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2024.10.24

【Jeepオーナーインタビュー】プロスケートボーダー・藤澤 虹々可が自由であるためのスケートボードとラングラー

スケートボード・ストリートの世界最高峰プロツアー『SLS』が主催するベストトリックコンテスト『SLS_APEX』で優勝を果たした、日本を代表するプロスケートボーダー・藤澤 虹々可(ふじさわ・ななか)。そして彼女が1年前に手にしたのが、10代のころから憧れたラングラー。藤澤とJeepに共通する、“自由・冒険・本物・情熱”のフィロソフィーとは?

中学生で『このクルマに乗りたい!』と憧れたラングラー

スケートボード、サーフィン、BMX、スポーツクライミング、ブレイキン……これらのアーバン(アクション)スポーツは、今ではオリンピックで正式種目となり、カルチャーの枠を飛び出して市民権を得ている。中でもスケートボードは、日本人選手の華々しい活躍が目を引く花形種目と言えるだろう。

その世界で、独自のスタイルを表現するプロスケートボーダーがいる。その名は藤澤 虹々可。

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10代のころからさまざまな大会で好成績を残し、脚光を浴びてきた彼女だが、今年の5月にはスケートボード・ストリートの世界最高峰プロツアー『SLS(Street League Skateboarding)』が主催するベストトリックコンテスト『SLS_APEX』(米ネバダ州ラスベガス)に参戦し、初出場で優勝という快挙を達成。ただし、藤澤の魅力が競技におけるものだけではないことを、少しでもこの記事で伝えられれば幸いだ。

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いまHOTな状況にある藤澤がJeepオーナーという情報を知り、訪れたのは彼女の地元である神奈川県相模原市。待ち合わせ場所に登場したのは、のどかな風景の中でひときわ存在感を放つ『ジープ ラングラー(Jeep Wrangler)』の3代目、いわゆる“JKラングラー”だ。

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今回は藤澤に新型の“JLラングラー”に乗ってもらう企画でもあったため、藤澤がスタッフとしても働く今回の取材場所・THE PARK SAMUKAWAに2台で向かいつつ、道中にJeepとの馴れ初めを聞いた。

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「中学生ぐらいのとき、自分の家からスケボーの練習をしていた公園に行く道沿いに、Jeepのお店があったんです。『なんだこのカッコいいクルマは……!』と思って調べてみたら、それがラングラー。そのときからずっと『このクルマに乗りたい!』って思っていましたし、道でラングラーを見るたびに『いいな〜』って。免許を取ってからは軽自動車に乗っていたんですけど、買い替えようかなって思った去年のタイミングで、やっぱりラングラーに乗ってみたいと思って勢いで買いました。やっぱり自分の中でずっと一番カッコ良かったし、ほかに乗りたいと思うクルマが出てこなかったので」

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本人からすると言われ飽きているかもしれないが、華奢な20代の女性が、厳ついラングラーから降りてきたときのギャップは凄まじい。ただし藤澤がひとたびスケートボードを手に持ち、ラングラーと同じ画角に収まった瞬間に、説得力というか、親和性が生まれるのは不思議なものだ。

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「私は完全に見た目で今のラングラーを選びましたし、今でも自分のラングラーがカッコ良くて、駐車したあとなどに振り返って見ちゃったりします。見た目で好きなポイントは、やっぱりJeepのロゴが前にあること。あと乗っているときは、車高の高さが気持ちいいですね。それとパーソナルスペースの広さがちょうどいいなって思います。買ってからはいろいろなところに行きました。ずっと軽自動車だったのもあって、ラングラーは乗り心地も、自分の好きなクルマに乗れている満足度もまったく違います」

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スケートボードとの出会い、向き合い方、マインドの切り替え

ここからは改めて、藤澤とスケートボードの出会いを振り返ろう。彼女がその後の人生を共にするスケートボードと出会ったのは6歳。きっかけは近所にできた「公園」と「家族」の存在だった。

「実家の近くに小山公園ができたときに、サーファーだった父がオフトレのような感じでスケボーを始めて、それについていって見ていたら、私もやりたくなって始めました。そのあとは母にほぼ毎日連れていってもらって練習。公園でスケボーをしている人たちの滑りを見て、母が噛み砕いて教えてくれて、成長していきました。ただし、母はサーフィンもスケボーもできないんですけどね」

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小さいころから大会には出ていたという藤澤だが、アマチュア戦などを毎月のように回って参加していたわけではなく、自分の意思で本格的に参戦しようと思ったのは高校1年生の15歳のとき。きっかけは先に海外のコンテストに挑戦していた友人から、スケートボードの本場・ロサンゼルスで開催されるガールズスケーターのコンテスト『Exposure』を教えてもらったことだった。

