My Jeep®,My Life. ボクとJeep®の暮らしかた。OCEANS編集長・太田祐二
ジープを中心としたコミュニティ・プロジェクト「CREATIVE GARAGE」では、ウェブマガジン『フイナム』、J-WAVEのラジオ番組「Jeep® CREATIVE GARAGE」と連動して、「現代のスタンダード」をテーマに新しい創造のきっかけとなるアイデアや情報の数々をお届けしています。
今回は雑誌『オーシャンズ(OCEANS)』の編集長である太田祐二さんが登場。この秋にデビューしたてのニューモデル「コンパス(COMPASS)」の走破性の高さを、街乗りとオフロードで実証。また、ご自身の編集人生を振り返りながら、そのなかで得た矜持について語ってもらいました。
オッサンの日々がほんのちょっぴりでも幸せになればいい。
雑誌『オーシャンズ』は、30代後半から40代に向けたメンズのファッション誌で、コンセプトは「37.5歳からのファッション&ライフスタイルマガジン」。つまり、その中心にいるのは“オッサン”だ。もちろん、この呼称には愛が込められている。「この呼び方が等身大であり、最上級のような気がするんですよね」と優しい口調で語るのは編集長の太田祐二さん。早朝の東京を出発した〈ジープ〉のニューモデル「コンパス」が向かうは、富士山の麓にあるオフロード レース場。その道中で太田さんはこんな話をしてくれた。
「“オッサン”という言葉を悪く捉えてしまう人もいるかもしれないけど、ぼくらは決してそんなつもりでこの言葉を使っているわけじゃないんです。“オヤジ”だとキザっぽいし、“オジサン”だとちょっとかわいい。それに“オトナ”や“オトコ”だけだと味気ないし。“オッサン”ぐらいが気取ってなくてちょうどいいと思うんです」
雑誌『オーシャンズ』のメインコンテンツはファッションだが、サーフィンやクルマに加えて、住宅に関することなど、ライフスタイル全般を扱っている。“等身大”という太田さんの言葉にあるように、そこにある情報は遠い前方にあるものではなく、ぼくたちが“いま欲しいもの”が詰まっている。
「尖ったことを提案する雑誌はほかにたくさんある。『オーシャンズ』で意識しているのは、かっこよすぎたらダメだし、もちろんかっこ悪くてもダメなんだけど、リアリティがあってちょっと憧れを抱くような紙面づくり。ぼくらの世代になると、本当にささやかな喜びがうれしさにつながることが多いんです。40歳近くになると、いろんなことを散々諦めてきている人も多いと思うから。オッサンの毎日がほんのちょっぴりでも幸せになればいいなって思いながらつくってますね(笑)」
次第に大きくなっていったものづくりへの憧れ。
太田さんは1972年生まれで、現在45歳。大学を卒業してすぐに編集者へ…というわけではなく、もともとは某タイヤメーカーに勤めていた経歴の持ち主だ。
「大学生のとき、本当は就職活動するつもりなかったんです。出版社で編集のアシスタントをしたり、フリーの放送作家のアシスタントのバイトをしたりしていて、その仕事を本業にするつもりでました。でも、ちょっとした事情があってその仕事に就くのが難しい状況になってしまった。それならいましかできないことをしようと思ってそのタイヤメーカーを受けたんです。そこには海外部っていう部署があって、もともと海外へ行きたい気持ちが強かったから」
「好奇心だけで仕事を決めた」と話すように、太田さんはいまもむかしも未知の世界に対して憧れを抱いている。学生時代にアメリカへの留学経験も持っていたこともあり、知らない土地に対して臆する気持ちは微塵もなかった。
「旅行で行くのではなくて、そこに住んで、その土地の生活を見たかった。海外へ行けるならどこでもよかったですね。そのタイヤメーカーでは、海外への勤務などもあり、それが叶う直前までいたんですけど、そこで仕事を辞めたんです。ほかにやりたいことが見つかったから」
営業職として企業にタイヤを売っていた太田さんだが、次第にその気持ちはものづくりの方向へシフトしていったと語る。何かをつくりたいという気持ちが太田さんを現在の編者者としての道へといざなったのだ。
