My Jeep®,My Life. ボクとJeep®の暮らしかた。 音楽家・長岡亮介
ギターに自転車、そしてクルマ。「ペトロールズ」長岡亮介さんをつくりあげた原点とは?
ジープを中心としたコミュニティ・プロジェクト「CREATIVE GARAGE」では、ウェブマガジン『フイナム』、J-WAVEのラジオ番組「Jeep® CREATIVE GARAGE」と連動して、「現代のスタンダード」をテーマに新しい創造のきっかけとなるアイデアや情報の数々をお届けしています。連載第2回目は、3ピースバンド「ペトロールズ」のギターとボーカルを務めるほか、さまざまなミュージシャンのサポートも行う長岡亮介さんが登場。ギター、バンド、趣味、そしてクルマについて、さまざまな話をお聞きしました。
どんな楽器であろうとカッコいいバンドができる。
結成してから今年で12年目を迎えるバンド、ペトロールズ。独特のリズムと音色、ほどよく湿り気を帯びた落ち着きのある歌声、耳ざわりのよい歌詞とメロディー。これらの要素が巧みに溶け合ったペトロールズの楽曲は、一度耳にすると忘れることができなくなる。このバンドでギターとボーカルを担当するのが長岡亮介さんだ。彼はギタリストとしてさまざまなミュージシャンのサポートも行っていて、プロの音楽家たちからの支持も厚い。そんな長岡さんがギターをはじめたのはいつのことなのだろう?
「ギターをはじめたのは中学生のとき。選択授業で弾いたのが最初ですね。土曜日の最後の時限は生徒が自由にカリキュラムを選べるようになっていて、そこでギターを選択したんです。サッカーとか、卓球とか、手芸とか、いろんな選択肢があったんですけど、そのなかにピンとくるものがなくて。このなかならギターかな、という感じで仕方なく選んだんです。でもね、それがはじめたらすごくハマっちゃったんですよ(笑)」
授業では課題曲などはなく、まずはコードを押さえることから練習をスタートさせたという。
「父親が音楽が好きで、ぼくが小さな頃からブルーグラスとかカントリーミュージックが家のなかで流れていました。父もギターを弾く人で、いろいろ教わったんです。いま思うと愛情があったなぁ。“F”っていうコードは6本ある全部の弦を押さえないといけないんですけど、それで挫折する人も多いんですよ。父はそれがないコード進行を教えてくれたんです」
そうして長岡さんはどんどんギターにのめり込んでいくことになる。学生時代からプロのバックバンドに所属し、いろんなアーティストの背中を見ながらギターを掻き鳴らしていた。ひたむきに音楽を愛し、やがてプロとして活躍するようになったかつてのギター少年。彼はどんな音楽に影響を受け、ギタリストとしての道を歩んできたのだろうか?
「ピート・アンダーソンというギタリストがいるんですけど、ぼくはその人が大好きで、彼の影響は色濃く受けています。カントリー・ミュージックを弾く人なんですけど、なんか間が抜けているんですよ。すごくクセがあって、一回聴いたらすぐにその人のギターだっていうのがわかる。高校生のときにはじめて聴いて、それからすぐにハマりましたね」
一方で、ギターを中学生の頃から引き続ける長岡さんの楽器に対するこだわりも気になるところだ。
「見た目が人と一緒じゃないということ。定番といわれるギターがあると思うんですけど、いろんな人が使ってるでしょう? 人と被りたくないんですよ。あと、そういうギターは当たり前のように音色がいい。『ぼくは定番じゃないやつでカッコいい音だしてやるよ』っていう気持ちでいるんです。天邪鬼ですよね(笑)」
家のなかには何本もギターがあるというが、「どれもガラクタみたいなもの。そうじゃないものは少しだけ。100万円越えるような高価なものなんて持ってないですよ」と軽快な口調で語る。
「なんかくだらないギターばかり買っちゃうんです(笑)。10万円以上するものは、なんだか高いなぁって。アンプだって数万円程度のものを使ってますし。でも、それでもカッコいいバンドができるんだぜ! って言いたい。そっちのほうが夢があるじゃないですか」
音楽はそのときの気分で生まれるもの。
