り降りする難行・苦行を経験することで、神や仏に出会えるような心の境地に達することもあったでしょう。神道や仏教よりも古くから熊野の山岳信仰の礎となっていた修験道には、“擬死再生(ぎしさいせい)”――険しい山や霊地を胎内と見立て、そこに踏み入ることで一度死んで再び生まれ変わるという考え方があります。日常を離れた異世界で自然に触れることで、新しい自分に生まれ変わるような感覚を、ここ熊野の地で現代の人たちにも感じてもらえたらと思います。最近は海外からの参詣者も増えていますよ」と山本氏は語る。

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▲檜皮葺(ひわだぶき)の社殿が古式ゆかしい風情を醸し出す熊野本宮大社。

「ヨーロッパにも山歩きの伝統はあり、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路などは若い人が増えていると聞いています。道なき道を進み奥地へと分け入り旅することで、人は日常ではできない経験をし、新しい自分を見つけることができるのでしょう。Jeep® で出かけた地で自然や人と出会い、パワーや生命力を得て、また都会での日常生活に戻っていく。これからもこの日本という国で、そんな旅を続けていきたいですね」とアランプレセ。
新しい自分と出会い、新しい何かを見つけるために。Jeep® と行く、日本の“こころ”を探る旅は、次の季節へと続いていく。

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▲那智の滝、そして那智山 青岸渡寺の三重塔とともに。

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▲『Jeep® Cherokee Trailhawk』は、流れるようなラインを描く後ろ姿でもファンの心を魅了する。

●ティツィアナ・アランプレセ
FCAジャパン株式会社 マーケティング本部長
ナポリ東洋大学で学んだ後、奨学生として来日。九州大学大学院修了。帰国後、日本の自動車メーカーの現地法人およびフィアット グループでの勤務を経て、2005年から現職。

●山本殖生(やまもと しげお)
熊野三山協議会幹事/国際熊野学会代表委員
新宮市教育委員会学芸員を経て、現在、和歌山大学非常勤講師。国際熊野学会代表委員、日本山岳修験学会理事、日本宗教民俗学会委員。著書に『世界遺産“川の参詣道”熊野の魅力』他。
※役職、肩書きは取材時のものです。

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