「鉱山やダム工事とか、そういうところを走るビルみたいな大きさのトラックがあるでしょう? それに履かせる特殊なタイヤを売る仕事だったんです。すべてオーダーメイドのようなタイヤです。それでだんだん“売る”よりも“つくる”のほうに興味が湧いてきちゃって。でも、ぼくは理系の人間じゃないからタイヤなんてつくれない。文系の自分ができるものづくりってなんだろう? って考えたときに、編集の仕事が思いついたんです」
感情と好奇心を持って記事と接すること。
タイヤメーカーを辞めた太田さんは編集プロダクションに転職し、1年半ほど働いたあと、雑誌『レオン』の創刊に携わり、4年間編集部に所属。その後、『オーシャンズ』を創刊する。
「はじめてから数年はいつ廃刊になってもおかしくない状況でした。どうやれば読者に響く雑誌になるんだろうってずっと毎日考えていたんです。それで追い込まれてつくった特集が『街角パパラッチ』の企画。あれをきっかけに『オーシャンズ』っていう存在を気づいてくれる読者が増えて。それ以来、よりリアリティっていう言葉を意識して雑誌をつくるようになりました」
雑誌が売れず予算がないなかで、お金をかけずにできる企画。それが、街を歩くおしゃれな人のスナップ特集だった。編集部員が実際に街に出て、気になった人に片っ端から声をかける。フットワークと根気のいる作業だが、記事をつくる(=ものづくり)という感覚を肌で感じることのできる企画だ。
「ずっと昔からこういう企画をやりたいっていう気持ちはあったんです。例えば、海外のファッションウィークへ行って業界関係者のスナップを撮る企画があるけど、あれは本当にごく一部の世界だけを切り取ってそれをリアルとしている。ぼくはそれに抵抗があって。それよりも、日本には日本人に合うファッションがあると思うし、それをリアルとして表現したいと思ったんです」
それ以来「街角パパラッチ」は人気企画となり、現在でも年2回はこの企画で特集が組まれている。リアリティのある紙面づくりが『オーシャンズ』として大事にしていることなら、ひとりの編集者として太田さんが大切にしているのはどんなことなのだろう?
「編集者としての人生はまだ17年くらい。そのなかで気づいて学んだことはたくさんあります。やっぱり大事なのは気持ちを込めることですね。どんな記事であろうと、感情を持ってつくる。そうすることで『どう表現したらおもしろくなるんだろう?』って考えられるし、それが結果的に読者に響く記事に繋がるんです」
これに加えてもうひとつ大事なことを太田さんは教えてくれた。
「あと、雑誌づくりは何よりも好奇心が大事だと思う。会いたい、行きたい、経験したい。その気持ちをどうにか企画として成立させて記事にする。もちろん、そう簡単にいかないこともたくさんあるんだけど、好奇心を満たす仕事としては理想ですよね。特別な職業だと思います」
海外へ行き知らない景色を見ようと思った気持ち。それを諦めてでもやりたかったものづくりの仕事。そして現在の編集者としての原動力。そのすべての源は太田さんの心の中にある好奇心なのだ。
「学生のときにしていたバイトでいろんなことを経験して、なにもかも新しいことばかりですごく楽しかったんです。会う人も見る世界も全部がはじめてだったから。普通では知ることができないことをたくさん教えてもらって、いまもそれを追い求めているのかもしれないですね」
〈ジープ〉はブランドを越えて、ひとつのジャンルになっている。
編集者としてブレない矜持を抱きながら、目の前にある事象と真剣に向き合う太田さん。一方で、週末になるとサーフィンをするために千葉や茨城の海へと向かう。会社へ行くときも、海へ行くときも、移動はいつもクルマ。「運転するのが好きなんですよ」と笑いながら太田さんは話す。
「運転というよりも、クルマを操縦しているっていう感覚。それが楽しいんです。だからぼくがいま持っているクルマはマニュアル。最近のクルマは安全性能が上がってすごいですよね。自動ブレーキとか。でも、マニュアルだとギアのシフトから全部自分で操作しないといけないでしょう? より操縦感を楽しめるあの感覚が好きなんです」
太田さんが現在所有しているクルマは四輪駆動。昔からずっと四駆車が好きだったそうだ。「四駆車ってなんか四角くて、男にとってのおもちゃみたいなイメージがあるじゃないですか。それにいざとなったらどこでも走れるスペックも持っている。だから好きなんです」。そんな四駆好きの太田さんは〈ジープ〉に対してどんな印象を抱いているのだろうか?
