origin〜プロスキーヤー・小野塚 彩那の原点〜
スキーハーフパイプで数々の輝かしい戦績を残し、現在もプロスキーヤーとして『FWT』に参戦、またRealStyleでも度々登場しお馴染みとなっている小野塚彩那さんを特集。小野塚さんの原点といえる地元・新潟県南魚沼市の石打丸山を訪ね、W杯など世界の舞台で日の丸を背負ってきた過去、フリーライドに挑む現在のスキーライフに迫る。さらに愛車であるJeep Grand Cherokeeに対する想い、愛用のスキーアイテムについても伺った。
※この記事はLiart Vol.31を再編集し、転載したものです。
<hometown>
新潟南魚沼市「石打」。私は雪国で生まれ育ち、2歳からスキーをはじめた。
百名山の巻機山(まきはたやま)(1,967m)や霊山の八海山(1,778m)など青く輝く山並みが美しい新潟県南魚沼市。小野塚彩那さんの地元は同市の石打エリアで彼女にとっては“石打丸山”が原点ともいうべき場所。
日夜、『石打丸山スキー場』で雪と戯れた少女がいつしかW杯など世界の舞台で日の丸を背負い、その卓越したスキルとマインドは、数々の輝かしい戦績を残した。2019年、ハーフパイプ競技からは現役引退を表明したが今後は、ひとりのスキーヤーとして『FWT(Freeride World Tour)』に参戦。2019-20年冬、石打丸山に小野塚さんを訪ね、より深く、極みを増すスキーライフに迫った。
【2020 Freeride World Tour】
96年、スイスで始まったFreeride World Tour(FWT)は、自然のままの地形を滑り、そのテクニックやスタイルを競う「フリーライド」の世界一を決めるコンペティションツアー。
GLOBAL SITE:https://www.freerideworldtour.com/
▼INFO
石打丸山スキー場
新潟県南魚沼市石打1655
TEL:025-783-2222
http://ishiuchi.or.jp
昨シーズンより世界最新鋭のコンビリストを装備
都心から上越新幹線やシャトルバスでわずか約90分
関越道自動車道「塩沢石打IC」より車で5分
<freeride>
異次元の緊張感。シリアスを超えていく体感を楽しんでいるんだと思う。
これまでアルペン、基礎スキー、ハープパイプと修練を重ね、世界舞台でキャリアを磨いてきた。そしていま、フリーライドの世界で全キャリアの総合的なスキルを要求されている。ならば、そのフォールラインはこれまでの人生が描いた軌跡とも言える。
管理されたコースや人工物が一切なく、事前調整の滑走も許されない一発勝負の世界。自分を信じて急峻な斜面へドロップインするだけ。
大怪我や死が頭をよぎらない訳ではない。だが、突破者だけが体感する究極の緊張感と開放感をレースごとに味わっていると話す。それは、これまでに体験したことのないような異次元の緊張感があると言うが、同時に、その1本1本が未来へとつながる貴重な経験値ともなっていく。
フリーライドの世界において、距離、標高、滑走量で考えたら海外選手との絶対的な差は否めない。だから、シーズン前には海外遠征へと繰り出していく。
2018年、現役引退を表明。そして、フリーライドに挑む現在。自分を突き動かすのはスキーに対するこだわりだけ。これからも世界の雪山を舞台にした小野塚彩那の果敢なライディングから目が離せない。
<buddy>
“グランドチェロキー”この先もずっと乗りたいクルマです。
愛車はJeepという小野塚さん。あまりにも好き過ぎて2代目も同じく『ジープ グランド チェロキー(Jeep Grand Cherokee)』を選択した。雪国でのスキーライフにおいて、あらゆる雪路の安心安全な走破性能。さらには遠征道具などの圧倒的な積載量。力強くシャープな印象のリアデザインもお気に入りのポイントだという。
「Jeepとの付き合いは5年目を迎え、グランドチェロキーはすでに2代目となりました。愛用のポイントはやはり荷物がたくさん積めることで、実は初代購入時は『ジープ チェロキー(Jeep Cherokee)』との選択を悩みました。私の場合、スキー板や遠征道具を積むため、圧倒的な積載量が必要なんです。ちなみに海外遠征の際などは相当な荷物を積んで成田空港まで自走しています。寒くなってきたらシュラフも積んで、移動の途中で寝ることも。後部座席を倒すとフルフラットになるのもいいですよね。そして、3.6Lの排気量なのに、びっくりするぐらい音が静か。それでいてパワフルです。都内を走っても車体の割に小回りが利くし、アウトドアだけかと思いきや、街の外観にもマッチするデザインも気に入っています。(小野塚)」
<favorite>
スキーが中心にある暮らし。すべてが唯一無二の愛用アイテムです。
世界的なアルペンスキーヤーの多くが起用する『ATOMIC(アトミック)』はそれだけに高い信頼性があり、小野塚さんは永くブーツ、板、ストックを愛用している。
ウェアーは『THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)』で、昨シーズンから発表された革新的な新素材「フューチャーライト」の快適性を賞賛する。防水性と高い透湿性に加え、心地よいストレッチ性のある生地感はBCスキーには欠かせない、と。しかも、リサイクル素材と非フッ素系の撥水素材を採用することで環境負荷にも配慮している。
ヘルメットとゴーグルは『SMITH(スミス)』を着用しており、対象物の輪郭がくっきりと見える「クロマポップ」という視認性の高いレンズ仕様によって雪面の微細な凹凸も見逃さない。そして、ヘルメットは軽さを重視しているという。
これら高機能&デザインを誇るスキーアイテムと同じく車や友人関係にも求めるものに相通じるポイントがある。例えば、Jeepの雪路走行性能と圧倒的な積載能力には絶対的な信頼感を寄せており、“スキー仲間”においても自分の能力を引き出してくれるような男性アスリートとトレーニングすることが多いようだ。
彼女のライフスタイルの中心には絶えずスキーがある。そして、その思考や志向の同心円上に自身にとって快適なアイテムや暮らしがある。
次ページ:【小野塚さんが「いちばん暮らしやすい」と語る場所】