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2019.07.31

Real Tabi with Jeep® 〜Jeep® と行く、日本の“こころ”を探る旅〜〈島根県・松江市 ホーランエンヤ〉

水の都で10年に一度行われる絢爛豪華な船神事。

自由、冒険、本物、情熱──。4つのDNAを持つJeep® を駆って、日本という地が持つ“こころ”を解き明かす旅へ。江戸時代から370年続く、壮大な水上絵巻が幕を開ける。

鮮やかな水上絵巻に込められた
五穀豊穣、天下泰平の祈り

新緑と眩しいほどの棚田の水の煌めきが、爽やかな初夏の訪れを感じさせる山陰道を『ジープ レネゲード リミテッド(Jeep® Renegade Limited)』で島根県松江市へ。Jeep® の5つのラインナップの中で最もコンパクトな車種ながら、先進のダウンサイジングテクノロジーが実現した馬力と取り回しの快適さが、旅への期待を増幅させる。鮮やかに彩られた約100隻の船によって繰り広げられる「ホーランエンヤ」の渡御祭(とぎょさい)を前に、街は静かな興奮に包まれていた。

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▲中国地方の最高峰、大山(だいせん)を望むドライブウェイで、Jeep® Renegade Limitedのパワー&トルクを堪能。

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▲Jeep® Renegade Limitedのグラナイトカラーが松江城へと続く武家屋敷通りにマッチ。

「松江城山(じょうざん)稲荷神社式年神幸祭こと『ホーランエンヤ』は、渡御祭に始まり9日間にわたって行われる、10年に一度の祭りです」と語るのは、松江歴史館の主任学芸員で松江ホーランエンヤ伝承館を担当する新庄正典氏。
慶安元(1648)年に、天候不順による凶作に心を痛めた松江・松平家初代藩主の松平直政が、松江城山稲荷神社の御神霊を阿太加夜(あだかや)神社まで船で運び、五穀豊穣を祈願させたことに由来すると伝えられ、大阪天満宮の天神祭、厳島神社の管絃祭と並び、日本三大船神事に数えられている。

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▲御神霊は松江城近くの松江城山稲荷神社から船団の待つ大橋川の畔まで、厳かな陸行列で運ばれる。

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▲御神霊を船から下ろす出雲郷(あだかえ)橋に向かい、意宇川を航行する大船団の姿は壮観。

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▲音頭取りの「ホーラ」の掛け声に、櫂かきが「エンヤ」と声を合わせて漕ぐ。

朝10時、大橋川に架かる橋の上で待ち受ける人々の前に、威勢のいい「ホーランエンヤ」の唄声とともに、櫂伝馬船(かいでんません)を中心にした船団が近づいてきた。一糸乱れぬ櫂さばきで操られる船の上では、華やかな歌舞伎役者風の衣裳に身を包んだ若者が、舳先(へさき)では剣を手に勇壮に、船尾では女姿で華麗に舞いを繰り広げている。五大地と呼ばれる馬潟(まかた)、矢田、大井、福富、大海崎(おおみざき)、それぞれの地域が趣向を凝らし、色とりどりの幟(のぼり)を風にはためかせた櫂伝馬船を中心に船団を組み、水の上を滑るように進んでいく。

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▲先頭から最後まで約1キロメートルにもおよぶ大船団で、隣町の阿太加夜神社を目指す。

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▲全国で唯一現存するたたら製鉄の史跡、菅谷たたら山内の高殿前にて。

「Jeep® は自然との親和性が高く、“どこへでも行ける、何でもできる”車です。松江の人々にとっては、車と同様に船もまた、旅や移動に欠かせない大切なパートナーなのですね」と、Jeep® のマーケティング本部長、ティツィアナ・アランプレセ。
自動車が誕生する前の時代の人々にとって、船は唯一と言ってもよい大切な移動や運搬の手段だったのだろう。特に松江は、水の都。大橋川や意宇川が宍道湖と中海をつなぎ、現在に至るまで漁も盛ん。「ホーランエンヤ」はそんな地域性が育んだ祭りなのかもしれない。
「水とともに生きる松江の人々には、アウトドアの文化を担ってきたJeep® と相通じるスピリットを感じます。櫂伝馬船が近づいてくると、観客から自然に拍手が湧き上がり、誰もが祭りに参加している姿も印象的でした」。約1キロメートルにおよぶ船団を見送りながら、アランプレセは祭りの印象を語った。

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▲大橋川に架かる橋では、多くの人々が櫂伝馬船をはじめとする船団の通過を見守った。

喜び変わりゆく時代の中で
郷土への誇りと愛を守り続けて

「ホーランエンヤ」は、10年に一度の式年祭。祭りの行われる年は平和で、経済も好況であることが多いと古くからいわれる。
「でも、毎年開催される祭りとは違って、次の開催が10年後となると、文化の伝承には苦労もあるのでは?」と、アランプレセは問いかける。

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▲櫂伝馬船の舳先(へさき)で、櫂を操りながら天を指して踊る「剣櫂(けんがい)」。

「剣櫂や采振りの踊り手は14〜15歳の少年、太鼓の囃子方は小学生が務めるため、次の祭りのときには立派な若者に成長し、漕ぎ手として参加することも少なくありません。10年前の記憶をたどりながら祖父から父へ、孫の世代へと370年近くにわたり受け継がれてきたのでしょう。ホーランエンヤの唄や踊りの振り、衣裳は、5つの地域それぞれで少しずつ異なります。どの地域も、自分のところが一番だと誇りを持ち、他と競い合うような気持ちで力を尽くすのです」と新庄氏。とはいえ、少子化や若い世代が都会へと流出してしまう昨今の風潮の中で伝統を受け継ぐためには課題も多い。

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▲船の後部では、四斗樽の上で女姿の踊り手が色とりどりの紙や布を取り付けた采(ざい)を振る。

「櫂伝馬船には五大地に生まれ育った者しか乗ることができないという決まりなのですが、一番大きい船は58人乗り。人員を確保するのは難しい問題です。五大地の筆頭である馬潟の馬潟地区と灘分(なだぶん)地区では、小・中学生と園児による『子どもホーランエンヤ』という組織を結成し、継続的に練習を行っていくという動きも出てきました。華やかに彩られた船の美しさや、櫂伝馬船上での唄や踊りに注目が集まり、大きな観光資源にもなっていますが、ホーランエンヤは、あくまでも神事です。松江の人々が育み、受け継いできた祈りの心が、これからも長く続くことを願っています」(新庄氏)

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●ティツィアナ・アランプレセ
FCAジャパン株式会社 マーケティング本部長。
ナポリ東洋大学で学んだ後、奨学生として来日。九州大学大学院修了。帰国後、日本の自動車メーカーの現地法人およびフィアット グループでの勤務を経て、2005年から現職。

●新庄正典氏(しんしょう まさのり)
松江市歴史まちづくり部 松江歴史館 主任学芸員。
大阪府出身。島根大学法文学部文学科卒業。松江郷土館、松江市観光企画課歴史資料館整備室の学芸員を経て、現在は松江歴史館に主任学芸員として勤務。松江ホーランエンヤ伝承館を担当する。

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今回ご紹介する島根県・松山市の旅をYouTubeでお楽しみいただけます。

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