RealStyleスペシャルコラム『オフロードで行こう!』by 藤村育三 Vol.9【オフロードな健康論③】
RealStyleにも度々登場するJeepオーナー・藤村育三さんによるコラム『オフロードで行こう!』がスタート!Jeepと言えばオフロード性能だが、実は日々の生活の中にも色々なオフロードがある!?第9弾となる今回は【オフロードな健康論③】。
遊びの達人であり、YJ-JK-JLと『ジープ ラングラー(Jeep Wrangler)』を3代乗り継いできたJeep乗りの藤村育三が、自由・冒険・本物・情熱など、7スロットグリルが象徴するものを「オフロード」という独自の切り口で語る。
3回にわたって健康についてちょっと世の中とは違うけど本質的な視点で語ってきた。
今回でこのコラムの最終回!オフロードな人生をワクワクすごすための【オフロードな健康論③】。
▲最終回となる今回は僕の初めてのラングラー 赤いYJの写真をトップにしてみた。昔から欲しかったJeep、一目惚れして30歳の時に買ったのがこのモデル。左ハンドル、コラムシフト、4Lエンジン……。80km以上スピードを出すと幌がバタバタして車内で会話が成りたたないのも含めて全てが最高の相棒で30代の10年間乗っていた。
▲アメリカをロードトリップ中にとあるRVパークに泊まった朝。朝起きてポーチにでると隣にラングラーがいると旅のワクワク感もアップする。今回は朝ご飯のことから健康論を始めたい。
「朝ごはんが健康」信仰
朝ごはんを食べることは健康に良い。長い間、ほとんどの現代人が信じ切っている信仰を今一度考えてみよう。まずはシンプルに。
当たり前だが、朝起きて目の前に納豆定食やスクランブルエッグ&トーストがある野生動物はいない。これが全てを物語る自然の摂理、朝起きてすぐに何かを食べないようにデザインされているのが生き物。どんなに進化しても結局は人間も動物、野生をみることが一番の答えを出してくれる。
これが僕の考え方の基本、科学的データ(大体儲けたい人に都合のいいように偏っている)もカタカナ専門用語(お勉強のできる頭の悪い人たちが多用しがち)に頼らずシンプルに当たり前に考えて腹落ちしたことだけを行動に移す。
▲いろんなチャレンジができるのも健康とJeepのおかげ! 一番大切な乗り物は自分の体。
朝ごはんと内臓の働きのサイクル。
体の構造の観点から見てみよう! 内臓の働きのサイクルは夜消化して朝起きてから昼ぐらいまでは、免疫力をアップ(流行りの言い方をするとデトックス)する。その最高な免疫力をアップするゴールデンタイムに食べるとまた消化のサイクルに逆戻りして免疫力はいつまでたっても上がりづらい。故に病気になりやすく薬を造る会社が儲かる。
▲とはいえいいホテルに泊まった時や旅先の朝食は大好き。そんな時は心から朝ごはんを楽しむ。普段から整えているのでたまに朝ごはんを食べたところでブレない健康軸があるから。ストイックに自分ルールに縛られるのではなく人生を楽しむために日常を整えるバランスを大切にしている。
朝ごはんは健康に良いという説はいつ誰が言い始めたか? 歴史を紐解いて説明するのはまたの機会にでもするとして、この説は非常に大企業が利益を追求するのに都合がよいため、50年以上もこの説が信仰されている。
この話を人にすると必ず聞くセリフ
「でも腹減ってると動けないし……」
笑!! これは完全に家畜脳の思考で、オフロード人生を歩みたい野性の考え方は逆。
「動くから食べられる」これが生き物としての本質。
当たり前に考えて「腹が減ったから動けない」生き物はとっくに絶滅している(笑)。
僕たちの祖先は腹が減った時に狩ができるから生き延びてこれたはず。
腹が減った状態こそが一番パフォーマンスが良い、頭も冴えて、身軽に動ける。
まあ、例のごとくオンロードでずっと人生過ごす人々には全くどうでもいい考え方だけど。
オフロードで我が道を行きたい人にはしっくりくると思う。
▲ボクサーも腹一杯食べてリングに上がらないでしょ? なので僕はクリエイティブな仕事をする日は一日中ご飯を食べずに空腹を味方にして冴えた頭で仕事する。このコラムの原稿を書くのもいつも朝トレーニングして腹が減って研ぎ澄まされた午前中。近所のここのカフェでだいたい執筆している。
▲左が40代を10年間共にしたグラナイトクリスタルのWills 限定モデルJK、右がこれから50代を一緒にすごすスティンググレー、ルビコンJL。みんなそうだと思うが新車に乗り換えるとき、長年一緒に過ごした相棒を手放すことにちょっとウルウルくる。何を買うかも大切だけど僕は誰から買うかも大切にしている。もう担当者の方とはながーいお付き合い、気心がしれていて僕のライフスタイルや使用用途も把握してくれているのでいつも的確なアドバイスをくれる。多分これからも一生同じ人からラングラー を買い続けると思う(笑)。
満腹は死を意味する!?
