Jeep® Cherokee Trailhawkで静かな森歩きの山へ。
新緑の櫛形山で感じた自然の息遣い
せっかく山に行くならば、日帰りではもったいない。山中で宿泊できる山道具をクルマに詰め込み、山岳/アウトドアライターの高橋庄太郎が、南アルプス前衛峰であり、日本200名山でもある櫛形山へ向かった。
大量に荷物を積み込めるクルマは移動できる巨大バックパックだ!
天気予報によれば、これから数日の間、すっきりと晴れる山はどこにもない。しかし、それほどひどい天気でもないらしい。
それならば……。せっかく空けていた日程を無駄にするのはもったいないと、僕は山へ向かうことにした。数日前から準備は万端で、いまさら中止しようという気分にはなれなかったのだ。
だが、どこへ向かうべきか?
僕は南アルプスの東側にある櫛形山を目指すことにした。この山ならば、雨が降っていても安全に歩け、目に心地よい景色があり、ゆっくりと宿泊できる場所もある。
今回、僕を登山口まで連れて行くのは、『ジープ チェロキー トレイルホーク(Jeep® Cherokee Trailhawk)』。悪路でも難なく走破できる機動力をもち、深山の林道もしなやかに走ってくれるはずだ。真っ赤なボディは新緑のなかで、華やかに映えるだろう。
東京の自宅を出て、中央道を走り始めた。山岳/アウトドアライターなる肩書で仕事をしている僕にとって、山梨県へ向かう中央道は、高速道路でありながら生活道のようなものである。ナビで案内されるほどの道ではない。だが櫛形山までは、一般道に下りてからがわかりにくいのだ。
その点、地図が表示されるチェロキー トレイルホークのタッチパネルは画面が大きくて非常に使いやすい。僕は山中で地図をスマートフォンの小さな画面で見ていると、より広い範囲を大きなタブレットで見たくなることがあるが、それと似た不満を感じずに済む。
クルマは蛇行する林道に入った。小雨で濡れた路面は滑りやすくなり、ときどきこぶし大の石も落ちている。だが、ハンドルは軽やかにさばくことができ、落石をさらりとかわしていける。足回りの確かさはさすがだ。
僕は回り道をして、あえて凹凸が激しいダートの上も走ってみた。それでも快適さは損なわれない。
チェロキー トレイルホークには『Jeep® アクティブドライブロック』というシステムが導入され、シチュエーションに応じて、スムーズに“4×2”から“4×4”へ自動で切り替わるなど、低速でも走行能力は損なわれない。もちろん手動でもさまざまなモードに切り替えられ、じつにパワフルに悪路を進んでいく。とくにハードなオフロードに適した『ROCK』モードは、このクルマの真骨頂だろう。
僕は以前、アメリカの国立公園を周りながら、数カ月をかけて4万㎞以上も走ったことがある。そのとき運転していたのはこれほど走破性が高いクルマではなく、オフロードの道に入ることはほとんど断念していた。あのとき、このJeep® のようなクルマがあれば、もっと違う旅になっていたことだろうな……。
池の茶屋林道の行き止まりに到着すると、僕はクルマを駐車場に停めた。そして荷物の最終確認を行なっていく。
僕は悪天候に備え、たくさんの荷物を持ってきていたが、チェロキー トレイルホークのカーゴスペースに荷物を並べていくのは、バックパックに山道具をパッキングするのと似ていた。ポイントは、移動中に内部の荷物が無用に揺れ動くのを防ぎつつ、できるだけ効率よく空間を使うこと。もっともチェロキー トレイルホークの荷室の収容能力は十二分で、それほど効率性を考える必要はない。しかし、それでもきれいに荷物を収めたくなるのは、僕のような山好きの習性かもしれない。
僕は当初、山中でキャンプをしようと考えていた。ほこら小屋の開放的なテント場は、僕のお気に入りなのだ。
だが、ときおり強くなる雨を前に、今回は小屋に泊まろうかと思い始めた。じつはこの無人小屋も僕のお気に入り。近くに水場とトイレがあって便利で使いやすく、内部は清潔だ。それなのに泊まっている人をあまり見たことがない。だから以前もテント泊の用意をしておきながら、ひとり小屋で眠ったこともある。
今日は雨の平日だ。きっと小屋を独占して泊まれるに違いない。
僕はバックパックからテントを引き抜き、チェロキー トレイルホークの車内に残置した。そして、少し身軽になって歩き始めた。