【Jeepオーナーインタビュー】宿命に抗うことなく世界へ、厳しさの中に希望を見つめる二刀流スキーヤー・武田 竜
宿命があるとしたら競技種目を越えて滑り続けること
前人未到の4連覇への挑戦
2015年から“技選”に挑戦。初年度9位。2016年以降3年連続の4位を経て2019年に初優勝。コロナウイルスの影響でキャンセルになった2020年大会を挟んで3連覇中というのが、彼の現在の地平である。
ある文献では、2014年のワールドカップ出場を機に引退という表現を用いていた。だが、実際には競技生活を続けている。となればスキーの世界では、海外転戦を終えるとリタイヤ扱いになるのか? あるいは主戦場を日本に戻した都落ち感への気遣いで引退と称する慣例があるのか?
「コーチやデモンストレーターなど、自分の身近にいる人たちが腕を競う大会なので、実は影響力が大きいんです。用品メーカーにしても国内販売の売り上げが左右されるんですよ」
そんな概況を選手に説明させてしまったのは本当に悔いているが、ひとまず日本のスキー界にとって重要な大会であることはわかった。ただし重ねて聞かなければわからなかったのは、再び辛い経験をする可能性もあるのに現役アスリートを辞めなかった意味だ。
「同じスキーなのに競技を行き来できないのは、子どもたちの将来にとってどうなんだろうと。僕はまずスキーがあって、その先で競技が枝分かれしているだけだと思うんです。だから今でも“技選”とアルペンの二刀流なんです」
武田さんは2016年を皮切りに、3度の国体アルペン競技で優勝している。直近の2022年大会と同年の“技選”でダブルウィンを獲得しているが、そんな選手は他にいないらしい。
「実際のところ、心身ともに年々厳しさが増していきますね。“技選”で初優勝した2019年の大会中に夢を見たんです。次は優勝と言われ続けたプレッシャー。それに打ち勝つため、2018年には自ら勝てると申し出て『ATOMIC』のサポートを受けましたから、3日目で成績を落として相当に参っていたんでしょう。苦手としていたコブ斜面の成功するシーンと失敗するシーンの両方が夢に現れた。すぐに飛び起きてライン取りをメモして、それをもとに滑ったら勝てた。3連覇した今年も、なぜか成績を落とす3日目で同じような夢を見ました。たぶん起きている間からずっと試合のことを考えているからなんでしょうね。知り合いにはよくぼーっとしていると言われますが、そんなことないんですよ」
武田さんはこうも話してくれた。アルペンスキーヤーがいかにクレイジーで素晴らしくても、海外で戦う選手たちの活躍は日本まで伝わらない。ならばアルペン経験も持つ自分がその懸け橋役を務めたいのだと。ゆえに武田 竜というスキーヤーに宿命があるとするなら、競技種目を越えて滑り続けることではないかと思う。
「今日のグラチェロは『ATOMIC』のもので、本州に来たときに乗せてもらいます。自分のグラチェロは2年前に購入しました。一時期借りていた『ジープ ラングラー(Jeep Wrangler)』も見た目の印象以上に運転しやすかったのですが、自分にはグラチェロが合っていると思いました。安定感、安心感ですね。すでに8万キロですが、雪道で一度も滑ったことがありません。とにかく長距離が楽。5年前からスキーアカデミーの外部コーチを務めている北見工業大学まで毎週片道300キロを走っても疲れません」
ちなみに新型は?
「野沢の温泉街の狭い道でも長さが気にならなかったのはよかったですね。長距離を走ったら、さらに快適だろうという予感があります。長物のスキーを積むのはもっと楽でしょう。でも、まだローンが残っているし、当分は愛車を大事にします」
最後に今後の目標をたずねてみた。この答えが明確だった。
「今できることは今のうちに全力でやる。それで結果を出せばスキーヤーとして求め続けられる。これが自分の立ち位置なので、まずは“技選”で前人未到の4連覇を。それを達成してこそ、僕がアルペンという競技やレーサーのために“技選”で戦う意味になると思いますから。なぜか4という数字に縁があるんです。時計ではよく4時44分を目撃するし、“技選”で初優勝するまで3回4位を続けたし、子どもの頃のサッカーでは背番号が4でした。4連覇できたら、新しいグラチェロに買い替えてもいいかな」
そのJeepにも4WDという縁がある。滑り続ける人の支えになれたら幸いだ。
今回使用したクルマ
『ジープ グランドチェロキー L サミットリザーブ(Jeep Grand Cherokee L Summit Reserve)』
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Text:田村 十七男
Photos:大石 隼土