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2022.01.06

最大7人がJeepワールドを同時体験できる新型グランドチェロキー。オンラインカンファレンスで発表された最新情報を報告!

新年明けましておめでとうございます!2022年最初は、いよいよ今冬発売されるAll-New Jeep Grand Cherokee Lの記事をお届け!昨年末に実施されたオンラインカンファレンスとメディア向けに行われたデザイン&エンジニアリングカンファレンスの模様をレポート!

3列シートを収めるロングボディで登場した『ジープ グランドチェロキー L(Jeep Grand Cherokee L)』。10年ぶりのフルモデルチェンジに際し、12月中旬にYouTubeでオンラインプレスカンファレンスを実施。メディアに対してはデザイン&エンジニアリングカンファレンスが行われ、本国のメンバーも数多く登場し、全貌が明かされた。そこで説明された重要事項を紹介する。

日本導入モデルは“L”の2車種

「よりモダンで、より革新的で、よりエキサイティングに生まれ変わった!」
JeepブランドCEOのクリスチャン・ムニエ氏が意欲的なメッセージとともに紹介した新型グランドチェロキーL。オンラインカンファレンスでは早くも2022年2月から国内販売されるモデルが発表された。

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▲Jeep ブランドCEOのクリスチャン・ムニエ氏

日本導入が決まったのは、3列シートを装備したロングボディを表すLを冠したグランドチェロキーLから2車種。2列目を3人掛けとした7人乗りの『ジープ グランドチェロキー L リミテッド(Jeep Grand Cherokee L Limited)』と、2列目に一人掛けキャプテンシートを2脚備えた6人乗りの『ジープ グランドチェロキー L サミットリザーブ(Jeep Grand Cherokee L Summit Reserve)』。エンジンはいずれも3.6LのV型6気筒DOHCを搭載している。

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▲『ジープ グランドチェロキー L リミテッド(Jeep Grand Cherokee L Limited)』¥9,070,000(税込)

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▲『ジープ グランドチェロキー L サミットリザーブ(Jeep Grand Cherokee L Summit Reserve)』¥11,320,000(税込)

気になる価格は、リミテッドが788万円。サミットリザーブが999万円。先代の最高価格が700万円台だったことを考えると、新しいグラチェロはワンステージ上がったように感じる方もいるかもしれないが、このモデルは3列シートなのだ。3列化して定員が増えていること、そして何より、10年分の進化を反映した最先端の安全装備が装備されたことを考えれば納得。将来的には、従来通りの2列シート版もラインナップされるだろうから、より手頃な選択肢が用意されるのは間違いだろう。そしてラインナップのトップエンドと思えるグレードを新型発売の初期段階でぶつけてきたのは、フラッグシップであるグランドチェロキーに対するJeepの気概なのだと思う。

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さて、3列シート。プレミアムSUVにとってマストとされるようになったアイテムは、グランドチェロキーの10年ぶりのフルモデルチェンジにおいて、それこそマストな最優先事項だったようだ。そしてまた、取って付けたような3列目のシートを嫌えば、新たな空間の確保が必然となる。そんなわけで新型は、モノコックボディを一からつくり直した。

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全長は、先代で最長のサミットより320㎜長い5,200㎜。ホールベースは同じく175㎜長い3,090㎜。対して全幅は35㎜の拡張に留まり、全高に至っては先代のどのモデルより10mm低い。つまり先代と見比べれば、少なくもサイドのプロポーションは長くて低い印象になるのだろう。Jeepエクステリアデザインディレクターであるマーク・アレン氏は、「長すぎないように見えること」を課題にしたという。

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▲Jeep エクステリアデザインディレクターのマーク・アレン氏

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エクステリアはワゴニアを参考に。インテリアは流れる滝のように

マーク・アレン氏によると、エクステリアデザインで参考としたのは、1962年に登場したSUVの祖と呼ぶべき『ワゴニア(Wagoneer)』だという。ロングルーフ、ロングフード(ボンネット)、シャークノーズがワゴニアから受け継いだポイントで、サメの鼻は7スロットグリルを逆スラント化で表現した。それを含み顔つきは、非常に薄いLEDヘッドランプの採用で先鋭的な、強いて言えば攻撃的な雰囲気に変わっている。

