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2021.08.26

新型Jeep Compass Limited試乗インプレッション 〜悪路だけじゃない、高速移動もお手の物〜

Jeep Compass Limited(ジープ コンパス リミテッド)がマイナーチェンジを受け、新型へ移行。ACC(アクティブクルーズコントロール)の装備、安全運転支援システムでLKA(レーンキープアシスト)が搭載されるなど、より快適となった新型Compassで往復1,700kmにもおよぶロングドライブへ!モータージャーナリストの内田俊一氏による長距離インプレッションをお届けします。

我々、モータージャーナリストも人の子だ。気になるクルマの試乗となると、心ときめき、どこか遠くへ行きたくなるもの。最近マイナーチェンジした『ジープ コンパス リミテッド(Jeep Compass Limited)』となればなおさらだ。インテリアが大幅に変更され、印象が大きく変わったことだけでなく、目に見えないいくつもの改良があるようだ。きっとオーナーはこれに乗って街中だけでなくキャンプなどのアウトドアにもお出かけすることだろう。そこへ行くためには高速道路などを使い、長距離を走ることがあるかもしれない。そこで今回は、岩手は一関にある『館ヶ森アーク牧場』を目指してドライブに出かけることにした。

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魅力的なインテリア

『館ヶ森アーク牧場』は観光牧場であると同時に、広大な自然あふれる敷地にはさまざまな動物が飼育されており、お花畑が広がる夢のような場所だ。過去に一度だけ訪ねたことがあり、その景観や経営方針に感銘を受けたことから、今回の目的地に選んだ。もちろん、そこで採れたて新鮮なお肉や野菜も食べられるので、それも今回の大きな目的ではある。

東京から東北道一ノ関インターまでおよそ400km、そこで1泊して翌日『館ヶ森アーク牧場』を訪問し、その足で気仙沼を周って1泊してから帰京という合計1,700kmの旅程を組んだ。

さて、コンパスを受け取って、まずはクルマの周りを1周してから乗り込んだ。その時に外観とは違い、インテリアがマイナーチェンジ前と大きく違っていることに驚いた。これまでのコンパスのインテリアはそれぞれの機能が独立することで力強さを表現していたが、新型では横基調でクロームラインに囲まれ、ソフトパッドで覆われたボルスターと呼ばれるインパネデザインは、広々と感じさせるとともに上質さを表現。まるで2クラスは上のSUVのような表情で、“ちょっと良いクルマ”に乗っているという気持ちにさせてくれる。

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もうひとつ、嬉しいことがあった。Jeepオーナーならお気づきかもしれないが、ドアの閉まり音だ。ガシャリという硬質で剛性感を伴うこの音は、ボディがしっかりしていることや守られているという安心感を醸し出しており、まさにJeepならではと感じた。

操作類を確認し、電動のパワーシートでドライビングポジションを合わせ、スタートストップボタンを押すことで2.4リッター タイガーシャーク マルチエア2直列4気筒エンジンは軽々と目覚めた。
しっかりとした形のセレクターでDを選び、軽くアクセルを踏み込むと、電動式のパーキングブレーキはスムーズに解除され、軽快にコンパスは一路一関を目指してスタートした。

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高速移動は得意中の得意

私が住むのは東京都八王子なので、近場の圏央道高尾山インターから久喜白岡JCTで東北道に入り、あとはひたすら一関ICを目指してアクセルを踏み続ける。といっても、実はそんなことはなく、今回のマイナーチェンジでACC(アクティブクルーズコントロール)が装備されたので、ステアリングにあるスイッチを操作し積極的にそれを使用。法定速度に速度設定し、淡々と東北道を北上していった。

もうひとつ、安全運転支援システムでLKA(レーンキープアシスト)も搭載された。車線から逸脱しそうになると、警告を発するもので、コンパスの場合はステアリングにバイブレーションが発生し、それでも操作がない場合はステアリングにトルクがかかり元の車線に戻そうとするものだ。バイブレーションとステアリング操作は設定によって選択ができ、デフォルトは両方オン。今回の高速移動ではバイブレーションのみとした。その理由はコンパスがどの程度の直進安定性があるかを試すために、バイブレーションのみにしていたところ、非常に直進安定性が高かったため設定はそのままにし、軽くステアリングを握ってリラックスした移動を楽しんだのである。

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それにしてもコンパスリミテッドの高速移動の楽なことは特筆すべきことだ。シートは疲れを誘発することもなく、前述のように直進安定性は高い。活発なエンジンとそれに合わせたセッティングのトランスミッションはACC使用時も、速度をキープしようと積極的にシフトダウンし、たとえ上り坂であっても軽々とクルマを引っ張り上げるので、軽快な気分で走り切ってしまった。その結果、往復とも高速では一度も休憩はしなかったことを思い返すと、いかに高速移動に伴う疲れがなかったかがよくわかるというものだ。

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