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2021.09.30

Real Tabi with Jeep 〜Jeepと行く、日本の“こころ”を探る旅〜
〈奄美大島〉

独自の文化と自然が息づく島で、島人の温かな心に触れる

自由、冒険、本物、情熱──。4つのDNAを持つJeepを駆って、日本という地が持つ“こころ”を解き明かす旅へ。多様性に富んだ太古の自然に寄り添う日々を過ごせる東洋のガラパゴスを訪ねて。

今回ご紹介した奄美大島の旅をYouTubeでお楽しみいただけます。

世界自然遺産に登録された
多様な動植物が生息する亜熱帯の島

鹿児島県本土と沖縄本島の中間に位置する奄美大島。果てしなく広がる青い海に囲まれた島の大部分を占める森林部には国の特別天然記念物であるアマミノクロウサギをはじめ、世界的にも希少な固有種の動物、鳥類、虫、植物が数多く生息し、2021年7月26日に徳之島、沖縄島北部および西表島とともに世界自然遺産に登録された。

1-2 Real Tabi with Jeep 〜Jeepと行く、日本の“こころ”を探る旅〜<br>〈奄美大島〉

直行便の飛行機であれば東京、大阪から片道2時間前後で行くことができるが、豊かな自然に寄り添うならJeep史上初のプラグインハイブリッド、『ジープ レネゲード トレイルホーク フォーバイイー(Jeep Renegade Trailhawk 4xe)』で出かけたい。

2-2 Real Tabi with Jeep 〜Jeepと行く、日本の“こころ”を探る旅〜<br>〈奄美大島〉

▲マングローブとは海水と淡水が混じった河口付近に生育する植物の総称。国道58号線をドライブすれば、車窓の先に広大なマングローブの森を望むことができる。

3-2 Real Tabi with Jeep 〜Jeepと行く、日本の“こころ”を探る旅〜<br>〈奄美大島〉

国内の各港から就航しているフェリーに乗り、鹿児島経由で奄美大島の名瀬新港へ。北方領土を除く島では沖縄本島、佐渡島に次いで日本で3番目に大きい奄美大島をドライブすると、青く澄んだ海に白い砂浜、亜熱帯の森、そして多種多様な動植物に出合うことができる。もともとはユーラシア大陸の一部であった奄美大島が海底プレートの動きにより大陸から切り離され、島となったのはおよそ200万年前のこと。その後、大陸では滅んでしまった植物や動物、昆虫、爬虫類などの生き物が、奄美大島では固有種や絶滅危惧種となり今も数多く生息している。運が良ければドライブの途中で、瑠璃色の羽が美しいルリカケスや、ウサギの中でも最も原始的な姿を残すアマミノクロウサギと遭遇できるかもしれない。

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▲奄美をドライブしていると、そこかしこで出会う山羊。民家の庭先で放し飼いにされていることも多くその姿が愛らしい。

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▲金属のような光沢を放つリュウキュウハグロトンボは、渓流や滝周辺など水辺で出会うことができる。

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▲パイナップルのような見た目のアダンの実。奄美大島を愛した画家、田中一村の作品にも登場する。

窓を開け、風を感じながらJeepを走らせれば、島は絶景の宝庫だ。亜熱帯の植物が生い茂る深い森では、樹齢400年といわれる前肥田のガジュマルなど植物の生命力に圧倒され、豊かな水をたたえた名もない泉や滝に遭遇することもできる。エメラルドグリーンからコバルトブルーまで、深さによって色の異なる海は抜群の透明度を誇り、お気に入りのビーチを見つけたくなる。

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▲宇検村の西端にある屋鈍海岸(やどんかいがん)。海岸からは無人島の枝手久島(えだてくじま)を望むことができる。海底には美しいサンゴ礁が広がり、シュノーケリングやダイビングが楽しめる。

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奄美大島では自然と触れ合える多彩なアクティビティを楽しむこともできる。中でもマングローブの森を探索するカヌーツアーや、テーブルサンゴと熱帯魚が出迎えるシュノーケリングはぜひ挑戦してみたい。木々の匂いに包まれ、風に吹かれてまどろむ時間、そして海に浮かんだり潜ったり。奄美大島の魅力を全身で満喫するうちに、かけがえのない自然を守り、未来へと受け継ぐことの大切さに誰もが気付かされることだろう。

