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2024.08.29

【Jeepオーナーインタビュー】Jeep女子と黄色のラングラーの宝物

どちらかと言えば人付き合いが不得手。クルマにも特別な興味がなかったのに、Jeepを買うと決めた瞬間から自分を取り巻く世界が一変した……。Jeep女子が紡ぐ冒険物語の先に待っていた、かけがえのない存在とは?

どこまでも潔く見えた彼女の鮮やかなラングラー

彼女と出会ったのは、2024年5月に東京・渋谷のMIYASHITA PARKで開催された新型『ジープ ラングラー(Jeep Wrangler)』発表イベントだった。現Jeepオーナーを招待した特別プレゼンテーションに一人で参加していたところに声をかけた。

その数か月後。Jeep女子のライフスタイルを聞かせてもらうべく、渋谷では“ちぃちゃん”と名乗った彼女にインタビューを申し込んだ。ありがたいことにすぐさま快諾。そうして本人の希望に沿った、彼女の自宅から2時間余りの河川敷で再会を果たすことになった。

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細い砂利道を覆うように生い茂った草をものともせず突き進んでくる、イエローのラングラー。発表イベントにはクルマで訪れていなかったので、“ちぃちゃん”のJeepを目の当たりにするのはこれが初めてだった。晴れ渡った空の青と雑草の緑の中で、その鮮やかな黄色はどこまでも潔く見えた。

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「仲間とのオフ会やキャンプで来るようになったんです」

これは、Jeepを走らせるのにふさわしい場所を知っている理由をたずねたときの返答だ。河川敷に降りる道を迷わず見つけられるほどには訪れているという。なぜこんな若い女性が、などという表現を慎もうとして、彼女のラングラーを見渡してみたら、ささやかな個性の主張が見て取れた。

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溝が深いワイドタイヤは知り合いからの譲り受け。カスタマイズにはそれほど興味がないので変更箇所は限定的だが、前職の自動車関連会社が販売していたナパレザーのシートカバーは、好みの色に……。

以上は、すべてこちらの問いに応じた答えだ。積極的に語ろうとしないのは、取材の不慣れより性格の一端なのかもしれない。だとしても、自慢の気配を一切漂わせなかったのは好印象だった。

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では、自己主張が乏しいタイプなのか。芯からそうであれば、どこにいても目立ちそうな黄色のラングラーに乗らないだろう。あるいは黄色を選んだのは、心の奥底に眠っていた望みを叶えるためだったのかもしれない。

彼女の本名は山田千聖。「ちさと」と読むから“ちぃちゃん”。物語は、現在24歳の山田さんがラングラーと出会った2年前にさかのぼる。

「クルマを趣味にしてみようと思ったんです」

人生初のマイカーは、免許を取得した18歳に父から贈られた黄色い軽自動車。角張ったデザインが特徴的で、ボディカラーは単にかわいらしかっただけだったという。

「運転が好きであちこち出かけていましたが、クルマ自体に興味を持つことはなかったんです。それがあるとき、知り合いが乗っていたラングラーを見たら気になり始めてしまって、街中を走る姿が目に入るようになり……」

それが冒険の序章。そして彼女は新しい物語を紡ぐ大きな一歩を踏み出した。

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「紹介してもらったディーラーに行き、赤ワインのようなスナッズベリーのラングラーを試乗させてもらいました。ボディの大きさは気にならなかったです。後で知ったことですが、試乗したJLはJKより小回りが利くので、運転した印象も快適で安心できました。ディーラーに戻ったら、展示車の奥に黄色が並んでいたんです。売り先はまだ決まっていないということだったので、なら黄色でと」

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それが、2021年型ラングラー アンリミテッド スポーツ。今となれば“ちぃちゃんと黄色のラングラー”は切り離せない間柄だとしても、勝手に気になるのは当時22歳だった山田さんのJeep購入計画だ。

「ディーラーの担当者の方と相談していろんな提案をいただいた中で、長期ローンを組むことに決めました。自分で月々支払っていける見通しが立ったからです。その頃は実家暮らしで、仕事も忙しく働き通しだったので、お金の使い道がなかったんですね。だから買えたというのもありましたが、ディーラーで相談すれば欲しいクルマが買えることを知らなかったんです。ディーラーに行く勇気があれば、もっと早く乗れたかもと思ったくらいでした」