ギター一筋で生きてきた長岡さんが「そろそろ自分のバンドも組んだほうがいいな」と思い2005年に結成したのがペトロールズだ。“ペトロール”というのはイギリス英語でガソリンを意味する。車好きで知られる長岡さんらしいネーミングだ。
「車の燃料はガソリンで、人間のエネルギーは音楽だ、みたいな(笑)。そんなイメージでバンドの名前をつけたんです」
ペトロールズの楽曲は、キャッチーでありながらも複雑な構造を持っている。とくにギターのリフは、唄いながらリズムを取るのがすごく難しそうだ。
「リズムかな、曲をつくるときに最初に気にするのは。具体的なことは言わず、ぼんやりとしたイメージをメンバーに伝えて、そこからどんどん膨らましていきます。『音符短めで』とか、『ゾワゾワする感じで』とか、本当に抽象的な言葉を共有していて。メンバーからしたらすごく困ると思うんだけど、そうすることで曲があらぬ方向へ行って開花するんですよ。それでぼくたちにしかできない楽曲ができるんです」
そのようなスタイルで楽曲ができるのは、メンバー同士の信頼関係が厚いからこそ。その秘訣は? という問いかけに対して、笑いながら「秘訣なんてないですよ」という言葉が返ってきた。
「メンバーは、演奏してないとき、立っているだけでも雰囲気がカッコいい人を選んだんですけど、たまたま運よく相性のいい3人が集まっただけなんです。ギター、ベース、ドラムの個性を立たせながらも、3つの楽器がうまく調和するように意識してますね」
3人のメンバーがステージに立って演奏すると、唯一無二のサウンドが奏でられる。音源で聴く楽曲とはまたムードが異なる。ライブでしか聴くことのできないその場限りのアレンジが加わっているのだ。
「音楽はそのときの気分で生まれるものだと思うんです。そのときの自分の気持ちを、いかに素直に表現するか。音源通りに演奏しても、曲は成長しませんから。もっと曲のイメージを広げていきたいんです」
バンドとしての目標について尋ねると、「ただ演奏するだけで、お客さんが自由に踊ったりして楽しんでくれる、そんなバンドになりたい」と答えてくれた。
「煽ったりせず、ぼくたちはいつも通りただ演奏するだけ。それなのにお客さんは大盛り上がりしている。そんな光景が見られるようなバンドにいつかなりたいですね」
自転車もクルマも、乗り味を確かめるのが好き。
音楽以外に長岡さんの好きなもの。それは自転車とクルマだ。移動はだいたいそのどちらかが多い。機材があればクルマ、それがなければ自転車でスタジオまで移動している。
「物心ついた頃からクルマが好きだったんです。道路を走るクルマを眺めながら、車種を言い当てるような子供でした。その後小学校に上がったときに、父がマウンテンバイクに乗るようになったのがきっかけでぼくも自転車が好きになって。自分のマウンテンバイクをずっと改造してたなぁ。いまでもそうなんですけど、単純にいじるのが楽しいんです。今日持ってきた自転車も自分で組んだんですよ」
どちらの乗り物を運転しているときも、共通しているのは、乗り味を確かめるということ。頭のなかで考え事はせず、どんな走りを見せてくれるか、ということに集中するそうだ。
「クルマにしても自転車にしても、モデルによって特徴があるでしょう? そのキャラクターを楽しむのが好きなんです。走行性であったり、乗り物によっておなじ道でも景色が変わって見えるから、その違いを楽しんでいますね。クルマの場合、ルーフが開くタイプのものは全開にして走ったりします。風をビュンビュン感じながら走るのが気持ちいい。なんか心が洗われた気分になるんです(笑)」
ジープはアメリカを代表する四駆。エンジンにパワーがあって豪快。
長岡さんがとくに好きなクルマのひとつは四駆だという。これも中学時代の経験がきっかけになっているそうだ。
「これも父の影響です。ぼくが小学四年生のときに四駆車を買って、父がずっと乗っていたんです。そのクルマがすごくカッコよくて、自分がはじめて買ったクルマも四駆にしたんですよ」
そう語る長岡さんはジープに対してどんなイメージを抱いているのだろうか?