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「『Exposure』に行くためにバイトしてお金を貯めて、結果的に行けて、いい成績も残せたんです(『Exposure 2017』に初出場で優勝)。それまで出ていた日本の大会は、どちらかと言うと『自分がやってきたことを出し切らないと……』みたいな緊張感があったんですが、海外の大会はわいわい騒ぎながら楽しんでいる雰囲気がすごく良かった。あとコンテスト以外の部分でもアメリカでの生活はとても刺激的で、そのときの経験からスケボーとの向き合い方が変わりましたね。こういう楽しいところにまた来たいから、スケボーをもっと上手になろうって思うようになりました」

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▲『Exposure 2017』(写真協力:藤澤 虹々可)

その後の藤澤は、国内外のコンテストを舞台に活躍。世界最高峰のアクションスポーツの祭典『X Games』でも好成績を残し、『日本選手権』や『Urban World Series』では優勝を果たすなど、日本における女子スケーターの先駆者としてシーンを牽引する。しかし、2019年に大会中の練習で左膝前十字靱帯を断裂。2021年にも右足首を故障するなど、怪我に悩まされる時期が続いた。

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「スケボーって……ふと気がつくと嫌になりそうになることがあるんです。基本的にできないことばかりですし、ケガもしますし、怖いですし。でもやっぱりトリックができたときに、そのつらさが全部なくなって、また好きになる。その好きになる瞬間をなくさないように気をつけています。やっぱり大会の練習だけだとつらいことの方が多いし、そればっかりだとマイナスに引き込まれてしまうので、気分転換で友達と軽く滑りに行ったり、遊びに行ったりする切り替えが大事ですね」

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藤澤にとってその切り替えのひとつに、いまはラングラーの存在が加わったのかもしれない。

「ラングラーで開けたスポットを走るときは気持ちいいですし、パークでいい練習を終えて帰るときに、好きな音楽をかけて、窓を開けて運転する時間は好きですね。新しい技にチャレンジするときは今でもけっこう怖いけど、例えばTHE PARKで練習していて、トリックでレールに登ったときに、開いている入り口のドアから自分のラングラーが見える。それを見ると頑張ろうと思えるし、気持ち良く練習を終えて、ラングラーと一緒に帰る時間がいまは好きです」

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藤澤 虹々可のこだわりのアイテム “スケボーとメガネとクルマ”

この日、藤澤には新型ラングラーに試乗してもらった。乗り込むやいなや、『うわ〜シートが革いいな〜』と第一声。普段の相棒とは異なる乗り心地のドライブを楽しんでいるようだった。

「自分のラングラーもシートは革が良かったんですけど、いろいろ条件が合わず。ラングラーのワイルドな見た目で中は革の高級感みたいなギャップが素敵ですし、カラーの白は都会感がすごくありますね。やっぱり乗り心地もより運転しやすいのは新型なのかなって。アクセルを踏んだときから滑らかですし、曲がったときも取り回しがスムーズ。時代の進化はさすがですね。ラングラーという同じクルマだけど、自分のも新しいのも、違う良さがそれぞれあっていいなと思いました」

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元々「あまり物欲はないタイプ」だと語る藤澤。ただしもちろん「スケートボード」と、自身のトレードマークである「メガネ」にはこだわりがあり、それらに今ではラングラーが加わったことになる。

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「『MEOW SKATEBOARDS(ミャオ スケートボード)』はLAで作られていて、ライダーが女の子しかいない。自分が高校生のときからお世話になっているブランドで、カッコいい女の子のスケーターがたくさんいますし、カッコいいグラフィックの板もたくさんあるので、今でも乗れていることがすごくうれしい。メガネは『HELLO-O MY NAME IS…』というブランドにサポートしていただいています。スケボーをするときにまずズレないし、とにかく軽い。これに変えてからすごく調子がいいですし、心の底からおすすめできるメガネです。今はそのふたつにラングラーが加わったような感じで、“スケボーとメガネとクルマ”という3つが、私にとってのこだわりのアイテムですね」

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6歳でスケートボードを始めてここまで、スケートボードにどっぷりの生活を送ってきた藤澤。これから先は、もちろん軸はスケートボードにありつつも、さまざまな好奇心が生まれている。