極端かもしれないが、もし「あー腹一杯食べすぎて動けね〜」っていうシマウマがいたら、速攻ライオンに襲われて食べられている。これまた自然の摂理、満腹食べて動けない状態は避けるような前提で生き物はデザインされている。
ご飯をたくさん食べる「男らしさ」みたいな価値観が昔はあったかもしれないが、僕は逆。美味しいものを、お腹が空いた時に、必要なだけ食べるようにしている。満腹まで食べるたびに自分の中の野性が鈍ると思う、だからいつも腹7分を心がけている。
まず大前提「栄養はとるものではなく、体内で作るもの」これが僕の考え方の大前提。
オフロード人生の一番のお手本は野生。例えば馬を見てみよう、草しか食べてないのにあんなに美しい筋肉。
▲そうは言っても人間は社会的な生き物。そんな野生ルールを徹底していたら人間関係に支障がでる(笑)。60~70代の大先輩の方々からすれば50代の僕は若造、「若いんだからたくさん食べなさい」と会食にて色々と目の前に出されれば「ありがとうございます!」ときれいに残さず満腹食べることもある。ただそんな機会は月に1回あるかないか。普段から整えているので全然平気。大切なのはバランスとメリハリをつけること。
▲トレーニングは必ず黙想から始めるようにしている。一旦心を静かにしてから動き始める。
トレーニングをゼロから考えてみる
僕がトレーニングをする上で大事にしていることが2つある。
・手段と目的をはっきりさせること
・動く前に考え、動き始めたら感じること
ネットやYouTubeのおかげで最近の人たちの知識はすごい豊富。豊富すぎ!!
僕のジムに体験に来る人たちも、
「内転筋が上手く使えなくて骨盤の回旋がうまくいかない」
「とにかく肩甲骨が硬いので肩甲骨の可動域を広げたい」
などなど…。もう細かく具体的かつナンセンスなご要望を言ってくる(笑)。
普通のトレーナーだったら、じゃあ肩甲骨の可動域を広げましょうとトレーニングを開始するのだろうが、僕はトレーナーではなくコーチ。その前にそもそものお話をする。
「骨盤の回旋」をできるようにしたり、「肩甲骨の可動域」を広げて何がしたいの? 目的は? そもそも問題の原因がそれって何が根拠? ほとんどのケースが、目的を達成させる手段がずれていたりする。
▲前回も登場した佐藤ルミナさん。ルミナさんとはいつもどうやったら「不安定な状況や突発的なことに対応できるか」を大切にしてアイデアを出し合ってトレーニングメニューを生みだしている。なによりも大切にしているのは「楽しいか?」という遊び心。遊びのなかでこそ鍛えられることをお互いに大事にしている。
まず、大筋をみる「何がしたいのか?」その手段として何をすべきか?
知識を詰め込んだ人たちはとにかく細かいところをやりたがるけど、目的を達成させるためのトレーニングは「肩甲骨の可動域」とかの詳細なことではなく、連動とか呼吸とかそれ以前の基本的なことだったりする。
見た目重視でハリボテの硬い筋肉をつけたいのが目標ならそれはその人の目標だからいいと思う。僕の目的は一生遊ぶこと。目標は生きている間はずっとサーフィンしたいし、死ぬまで姿勢よく歩いていたい。仕事に必要な体力も維持したい。
そんな目的/目標があってトレーニングをしている。たぶんこれらがなければ絶対にトレーニングなんかしないと思う。必要ないから(笑)。
日々筋肉を鍛えているのではなく、動きを鍛えて野性を磨くトレーニングをしている。
▲パプアニューギニアのジャングルを案内するナビゲーターもやっているので、ツアーのお客さんが怪我した時に担いで歩けるだけの体力も維持しておかなければいけない。ジャングルのなかの村に実際にホームステイさせてもらうこともよくある。写真は朝の一コマ。
▲タブルテ村の村長の家にて。本当の家族のように毎回迎えてくれるのが嬉しい。
▲僕がパプアニューギニアの政府観光局観光親善大使になるきっかけとなった旅。プロサーファーたちと現地の波を調査しツアーをつくりつつ、政府が推進している持続可能な観光業のお手伝いをしていた。こういう活動やご縁も健康があってこそ。チャンスがいつきても形にできるように普段からトレーニングで野性を鍛えている。
Don’t think, Feel.
