75年のヒストリーが証明するJeep®の実力と魅力を聖地モアブで体験してきた Part 2
アメリカ・ユタ州モアブで開かれたJeep®生誕75周年走行イベント。我々日本グループは『Renegade』、『Grand Cherokee』、『Wrangler Unlimited』の3モデルを岩場、砂地、泥濘路とめまぐるしく変化する路面で走らせた。今回は『Renegade』、『Grand Cherokee』の悪路での実力をリポートする。
アメリカ・コロラド州のロッキー山脈に始まり、最終的にメキシコ湾へ流れ込むまで、くねくねと流れるコロラド川。この川が気が遠くなるほど長い年月をかけて差別侵食(地盤の柔らかい部分のみを侵食すること)し続けた結果、同国南西部にはいくつもの峡谷が存在する。アリゾナ州のグランドキャニオンが有名だが、それ以外にもあのような峡谷はゴロゴロある。というよりも同川に沿って巨大な峡谷が延々と続いていると表現するほうが正確かもしれない。巨大なメサ(テーブル上の台地)やビュート(メサよりも侵食が進んで塔のようになったもの)が見る者を圧倒する。
ユタ州モアブもそんな街のひとつ。Part 1のリポートでも紹介したように、川沿いに無数のメサやビュートが存在し、まるで街全体が西部劇のセットのよう。生誕75周年を記念したJeep®各車の試乗会はそんなロケーションで開かれた。
兄貴分にくらいつくJeep®最新モデルの『Renegade』
我々が最初に試乗したのはコンパクトSUVの『Jeep® Renegade(レネゲード)』。『Jeep® Wrangler(ラングラー)/ Wrangler Unlimited(ラングラーアンリミテッド)』はCJ型、『Jeep® Cherokee(チェロキー) / Grand Cherokee(グランドチェロキー)』はワゴニア、『Jeep® Compass(コンパス)』はジープスターと、ほかの現行モデルが既存モデルの最新型であるのに対し、レネゲードは全く新しい企画をもとに開発された、Jeep®史上最もコンパクトなモデルでもある。
試乗したのは『Jeep® Renegade Trailhawk』。通常はFWDで走行し、必要に応じて4WDとなるオンデマンド型(セレクテレイン・システム)を採用する。Jeep®モデルのなかでは最も簡易的なシステムのため、ワイルドなモアブの未舗装路を走破できるのか、他のJeep®に追従できるのか、正直少し心配しながら試乗を開始した。
ほどなく遠慮のない悪路到来! 未舗装の道路に巨大な岩がごろごろ転がっていたかと思うと、足がめり込んで歩くのも大変なさらさらの砂地になったりと、サーフィスがめまぐるしく変わる。だがレネゲードは特別な操作をすることもなく、ただアクセルワークを慎重にするだけで、岩場も砂地も駆け抜けていく。続いて現れたのは巨大な岩を含むモーグルセクション。常に前後左右どこかの一輪が浮いてしまうほど路面がうねっている。それでもローレンジを選び、スタッフの誘導に従って進むだけでスタックすることなく走り抜けることができた。
レネゲードの立派な悪路走破性に接し、「オンデマンド型4WDだから・・・」と勝手に心配していた自分を恥じた。システムがどうあれ、Jeep®が優れた悪路走破性を備えたモデルのみに与える“Trail Rated”の称号を獲得している以上、その辺の平凡な4WD車と一緒にするのは失礼だということを、身をもって知ることとなった。