Jeep®を巡るアツい戦い!2016年ワールド・サーフ・リーグ(WSL)第5戦目がフィジーで開催 Part 3
徐々に本領を発揮し始めたフィジーの波とカノアのチャレンジ
Jeep®がパートナーシップを結ぶワールド・サーフ・リーグ(WSL)のチャンピオンシップ・ツアー(CT)の2016年度シーズンが、折り返し地点に近づいている。メンズ全11戦のうち第5戦となったフィジープロは、フィジーのタバルア、ナモツ島にあるクラウドブレイクと呼ばれるサーフポイントで開催された。
ここの波は、レフト方向にチューブが巻くパーフェクトなリーフブレイク(海底が岩場)として知られている。昨年行われた同イベントでも素晴らしい波がブレイクし、ハイレベルなチューブライディングの応酬となった。今年は、Jeep®リーダーボードのトップを走る好調マット・ウィルキンソンを始めとしたグーフィーフッター(右足前スタンス)達が大会を制するのか、それとも第4戦ブラジルのオイ・リオ・プロで勝利したハワイの若手ジョンジョン・フローレンスやここの波を得意とする11Xワールドチャンプのケリー・スレーターらレギュラーフッター(左足前スタンス)が覇権を握るのか、楽しみなイベントとなっていた。(※1)
(※1)状況にもよるが、一般的には、レフト方向にブレイクする波はグーフィーフッター、ライト方向にブレイクする波はレギュラーフッターにとって乗りやすく、有利とされることが多い。
イベント自体はスローなスタートとなった。昨年と比べて小振りなサイズの波で、しかも波がなかなかやって来ないタイミングがあるなど、コンスタントさに欠けるコンディション。その割を食ったのが期待のルーキー、五十嵐カノアだ。ラウンド1で3位となり、ラウンド2へ回ったカノアは(※2)、第3戦のドラッグアウェアー・マーガレットリバー・プロで初優勝を果たしたセバスチャン“シーバス”ジーツを見事に退けラウンド3に進出したものの、そこでタヒチアンのミシェル・ボウレズに敗退。ミシェルの2本トータル7.67というスコアに対して、カノアは5.46に終わり、逆転ならず。
(※2)ラウンド1は3人でヒート(試合)を行い、1位の選手のみラウンド3へジャンプアップ。2位と3位の選手は、ラウンド2にてマンオンマン(1対1)で敗者復活ヒートを行う。そこで勝てば、先にラウンド3へ勝ち上がっていた選手と対戦できる。同様に、ラウンド4も3人で戦い、1位のみクオーターファイナルへ進出。2位と3位はラウンド5の敗者復活ヒートに勝てばクオーターへ進める。ようするに、ラウンド2と5がルーザースラウンド(敗者復活ヒート)であり、このカットシステムは、ファイナルまでの間に2回行われる。
「ここは僕のお気に入りの波になったけれど、今回はいい波で戦うことができなかった。それでもチューブになる波を探して奥に入っていったけれど・・・チューブにこだわらず、もっとインサイド(手前)で波を待っていたら、スコアがもう少し伸びたかもしれない。勝てる試合を逃しちゃったね。それにしても、アンラッキーなヒートだったと思う。ロータイドすぎて、潮の動きも止まっている感じだったし。あまりにも波が来なくて、ヒートに負けて戻ってきたらケリー(・スレーター)が笑っていたよ。僕のヒートの次も波が来なかったけど、その後だんだんよくなってきて・・・他の選手のヒートを見ているのがつらくて、すぐにパッキング(ボードや荷物を梱包)をしたよ」
カノアがそう言うように、波はイベント後半になって徐々によくなっていった。そして、ますますチューブ合戦の様相を呈していった。そんな中、ラウンド4で10点満点が連発。ヒート1で2014年の世界チャンピオン、ブラジル人のガブリエル・メディーナが10点満点を出して1位通過。続くヒート2でもケリー・スレーターが10点満点を含む2本トータル19.77という脅威のスコアをたたき出し、1位でラウンドアップ。ケリーはクオーターファイナルでも18.70というスコアで久々の好調ぶりをアピール。このまま優勝へ突っ走るかという予感がひしひしとしていたが、セミファイナルでガブリエル・メディーナの前に敗退。
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