この体験談は、Jeepに乗りたいと願う彼女と同年代には福音になるかもしれない。まずはディーラーで相談してみること。その上で山田さんは、自分に向けてひとつの提案を投げかけた。

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「クルマを趣味にしてみようと思ったんです。毎月の支払額もそれに見合う額だったし。何よりも、無趣味だった私は趣味を持つ人がうらやましかった。個性的な黄色いラングラーなら、持っているだけで趣味になるなあって。それが自分でJeepを持つもっとも大きな目的になりました。ただお父さんには、そんなに大きいクルマを運転できるのか、ちゃんと払っていけるのかと釘を刺されましたけれど」

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そうして彼女は、納車初日に前職の知り合いと県外の海岸までラングラーを走らせた。恋したクルマとデートしたかっただけでなく、「オフロードで遊ぶために4Lの入れ方も教えてもらいたかった」のも遠出の理由だったそうだ。これを機に、“ちぃちゃんと黄色のラングラー”の世界はさらに広がっていく。拡張の鍵は、仲間だ。

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コミュニティというかけがえのない存在

東京・渋谷での初対面を記事にした際、記し切れなかったのがコミュニティだった。山田さんは、その存在がラングラーに乗るために不可欠なのだと、実は力強く語っていた。それについて書き改めたかったのも、彼女との再会を望んだ根拠だった。

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「ラングラーに乗ってから、Jeepに関するInstagramやYouTubeをたくさん見ました。オフ会も盛んみたいで、Jeepコミュニティの広さに驚きました」

数多あるSNSを頼りに、自らコミュニティに飛び込んでみたのだろうか?

「いえ。最初の1回は無理で、知人に誘ってもらいました。キャンプイベントでしたが、キャンプ自体も初体験で、なのに最初の1回でハマっちゃって、今ではそろえた道具をクルマに積んで走っています。河川敷でも仲間とBBQを楽しんでいます」

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おそらく、思い切りの良さなくして選択し難い黄色のラングラーと、それに相反して引っ込み思案の山田さんは、Jeepコミュニティ界隈で放っておけない存在に映ったのだろう。だから可愛がられた。同時に山田さんも、同じ趣味をともに楽しむ仲間の輪を少しずつ広げていった。

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▲ラングラー仲間たちとのキャンプ。(写真協力:山田さん)

「家族、ご夫婦、お一人など様々なんですが、計8人4台のJeepでラーメンを食べに行くんです。互いに住む場所が離れているんですけれど、それがもっとも親しいコミュニティの最近の活動ですね」

その頻度は週1回だという。どれだけ仲良しなんだと声に出して呆れてしまった。

「何となくLINEで連絡を取り合って、じゃ行こうかってそれぞれクルマで向かうんです。帰り道にJeepで連なって走るだけで旅している気分になれるんですよ。ラーメンだけではなく、同じメンバーでキャンプにもよく出かけます。このコミュニティを軸に、もっと大勢でキャンプしたり、大阪や北海道のイベントにも参加したり。年齢や立場がバラバラなのにこんなに仲良くなれるなんてと、皆でよく話しています。私も心からそう思います。相変わらずコミュニケーションを取るのが苦手ですけれど、自分のペースで少しずつ仲間を増やせていけたらいいですね」

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▲ラングラーが連なると迫力も凄い。(写真協力:山田さん)

それが“ちぃちゃんと黄色のラングラー”の宝物。コミュニティという、今やかけがえのないと自覚する存在を手に入れることができたのは、言うまでもなく22歳の山田さんがラングラーに乗る決心をしたからだ。そして彼女は最後にこう話した。

「このクルマに乗っている自分が好きです」

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そんな現在進行形の物語から、Jeep女子のリアルなライフスタイルに触れようと思ったのだが、山田さんの話を聞いて再認識したのは、誰であれ趣味性を具現化したラングラーに乗ること自体が冒険に値するということだ。そこに踏み出したなら、ともに走る同志を支え合いたくなるに違いない。ゆえにJeepコミュニティは、自然発生的に仲間を求め広がっていくのだろう。

それにしても、20代半ばの女性からクルマ趣味という言葉を聞いたのが、今回最大の驚きにして最高のよろこびだった。この言葉を忘れかけていた不甲斐なさを棚に上げた話ではあるが。

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https://www.jeep-japan.com/

Text:田村 十七男
Photos:後藤 薫