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▲スタイリッシュなブラックペイントルーフ。

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▲両サイドにデザインされたヘッドライトにはLEDライトが光を放つ。

エクステリアではガラスエリアの拡大も重視したそうだ。視認性の向上を目的に、ガラス面とボディパネルの境界線となるベルトラインを下げるデザインを実施。各ピラーも可能な限り細めている。

一方、インテリアデザインのキーイメージは、「滝のように流れる」。ドライバーの目の前に広がるダッシュボードも、あるいは新たに加わった3列シートも、ダイナミックな落差を保ちながら、高いところから水が流れ込む自然さを大事にしたと解釈するのが正しそうだ。

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最新のエレクトロニクスデバイスを簡単に操作できるスイッチ類の金属。素材選びはもちろんステッチの仕上げまで丁寧なレザー。パネル類に用いられた木目が美しいナチュラルウッド。それら室内を彩るマテリアルのチョイスは、クルマのインテリアにおいて王道と言っていい。奇をてらわないオーソドックスなデザインを重視することで、疑う余地のない安心感、いわば本質的なラグジュアリーに包まれるつくりを目指したのではないだろうか。豪華という言葉では括りきれないインテリアとともに移動する感覚は、ぜひ実際のドライブで体感してみたい。

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完全刷新のハンドリングと充実の先進装備

先代の前ダブルウィッシュボーン/後マルチリンクのサスペンションを前後マルチリンクに改め、もう一段高い乗り心地とハンドリングを実現させるのは、チーフエンジニアのフィル・グレイド氏にとって悲願だったそうだ。先に全幅が35㎜の拡張に留まった件に触れたが、それに伴ってトレッドも先代との比較で前30㎜、後35㎜に広げられている。この違いもハンドリングの向上に寄与するだろう。

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▲新型グランドチェロキー チーフエンジニアのフィル・グレイド氏

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さらには、フロントアクスルをエンジン架台に直付けすることでNVH(振動や騒音など乗員が不快に感じる要素)を低減。エンジンの位置=重心も下がったことで運動性能も上がっているという。
JeepがJeepであるために不可欠なオフロード性能にも手抜かりはない。5種類のモードが選べるトラクションコントロールシステムのセレクテレイン™システムを内包したクォドラトラックⅡ®4×4システム。渡河性能609.6mmの地上高を生み出すクォドラリフト™エアサスペンション(サミットリザーブ)等によって、先代から磨き上げてきたパフォーマンスは新型でも存分に発揮される。

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▲悪路では車高を上げて走破性をアップ、また乗り降りや積み下ろしの際は車高を下げて負担を軽減。

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▲雪、砂地、泥、岩場など、様々な路面状況に適した走行モードを選択できるトラクションコントロールシステム。

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▲雪道などの悪路でも頼もしい走破性を発揮。

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開発主査のマリオ・ホームズ氏が注目を促したのは、一気に充実した先進のドライバーサポート機能だ。ボディ全周を感知するレーダーとセンサーを装備したことで最新の安全機能が盛り込まれた。車線維持を支援するアクティブドライビングアシスト。交差点衝突回避支援のインターセクションコリジョンアシスト等々。道路状況から目を離さず重要情報を確認できるフルカラーのヘッドアップディスプレイも備わった。
特筆すべきは、サミットリザーブに装備されたナイトビジョン。フロントグリル内に仕込まれた赤外線カメラが前方を横切る歩行者や動物(の熱)を検知するもので、先のチーフエンジニアのフィル・グレイド氏はこのシステムが気に入っており、運転中は常時オンにしているという。

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▲新型グランドチェロキー 開発主査のマリオ・ホームズ氏

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驚異的な進化を遂げた新型グランドチェロキー。紹介しきれないスペックやデバイスに満ちているが、何はともあれ興味深いのは3列目のシート追加だ。これまでより多くの人数が快適に移動できること、あるいは道なき道を往くオフロードを共に体験できる人数が多くなることで、Jeepはまた一つ新たな世界の扉を開けようとしている。その先に広がる未知の景色に期待したい。

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Text:田村十七男