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▲透明度の高い奄美の海に潜れば、愛らしい熱帯魚やウミガメが迎えてくれる。

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▲場所や時間によって変化する海の色と、レネゲード 4xeのスレートブルーが調和する。

“自然から色をもらう”伝統工芸
大島紬の泥染

奄美大島の自然は、この地に暮らす人々にもさまざまな恩恵をもたらしている。日本を代表する織物に挙げられる本場奄美大島紬のしっとりとした黒色もその一つだ。
「大島紬の黒色は、泥染を繰り返すことで生まれます。それは“自然から色をもらう”仕事なのです」と語るのは、金井工芸の金井志人氏。

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▲工房の裏手にある泥田は青々した草木が覆い茂る天然の染め場。糸や生地をこするようにして泥水で揉みこみ染め上げていく。

島中に自生するテーチ木を煮出して作られる染色液で赤茶色に染まった絹糸は、泥田と呼ばれる沼地に入れると化学反応を起こし黒色に染まる。それを川ですすぎ、またテーチ水と泥田に浸す工程を幾度も繰り返すことで、大島紬独特の艶のある深い黒が生み出されるのだ。

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▲奄美大島に自生するテーチ木を削って煮出した染料を寝かせ、発酵に近い状態にしたテーチ水に糸や生地を浸して染める。

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▲テーチ水で赤く染まった糸や生地を泥田に入れると、泥の鉄分に反応して色が変わる。すすぎは山から流れる清い川の水で行う。

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▲何度も染色を繰り返すことで奄美特有の漆黒が現れる。

「テーチ木の生えていた場所や、泥田によっても染め上がりの色は変わります。約1,300年にわたって受け継がれてきた技法は、奄美の自然があってこそ生まれ続いたものだと思います。この環境を大切に守り続けるため、染色に使う消耗品なども、なるべく自然に還る素材のものを使用するよう心がけています」と金井氏は語る。

織り上がった時の柄に合わせて色を先染めするのも、大島紬の泥染の大きな特徴だ。奄美大島は集落ごとに異なる言葉や芸能などの文化があり、大島紬の柄もそれぞれの集落の職人たちが手織りの技を競い合ってきた。

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▲金井工芸で染められる色は泥染による黒色だけでなく多種多様。さまざまな色を生み出していく草木染の可能性も追求している。

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▲大島紬の泥染めを行う金井工芸の工房に併設されたギャラリースペース。自然の色に染まったストールやシャツなどを購入できる。

島の郷土料理「シマジューリ」を堪能するのも旅の楽しみ

奄美大島の自然と人に触れるドライブの途中では、この島ならではの美味の探索も欠かせない。17世紀初頭から栽培されてきたサトウキビは、黒糖そして黒糖焼酎の原料として今も奄美大島を代表する産物になっている。

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▲平地の多い奄美空港周辺に広がるサトウキビ畑。サトウキビから採れる黒糖は、歴史の中で長く奄美大島の産業を支えてきた。

そして、地元の人々が「シマジューリ」と呼ぶ郷土料理を代表する一品といえば鶏飯(けいはん)だ。鶏肉と椎茸、錦糸卵、ネギ、パパイヤの漬物、柑橘類の皮、もみ海苔をのせた白いご飯に鶏ガラスープをかけて食する鶏飯は、店ごと・家庭ごとの味があり滞在中に食べ比べたい。

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▲奄美大島の代表的な郷土料理「鶏飯」。もとは、薩摩藩の直轄地であった時代に鹿児島本土から来る役人を接待した料理であったという。

さらに、絶品の海の幸も押さえておきたいグルメだ。特に奄美大島と隣の加計呂麻島に挟まれた大島海峡は、地形が入り組んだリアス式海岸に黒潮が流れ込み魚の生育に適した環境だという。宿や料理店で食するのはもちろん、釣りを楽しんだり、都会では見かけることのない珍しい魚が並ぶマーケットを覗いてみるのもおすすめだ。

