人生のコンパスになる。フルモデルチェンジした新型『Jeep® Compass』が登場!
トリムラインがより映えるブラックペイントルーフ
エクステリアで特徴的なのは、『ロンジチュード』に採用されたブラックペイントルーフだ。いわゆる2トーンにしたことで、サメの尾びれをイメージしたDピラーの造形を含み、ボディサイドからテールゲート上部を巡る流麗なトリムラインがより映えて見える。これはクリス・ピシテリも個人的に好きな場所で、「まるでビスポークのスーツのようにびしっとハマったポイント」だという。
インテリアも見どころ満載だが、特筆すべきはスマートフォンとの連動性を高めた第4世代目の“Uconnectシステム”だ。Apple CarPlayやGoogle Andoroid Autoに対応し、スマホのアプリが車内で活用できるのは実に楽しい。
デザインコンセプトを思い知らされたエンジン設定
新型発表と併催された試乗会でハンドルを握ったのは、3グレードのトップとボトムに位置する『リミテッド(Limited)』と『スポーツ(Sport)』。前者はレザーシートで後者はファブリックシート等々インテリア設定に違いはあるが、先にも触れたようにエンジンはまったく同じだ。この直列4気筒マルチエア16バルブエンジンは、レネゲードのトライホークにも搭載されたユニットでもある。それゆえコンパスの車格では少々物足りないのではないかと心配したが、すべては取り越し苦労だった。特に高速道路での巡行性は素晴らしく、加速フィールも含めて安心感が高かった。逆説的には、筋肉質なボディが大柄に見せつつも、その実サイズはコンパクトSUVに凝縮したという、まさにアスレティックなデザインコンセプトを思い知らされた結果と言えるだろう。
“人生のコンパスになる”。これが新しい『コンパス』のメッセージだ。そこには複数の意味が込められているように思う。一つは、『コンパス』が個々の暮らしの羅針盤となり行くべき道を定めてくれること。他方では、最適化が叶うプラットフォームによる設計やラインのキャラクター設定において、『コンパス』の登場が次世代Jeep®の“コンパス”になり得た、という見方もできるだろう。その点でこの『コンパス』は、世界中のコンパクトSUV市場において、あるいは新たなJeep®ファンの獲得に対しても、かつてないベンチマーク的存在になるはずだ。
Text:田村十七男
Photo:大石隼土