日本初グランピングリゾート「星のや富士」で過ごす非日常の世界。富士山麓の大自然が囲う施設の全容をレポート!
さらに森の中の階段を登ったエリアに位置する「クラウドテラス」は、雲状にデザインされたウッドデッキによって、まるで天空の広場のようなパブリックスペースとなっている。
「星のや富士」では宿泊者への“自然の中で多くの体験をしてほしい”という思いから、このクラウドテラスにも様々な工夫がされており、「木漏れ日デッキ」や「空中ベンチ」、「木陰のハンモック」などのスペースが開放されている。またテラス横には焚火が設置され、火がパチパチと燃える音や山間の凛とした空気を感じながら落ち着いた時間を過ごしたり、焚火を囲んでの「森の演奏会」も楽しめる。また、薪ストーブが印象的なライブラリーカフェ内には常時ハーブティーやコーヒー、軽食を用意。自然の中にいながらも、同時に圧倒的な快適さを感じることができるのだ。
中でもオススメは焚火であぶった焼きマシュマロだ。とろけそうなマシュマロをビスケットにサンドして、家族や恋人と過ごすのも、ひとりで読書して過ごすのもいいだろう。
「星のや富士」で体験できるのは、富士山麓ならではの豊かな自然をあらゆる角度から楽しむことができる“自然のフルコース”と、丁寧に整えられた“快適で極上のステイ体験”。まさに、その振り幅の大きさが「星のや富士」の最大の魅力ではないだろうか。
こうした環境はどのように出来上がったのか。また、そこに込められた思いとは、どんなものなのか。総支配人の澤田裕一さんに訊いた。
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「星のや富士」総支配人、澤田裕一さんインタビュー
――星のやは、地域ごとにその場所の特性を生かしたリゾートを展開されていますが、ここにはどんな思いが込められているのでしょうか?
「星のや」と聞くと最近になって出てきたブランドというイメージを持たれるかもしれませんが、実は中軽井沢にある星野温泉旅館という、100年以上続く老舗の温泉旅館が母体になっています。その旅館が100年の節目に大改装を迎えるにあたって、お客様からの声として“温泉旅館がやるべきことをちゃんとやってほしい”という意見が多かったんです。そこで、温泉旅館のやるべきこととは何か? なぜ今の温泉旅館がダメなのか? と考えた時に、滞在の自由度が低いことに行き着きました。
当時の温泉旅館はお客様が到着してすぐに、夕食は何時にしますか? 布団敷きは何時にしますか? と時間の制約が多かったり、仲居さんが入ってきたりとプライバシーが守られないことも多く、リラックスしに行っているのに自由に過ごせないという状況がありました。ですから、「星のや」では“現代を休む日”というコンセプトを掲げて、圧倒的な非日常が感じられる空間の中で、贅沢な時間を過ごしていただける、世界にひとつだけしかない数日間を提供していきたいと思っています。
――なるほど。星のやの宿には共通してテレビがなく、照明が最小限に抑えられていいますが、これも“非日常感”を感じてほしいからなのでしょうか?
そうですね。部屋に時計がありませんし、お客様のクルマもあえて駐車場に停めていただいて、そこから少し離れた宿にお連れしています。それはお客様にとっての非日常への入り口をご用意したいからです。また、お部屋にテレビがあると、つけた瞬間にいつもの日常が流れてきてしまいますよね。ですから、あくまで日常から少し切り離された場所を提供することで、“現代を休んでいただきたい”と思っているのです。
――「星のや富士」は日本初の本格的なグランピングが楽しめる施設になっていますが、そもそもこの場所をグランピング施設にしようと考えたのは、なぜだったのですか?
星のやのテーマは“現代を休む”ですが、その休み方は施設によって違います。沖縄では琉球の文化を楽しんでいただいたり、京都では宿まで船で向かい、嵐山の悠久の時間を感じていただいたりと、様々な方法を取っています。その中で、この土地と出会った2007年は欧米でグランピングという概念が出てきたころでした。河口湖を望む絶景の地である6ヘクタールの森、この豊かな環境を使って“富士山麓の大自然を優雅に楽しんでいただく”という提案をしようと思ったのが始まりです。四季を通して様々なアクティビティを用意したり、コミュニケーション型のアクティビティを多く取揃えることで、自然の中で、スタッフとも交流しながら楽しめるような日本初のグランピングリゾートを目指しています。
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