「デニムのスタンダードが〈リーバイス®〉の501®なら、四駆のスタンダードはジープですよね。四駆車のオリジン。そんなイメージを持っています。ジープってブランド名だと思うんだけど、四角くて大きなクルマが道路を走っているだけで、子供が『あ、ジープだ!』って指差すじゃないですか。だからもうブランド名を超えて、ひとつのジャンルになってますよね。それってすごいことだと思います」
街着としても通用するアウトドアウェアみたいな感じ。
今回太田さんに乗ってもらったのは、新しくジープのラインナップに加わった「コンパス」だ。滑らかで流麗なデザインが魅力の「グランドチェロキー」。そのDNAを継承しながら、コンパクトなサイズ感にモディファイしたのが「コンパス」の特徴だ。このクルマを、太田さんはどう評価するのだろうか?
「四角いクルマが好きだってさっき話しましたけど、どちらかといえばそれはマニアックな趣好なんです。だって、多くの人はクルマに四角さなんて求めないですよね。でも、ジープに対する憧れを持っている人ってたくさんいると思う。コンパスはそんな人に向いたクルマですよね。ダイナミックなボディとか、フロントグリルの7スロットもそうだし、随所にジープらしいエッセンスを感じるし。それでいてコンパクトで乗りやすい。街づかいに適したクルマだと思います」
続けてこうも語ってくれた。
「ジープって男っぽい印象があるけど、このクルマもそう。とはいえ女性も乗りやすいデザインになっているところがいいですね。安全性もあって乗り心地もいい。ファミリーカーとしてもおすすめです」
もちろん、〈ジープ〉特有の力強い走破性に関しても申し分ない。今回の撮影で使用した「コンパス ロンジチュード」は二輪駆動。それにも関わらずオフロード走行では、凸凹道や、ぬかるんだ地面など、悪路でもしっかりとした走りを見せてくれた。
「例えるなら、街着としても通用するアウトドアウェアみたいな感じですかね。しっかりとした機能やスペックを持っていながらも、デザインが洗練されているから街の景色にもすんなり溶け込む。いろんな場面でこのクルマは活躍してくれそうですね」
常に好奇心を抱く太田さんの胸の内にある言葉。
常に好奇心を抱きながら、編集人生を歩み続ける太田さん。その中では楽しいことはもちろん、うまくいかないこともたくさんあったという。そんなときに支えとなった言葉を最後に太田さんは教えてくれた。
「神社とかお寺に行くと、偉大な人の標語を紙に印刷して配ったりしているじゃないですか。その中で、お坊さんの一休さんの言葉があったんです。『心配するな。なるようになる』っていう一節」
それは有名な禅師である一休が遺言として弟子たちに残した言葉だ。
「『オーシャンズ』の売り上げが厳しくていろんなことを心配していたけど、この言葉に出会って救われたんです。なるようになるというか、『後先考えずやることやってりゃ大丈夫だよ』って言われているような気がして(笑)。それ以来、この言葉をずっと胸に抱きながら生きていますね」
今回使用したクルマ
『Jeep® Compass Longitude(ジープ コンパス ロンジチュード)』
Jeep® FREE CALL 0120-712-812
www.jeep-japan.com
Photo_Kazumasa Takeuchi[STUH]
Text_Yuichiro Tsuji
Edit_Jun Nakada
Produce_Kitchen & Company