My Jeep®,My Life. ボクとJeep®の暮らしかた。スタイリスト・望月 唯
ジープを中心としたコミュニティ・プロジェクト「CREATIVE GARAGE」では、ウェブマガジン『フイナム』、J-WAVEのラジオ番組「Jeep® CREATIVE GARAGE」と連動して、「現代のスタンダード」をテーマに新しい創造のきっかけとなるアイデアや情報の数々をお届けしています。今回は雑誌や広告、ミュージシャンの衣装を手掛ける、スタイリストの望月 唯さんが登場。音楽に影響を受けてきたという自身の生き方はもちろん、プライベートでも〈ジープ〉の乗る生粋のジープ愛好家として、望月さんのクルマのある生活について聞きました。
音楽に影響を受けてきた望月さんの原点。
雑誌や広告はもちろん、さまざまなミュージシャンや俳優のスタイリングを手掛ける望月 唯さん。モードなスタイリングを持ち味に、既存の概念にとらわれない新しいスタイルを打ち出している。その一方で、スタイリスト業とは別に自身のブランドを立ち上げるなど、積極的にファッションとの関わりを見せ、常にシーンへ刺激を与えている。また、プライベートではアウトドアに精通、キャンプや釣りなどのアクティビティを楽しむ一面も。ファッション以外のさまざまな事象と向き合い、自身の活動に活かしている。
今回は、そんな望月さんの渓流釣りの一日に密着。「ラングラー アンリミテッド」に乗り、山梨県の小菅村へと向かった。
「ぼくは静岡県の富士宮出身なんですけど、家の周りには山と川しかなくて。娯楽といえば釣りくらいしかなかったんです。だから物心ついた頃から釣りをやってたかな。小学校まではずっと釣りで、中学と高校は音楽が好きだったからバンドをやってました。地元でライブをやったりしていて、その当時はずっとこの先もバンドを続けるつもりでいましたね」
周りから尊敬を集める人には、必ずと言っていいほど“スタイル”や“生き様”がある。望月さんの場合、そのスタイルの中心に“音楽”がある。ロックに対して衝動的な憧れを抱き、アーティストたちのヴィジュアルはもちろん、彼らが音楽と真摯に向き合う姿勢、そしてそこから生まれるカルチャーにも影響を受けたという。
「ぼくが静岡でバンドをやってるときは、パンクスがすごく多かったんです。20センチくらいある髪を逆立ててモヒカンにしている人がたくさんいたりして、すごく恐かったんだけどなんかカッコいいみたいな(笑)。だからパンクにはすごく影響を受けました。既成概念を壊して再構築するっていう考え方や姿勢はそこから学びましたね。パンクって既存のものに対する反抗だから」
中学生のときからバンド活動をしていた望月さんは、卒業後に東京へ上京することになる。
「実家がトンカツ屋を営んでいて、元々は継ぐ予定で、高校を卒業したら親父に肉の修行してこいって言われて。それで最初、東京の肉屋さんに就職したんです。表向きはそんな感じだったんだけど、実際は東京でバンドをやりたかったから、理由はなんでもよくて(笑)。バンドメンバーも同じタイミングで上京して、しばらく一緒にやってたんですけど、自分が目指したい音楽とはちょっとズレが出はじめて、脱退することにしたんです。そのバンド自体は一度解散したんだけど、また再結成していまも活動していますね」
スタイリストとして生きていこうと決めた日。
音楽への情熱を燃やす一方で、望月さんはファッションに対する欲求も持っていた。80年代というさまざまな文化が生まれた時代に、映画『勝手にしやがれ』に出演していたジャン=ポール・ベルモンドのスタイルに影響を受けたという。
「高校生のときにフランス映画が好きで、ゴダールの『勝手にしやがれ』を見たんです。とにかくパリに憧れていて、高校3年のときに初めてパリに行きました。当時のぼくは〈クリストファー・ネメス〉の服が大好きで、それでライブをしたりしてたなぁ」
日本でファッションシーンが盛り上がりを見せはじめた80年代。ひとりパリを訪れた後の望月さんは、そんな時代背景であっても、日本のファッションシーンに対してまだまだ海外との差を感じていたと話す。
「それまでは音楽が自分の生活の大きな割合を占めていたけど、ちょうどRUN-D.M.C.のスタイルが日本に流れてきたあたりから、ファッションへの熱が急に上がってきたんです。情報源のひとつだった『宝島』でもヒップホップを取り上げていて、アディダスのジャージだったり、シューレースを通さずにスニーカーを履いたり、『これがファッションなの?』ってビックリして。いま思えばそれがファッションに目覚めるきっかけだったのかもしれないですね」
