75年のヒストリーが証明するJeep®の実力と魅力を聖地モアブで体験してきた Part 1
冒険心を尊重する国のクルマ
今回、我々は幸運にもオフロードの聖地、モアブで最新のJeep®75周年記念車を思う存分試乗することができた。75周年記念モデルのうち、ラングラーアンリミテッド、グランドチェロキー、チェロキー、レネゲードをとっかえひっかえしながら、ひたすらオフロードを走行させた。朝から、さらさらと柔らかく歩くのも困難なサンドセクション、バスケットボール大の岩がゴロゴロと転がっているロックセクションを進み、ランチを挟んで車体が前後左右に大きく傾くような巨大な岩場をひとつひとつ乗り越え、ほぼ一日中Jeep®内で身体を揺さぶられ続けた末にたどり着いたのは、高さ数百メートルのメサの上だった。
Jeep®のスタッフはノリがよい。よすぎてほとんど悪ノリだ。崖のほぼ先端にレネゲードを置き、スタッフは我々に向かって「記念撮影するからクルマの近くまで行け」とニヤニヤ笑っている。そもそも数が多すぎるというのもあるのだろうが、ここらの崖には柵なんてなく、どんなに危険な場所へも自己責任で行くことができる。開拓という名の冒険を続けてこの国をつくってきただけあって、人の冒険心を決して邪魔しないアメリカの国民性をしみじみ感じた。そして、そんな国民が生んだJeep®だからこそ、乗ればどこへでも行けそうな気持ちにさせるのかもしれない。
各モデルの走りっぷりについては次回以降のリポートにて。ところで、今回のイベントでは新車だけでなくFCAが所有する最初のJeep®たるMB型をはじめとする過去のJeep®各モデルを試乗する機会に恵まれた。普段は博物館に展示されているこれらを運転させてくれたFCAの寛大さに驚かされるとともに感動した。ほとんど仕事を忘れ、75年間の時をタイムスリップするかのような体験を夢中で楽しんだので、これについてもリポートしたい。
Text: 塩見 智 Satoshi SHIOMI