<ソチ五輪>メダリスト、小野塚彩那選手(フリースタイルスキー ハーフパイプ)が目指す、理想のアスリート像。
<X-GAMES>は世界で8人しか出場できない大会
ー来年の1月に<X-GAMES>が開催されますが、今年に続いて小野塚さんは招待されていまよね。インタビューの中からも<X-GAMES>への想いを感じますが、その魅力とは何でしょう?
簡単にいうと、<五輪>は日本代表だけど、<X-GAMES>は世界代表なんです。<五輪>は各国の代表選手として参加できるけど、<X-GAMES>は日本で一番でも出場できない大会なんです。世界で8人しか出場できないし、そういう意味では<五輪>よりも<X-GAMES>に魅力を感じます。もちろん、<五輪>はすごい場所でしたけど、そこが全てではないなと思ってしまう。<X-GAMES>は世界ランキングだけじゃなく、主催者側に認められなければ出場できませんから。
ー<ソチ五輪>でメダルを獲得できたことには、事前に<X-GAMES>を経験できたということも大きいですか?
そう思います。<ソチ五輪>はまったく緊張しなかったんですね。というのも、絶対に<X-GAMES>のメンバーが<五輪>のファイナルにも残ると思っていたから、<X-GAMES>ではめちゃくちゃ緊張してしまって。出たいと思っていた憧れの大会に日本人としてはじめて呼ばれたことで、<ソチ五輪>で自分がファイナルに残ることは当たり前だとハードルが上がったんです。だから、<X-GAMES>は大きかったですね。
ー最後に、小野塚さんのこれからの目標を聞かせてください。
日本人選手は明らかに海外選手から格下に見られている部分があると思います。絶対に日本人は勝てない、その評価を覆していく選手になりたいですね。あとは、ハーフパイプと自分自身の環境を良くしていくこと。私がメダルを獲ったのに周りの環境が良くなっていないという現状を受け止めると、私より若い世代の子たちに対して、「何を目指せばいいの?」という状況を作ってしまっているとも思います。技術もプロとして活動していくための方法も、若い選手たちに良い経験を伝えていきたいです。
次回は、小野塚選手のトレーニング場所への移動手段であるクルマについてのインタビューと、SUPやウォータージャンプをメニューに盛り込んだサマートレーニングの模様をお届けする。日本人選手が脚光を浴びることがなかった、フリースタイルスキー ハーフパイプという種目。その道なき道を開拓していく小野塚選手の逞しい姿に、険しいオフロードを走破していくJeep®の姿が重なる。
Edit & Text by Shota Kato
Photo by 横山マサト