「四駆って国によって特徴が変わるんです。日本の四駆、イギリスの四駆、ドイツの四駆、アメリカの四駆がそれぞれあって、デザインもそうだし、乗り味もそれぞれちがう。で、ジープはやっぱりアメリカを感じさせてくれるんです。なぜなら、エンジンにパワーがあって豪快だから。あと、武骨な車種がある一方でモダンで洗練されたモデルもありますよね。その幅広さがユニークだと思います」
今回、長岡さんに乗ってもらった「ジープ レネゲード リミテッド」は、コンパクトで都会的なデザインが魅力のクルマ。都市生活になじむ一方で、自然のなかへ出ても力強い走りを見せてくれる。
「最初みたときに不思議なフォルムをしているなぁと思いました。ヘビーデューティーな印象を残しつつ、独特のスパイスをかけてきたな、と。でも、近くで見てみたらやっぱりジープなんですよね。モダンだけど、所々にクラシックなデザインを見かける。乗り味は意外と引き締まっていて身のこなしもシャープ、これなら街中の運転も安心ですね」
このクルマを自由に使っていいと言われたら、どんなことをしますか? という問いかけには、こんな答えが返ってきた。
「キャリアにカヌーを乗っけて中禅寺湖にいきたいな。そこでデイキャンプをしたいです」
自分の考えていることを確認する場所。
運転をするのが好きだという長岡さんがクルマに乗ってよく出掛けるのが、東京・町田にある「ミリメーターズミュージック」。このお店では中古の楽器や機材、パーツを販売するほか、楽器のメンテナンスも行っている。
「すごくあたたかいお店で、高いギターがあれば安いギターもある。でも、スタッフの皆さんはどの楽器に対しても愛をもって接しているんです。お客さんもいろんな人がいて、プロも来れば、女子高生がいたり、ギターが好きそうなおじさんもいる。お客さんを選ぶことなく、どんな人が来てもおなじように対応する素敵なお店なんです」
お店に到着するなり、店内に置いてあるギターを端から端までくまなくチェックする長岡さん。楽器を注意深く眺める姿を見ていると、本当にギターが好きなんだな、と感じる。
「ココには月に一度くらい来ます。ギターを買いにきたり、メンテナンスをしてもらったり、なんの用事もないのに来ることもあります。単純にスタッフの方と話をするのも好きなんですよ(笑)。ギターの話はもちろん、共通の知人の話題とか、アウトドアの話や自転車の話もする。会話をしながら共感することも多くて、自分の考えていることを確認しにココへ来ているのかもしれません」
自分の価値観をもつことが大事。
最後に、長岡さんが生きる上でスタンダードにしていることについて聞いてみた。
「流されないということですね。自分の価値観を持つというか。買い物をするときなんかもそう。あのブランドの服を着ればカッコいいとか、そういうことじゃなくて、自分が好きなものを着ればいいじゃんってぼくは思うんです」
「自分の価値観をもつ」。ギター、クルマ、自転車と、自分の好きなモノを追求し続けてきた長岡さんだからこその説得力がそこにはある。
「世の中で起こっていることに対しても、ひと目見てそれを信じるのではなくて、一度疑ってみることが必要になっているように思います。どうしてこういう状況なんだろう? って考える。そうするとなにか発見があったりしますから。周囲の目や流れてくる情報に踊らされず、自分の価値観を信じて選択することが大事だと思うんです」
今回使用したクルマ
『Jeep® Renegade Limited』 ボディカラー : コロラドレッド C/C
Jeep® FREE CALL 0120-712-812
www.jeep-japan.com
Photo_Shinji Serizawa
Hair_AMANO
Text_Yuichiro Tsuji
Edit_Shinri Kobayashi
Produce_Kitchen&Company
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