「普段もクルマに乗せるのはスケボー用品ぐらい。キャンプとかにもあまり行ったことはないけれど、せっかくラングラーに乗っているので、いつかオフロードを走らせてあげたい。まだ乗り始めて1年しか経っていないですが、これからいろいろなところに行きたいですね。あと最近はイベントとか自分主体で何かを動かすことに興味があって、スケートボードで培った経験を生かして、何か楽しいことができればなと思っています。自分が頭の中で思い描いたことを実際に形にしてみて、それでたくさんの人が来てくれて、楽しんでくれる。誰かの時間を自分が作れる喜びを、前に開催したガールズスケーターのイベントで感じましたし、なかなかできない体験だったのでもっとやりたい」

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スケートボードとJeepに共通する“自由・冒険・本物・情熱”

大怪我を乗り越え、スケートボーダーとしてもひとりの人間としても成長を遂げた藤澤は、いま再び飛躍のターンに入っている。昨年の『スケートボード日本オープン』の女子ストリートを制して、4年ぶりのメジャータイトルを獲得。さらにその勢いのままに、冒頭で紹介した今年5月の『SLS(Street League Skateboarding)』が主催するベストトリックコンテスト『SLS_APEX』では初出場にして優勝という快挙を成し遂げた。

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▲『SLS_APEX』(写真協力:藤澤 虹々可)

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▲『SLS_APEX』(写真協力:藤澤 虹々可)

「『SLS_APEX』はまさかというか、4日前に招待の連絡が来て、逆に余計な緊張感がないのが良かったのかなと思います。基本的に私は大会になると変なスイッチが入りがちだし、性格的に調子乗り。がんがんいって怪我しちゃうとか、あまり周りを見ないでやっちゃうとかが多い。でもそういう部分を抑えつつ、冷静な自分も出てくると、大会でもいい結果につながる。その意味で『SLS_APEX』はいい感じでしたね。あとYouTubeで見ていた世界が目の前にあって、そこで滑れて純粋に楽しかったです」

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話を藤澤とJeepの関係に戻すと、ラングラーを買ったときに周りからは「え!? ラングラー買ったの?」というような、本人曰く「ちょっと引いてる」ような反応が多かったという。

「でも『SLS_APEX』で優勝してからは、ちょっとだけその感じがなくなったような、あはは。やっぱりラングラーに見合う結果をちゃんとつけないと、自信を持って乗れないなって。ただ自分の好きな物を買ったからにはもっと頑張ろう、見合う自分になろうっていう気持ちもあって、このタイミングでラングラーを買いました。そのおかげか、最近は結果もついてきたので良かったのかなと」

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スケートボード、特に日本の女子のスケーター界はいま、才能ある10代の子たちが続々と現れ、オリンピックなどの国際大会においても輝かしい成績を残している。その中においてキャリアの長い藤澤だが、「自分は背中を見せたいというか、背中を見ているような状態。周りの同年代も少なくなっちゃったので寂しい気持ちはありますけど、気にせず自分らしくのびのびやろうかなと思っています」と自然体。

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そんな藤澤のキャリアといまの姿に、Jeepの掲げる4つのフィロフィー“自由・冒険・本物・情熱”が重なる。パークでひと滑り終えたあとに、それらの言葉から連想するものを聞いてみた。

「スケートボードは“自由”。大会で結果を残すために努力するライダーもいるし、楽しく滑れればそれでいいというライダーもいる。どちらも正解ですし、どちらもOKなので、それがスケボーの自由なところ、いいところかなと。“冒険”はスケボーと一緒にいろいろなところに行って、いろいろな経験をできているので、それはまさに冒険だと思います。“本物”は……リアルなスケーターでいたい。私は過去の栄光にすがるような人ではなく、もしスケボーのチャレンジが終わったとしても、また違うところにシフトして、そこでの本物でいたいですね。“情熱”はやっぱりそれがないと人の心は動かせない。大会でもやらされているような子は見ていても心を感じないですし、純粋にスケボーが好きっていう人の方が魅了される。私もそうありたいので、情熱はずっと忘れちゃいけないですね」

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10月後半には『MEOW』のツアーでアメリカに行き、『Exposure』にも再び参戦するという藤澤。ただし「気楽に行ってきます」と語る彼女からは、言葉の柔らかさとは裏腹な“強さ”を感じた。

「いまの時点では大会でいい結果を残したい。それはなぜかと言うと、好きなときに、好きなように、スケボーをできる生活がしたいから。そのためにはいろいろなものが必要になってくるので、いまは大会でも頑張って、その結果、いつかそんな自由な人生が送れたら最高だなって」

現時点でも、藤澤 虹々可にはラングラーがとても似合っている。ただしこの先、彼女が“自由・冒険・本物・情熱”の体現者であればあるほど、さらにラングラーは唯一無二の相棒となるのだろう。

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Text:ラスカル(NaNo.works)
Photos:後藤 薫

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