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▲奄美近海の定置網で捕れるシビ(キハダマグロ)は、島人に人気の魚。写真はとろけるような舌触りのシビの漬け丼。

暮らしの中で受け継がれてきたシマ唄の旋律と歌詞に聴き惚れる

森の奥から風に乗ってシマ唄が聞こえてきた。高音と裏声を駆使した歌声と、弦にバチを叩きつけるようにして弾く三味線の音色は、耳にした者を強く惹きつける。大島紬を纏って三味線を弾きながら歌うのは奄美の唄者(うたしゃ)、前山真吾氏だ。

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▲「風に揺れる木々の葉擦れや鳥の声を聞きながら歌うと心地よい高揚感が生まれ、その場所、その一瞬でしか歌えない唄が生まれます」と語る前山氏。

かつて偶然に接したシマ唄に衝撃を受け、この道に進んだという。
「こぶしをきかせた歌声の素晴らしさに、人生が変わるほどのショックを受けました。シマ唄のシマは奄美では“島=アイランド”ではなく、それぞれの故郷、集落をさす言葉です。シマ(集落)ごとに異なる文化を持ち、伝えられてきたシマ唄には人々の生活や自然との関わりが織り込まれています。僕はそれを奄美大島から発信し、受け継いでいきたいと活動しています」と前山氏は語る。

伝統を受け継ぎ守る傍ら、他のジャンルのミュージシャンとセッションをすることもあるという前山氏。
「津軽三味線や尺八、お琴はもちろん、ジャズのミュージシャンと演奏することもあります。そんな意味ではシマ唄はどんどん進化しています。新しいシマ唄の表現を追求する一方で、シマ唄の原点が奄美の自然や人々の暮らしであることは大事に残していきたい」

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▲ステージで歌う際は大島紬を着用することも多いという前山氏。今回は染色師である金井志人氏が染めた糸で織った“西郷柄”の大島紬で。

奄美大島の魅力は、深々と生い茂る緑、どこまでも広がる海々、そして何より大切なのはこの自然を守り、共存してきた奄美の人々の心だと前山氏は言う。
「シマ唄や八月踊りなどの伝統文化を絶やさず続けていくためにも、環境のことやエネルギーのことなど、あらゆる角度から一人ひとりが奄美の自然を守ることを考えていかなければならないと思っています」

進化を続けながらも原点を忘れない。それはJeepの精神と通じるものがある。走行時にCO2を排出しないELECTRICモードを搭載したプラグインハイブリッドモデルレネゲード 4xeを選択することもまた、環境のためにできることの一つかもしれない。

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▲ガジュマルの巨木の下にJeepを停めて、前山氏のシマ唄に聴き入るひととき。自然と一体となる豊かで贅沢な時間。

自然に寄り添う次世代のカーライフを実現するために、『ナショナル ジオグラフィック日本版』は奄美大島にEV充電スタンドを設置するためのクラウドファンディングも立ち上げた。

「大自然の宝庫である奄美にはJeepだからこそ行ける場所がたくさんあります。一方で、自然を大切にする意識を持たなければ生活していけません。奄美大島の風景に溶け込むJeepのプラグインハイブリッドカーが普及していったら面白いことになりそうですね」と、前山氏は未来への期待を語る。 地球と共生する未来に向けて、Jeepの旅はまだまだ続いていく。

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●金井 志人(かない ゆきひと)
金井工芸 染色師
1979年、奄美大島生まれ。高校卒業後に上京し25歳で帰郷。家業である金井工芸に入社。奄美の伝統工芸である泥染の魅力を伝えるため、ワークショップやファッションブランドとのコラボレーションも行う。

●前山 真吾(まえやま しんご)
唄者
1983年、奄美大島生まれ。19歳のときにシマ唄を耳にしたのをきっかけに稽古を開始。2011年、奄美民謡大賞を受賞。2018年には大河ドラマ「西郷どん」の挿入歌を担当。国内外で数々のステージに立つ。

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