あまりにも有名なブルース・リーのセリフ。
「考えないで感じる」ここに動き、身体操作の本質があると思う。
その本質の前にワンクッション入れるともっとわかりやすい。動く前に考える、そしてイメージを持つ。
特にトレーニングの時はまず「何をこれから鍛えるのか?」を考える。僕の場合それは決して大胸筋とか三頭筋とかではなく、状況に合わせられる判断反射だったり、全身の連動だったりする。
目的が明確になったらその手段としてトレーニングを開始し、一旦動き始めたら考えるのをやめて感じることに集中する。
▲とにかく考えないで動きのフローを大切にして自分の重心の移動やエネルギーの方向を感じることを大切にしてトレーニングしている。
この「感じる」っていうのが一般的には抽象概念と捉えられがちだが、感じるには2種類あって、幸せや孤独を感じるなど、心で抽象的なことを感じるエモーショナルな「感じる」と、重さや痛み、押された際の具体的かつ明確なフィジカルな現象の「感じる」。
動きやトレーニングではフィジカルな現象の「感じる」力を重要視する。「大地を感じる」とか「感謝を感じて〜」などはヨガのインストラククターさんにお任せいたします。
フィジカルな「感じる」を大切にして動くと、自分の重心の移動を感じ、伸縮によりパワーがたまったことを感じ、脱力により部位の重みを感じることができる。とはいえ感じるセンサーも訓練によって発達していくので最初はゆっくり感じることができるスピードで動いて、徐々にそこから動作を早めていく。自分の体を感じられるようになると、相手の力、波の力も感じられるようになり無理のない身体操作で高いパフォーマンスができるようになる。
▲遊び道具を作るところから遊べばもっと楽しいを感じられるし、波も感じられるはず! そんなシンプルな想いでもう何ヶ月間も木でサーフボード作りに挑戦してコツコツと毎日少しづつ作ってる。少しずつしか進まないからこれまた面白い。
この2つ
①目的と手段を明確にする
②感じる力を鍛える
「要は動く前に考え、動きだしたら感じる」
これをトレーニングの基本にしている。そのおかげで50代に突入した今も毎年体の使い方が進化していることを実感できる。
世の中のパーソナルトレーナーはほぼ逆のことをやっている。あまり目的とか手段とか考えずにとりあえずトレーニングして、動いている間にごちゃごちゃ考える。
野生動物は逆、動く前に考え「あの湖に水を飲み行きたいけど、風上だと匂いで敵に場所がわかるから風下から近づこう」そして敵がきたらごちゃごちゃ考えずにとにかく逃げる。
現代の人々をこれに当てはめると、「とりあえず水飲みたいからあそこにいこう、あっ敵がきた! どっちの方向に逃げようかな? まずはしっかり踏み込んで内転筋に重心がのったのを確かめてから……」ガブっ。「あっやられた」
▲もちろん20代のころと比べるとスピード、パワー、体力は落ちている。これは自然の摂理。これには逆らおうとは思わない。僕はまず老いを受け入れる。それから今の自分にできることを考えてしっかりやる。いろんなことにとらわれずにシンプルに楽しむ!
▲そうすることによって歳を重ねるほどに脱力の仕方、呼吸、無理のない全身連動などの身体操作を身につけることができる。結局それらが失ったものを補うどころかパフォーマンスは若いころより上がっている。BEASTのメンバーは平均年齢が50歳くらいだけど皆この論理で毎年動きが進化している。
▲カヌーヴィッレジ長瀞が主催している自分たちの遊ぶフィールドを清掃するリバークリーン、こういう活動も含めてJeepが応援してくれるのが嬉しい。川にはたまに信じられないものが捨ててある、冷蔵庫や自転車、ドラム缶など、これらを仲間たちで拾いラフトに積んでダウンリバーする。
さあ、道を踏み外そう!
半年以上に渡って連載してきたこのコラム、毎月読んでくれた方本当にありがとうございます!
オフロードな人生を歩むのに僕が大切にして日々トライしていることを書いてきた。
・思考を鍛えて、やりたいことを突き通すオフロードな思考力。
・自分だけの贅沢の定義をもって価値観を見直す。(人と比べることがなくなる)
・どうせ稼がなければいけないんだから、自分の土俵を作ってワクワクしながらビジネス。
・少なくてもいいから本物の仲間をもつ。仕事仲間とは遊ばない、遊び仲間と仕事をする。
・何よりも大切な人生のエンジン、健康。
▲If not now , When? 今じゃなきゃいつやるの? 明日はこないかもしれない。絶対に皆にそういう日がくる。永遠に生きるかのように学び、明日死ぬかのように楽しむ。そんな生き方をしたい。
今の世の中いろんな選択肢を選ぶ自由がある。舗装されたオンロードをお気軽に楽しむのももちろんいいし、オフロードをドキドキワクワクしながら自分の道を作るのもいいと思う。
自分で決めること。オンでもオフでもどんな道でも、自分で決めたことは幸せだ。
このコラムで誰かの人生をもっとワクワクさせる一歩を踏み出すお手伝いができたらいいな。
そんな気持ちだけで書きまくった。
さあ、一緒に道を踏み外そう!
「Go Anywhere. Do Anything.」
※このシリーズで述べられている内容は、あくまで筆者の経験や考えに基づいた個人的な見解であり、一般的な医学的アドバイスや専門的な意見ではありません。ご了承の上、お楽しみいただければ幸いです。
コラムVol.1はこちら!
コラムVol.2【オフロードな思考】はこちら!
コラムVol.3【オフロードな贅沢】はこちら!
コラムVol.4【オフロードなビジネス】前編はこちら!
コラムVol.5【オフロードなビジネス】後編はこちら!
コラムVol.6【オフロードな仲間たち】はこちら!
コラムVol.7【オフロードな健康論①】はこちら!
コラムVol.8【オフロードな健康論②】はこちら!
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Main Photo:安井 宏充(Weekend.)
Text&Photos:藤村 育三