そんな望月さんがスタイリストを目指そうと思ったのは東京に上京して数年後のこと。就職した肉屋を辞め、バイトをしながら生活をやりくりするなかで、ある日ふと“スタイリスト”という言葉が気になったという。
「雑誌を見ながら、人に服を着せる仕事なら俺にもできるかな? って思ったんです。服が好きだし、自分はそういうの得意かもしれないなって。それでまずはアシスタントになろうと思って、師匠である井嶋一雄さんに出会って、いろいろと勉強をさせてもらうことになりました。はじめて会った次の日から現場に呼ばれて、そこでは広告の撮影をしていたんですけど、『こんな世界があるんだ! 俺はここで食っていこう』と思ったのをいまでも覚えています。師匠とは音楽の趣味も合っていろんな話をさせてもらいました。プライベートでも面倒見てもらって、映画やクラブにも連れていってくれたり。2年くらいアシスタントを務めたけど、本当に濃厚な時間でしたね」
その後、スタイリストとして独立した望月さんはさまざまな雑誌で活躍。いちばんはじめの仕事はフォトグラファーである伊島 薫さんが編集長を務めた伝説のファッション誌『ジャップ』だった。
「はじめての仕事でぼくは、エイズをテーマにファッションページをつくりました。それが結構評判よくて、自分の作品としていろんなところに営業を廻ったら、仕事をたくさんもらえるようになりましたね。雑誌だけじゃなくて、Blankey Jet CityやSMAP、宇多田ヒカル、シアターブルックなど、ミュージシャンのスタイリングや、俳優の三上博史さんの衣装も担当させてもらえるようになって。90年代後半から2000年代にかけてたくさんの仕事をさせてもらって、すごくいい時間を過ごすことができたと思っています」
スタイリストを生業にしてから23年。その間に望月さんが持ち続けてきたプロとしての信念はどういったものなのだろうか?
「スタイリングを上品に見せることですね。自分が影響を受けて、スタイリングにも反映させているロックやパンクの要素は、そのまま表現すると下品になりがちなんです。でも、ぼくはモデルの選び方だったり、コーディネートの組み合わせだったりで上品に昇華するよう意識しています」
イメージ通りのスタイリングではつまらない。ルールを壊し、いかに新しいものを創造するか。その考え方は、望月さんの原点であるパンクの思想とリンクする。
「モード、ストリート、アメカジ、ブリティッシュ。ひと通りのスタイルを通ってきたから、それを上手にミックスさせながら、新しいものをつくるのが好きです。いろんな要素が混ざっているから、ひと目見たときは既視感があるかもしれないけど、よく見ると新しい発見があるみたいな(笑)。そんなスタイルをつくりたいなぁっていつも思っています」
スタイリストはDJで、デザイナーは作曲家。
さまざまなフィールドでスタイリングを手掛ける一方、自身がディレクターを務めるブランドも展開している。2002年には〈RICO〉、2009年には〈HOWL〉をスタートさせた。
「それまでデザインはしたことがなかったんですけど、たまたま知り合いにやってみない?って言われて〈RICO〉はスタートしました。自分の原点である“ロック”をインスピレーションに服をつくっていましたね。そのときは人に頼まれてやっていたけど、どうしても自分の感性だけでブランドをやりたくて、その後〈HOWL〉を立ち上げたんです。その頃はもうスタイリストよりデザイナー業のほうが仕事の割合が多かった。服づくりは楽しい反面、すごく大変でしたね。服を生むことももちろんそうだし、それを上手に運営して軌道に乗せるのも生半可な気持ちではできない。ブランドを続けていくことの難しさを身をもって知りました」
スタイリストとデザイナー。どちらもファッションを通じて新しいスタイルを構築することに変わりはないが、やはりどちらも異なる職業だと望月さんは話す。
「スタイリストは音楽で例えるとDJなんです。曲と曲を繋げるように、できあがった服を使ってコーディネートをつくる。でもデザイナーというのは、その“曲”をつくる仕事なんです。スタイリングの場合、人の格好を見てアイデアが湧くことが多いけど、服をデザインする場合は、もっとコンセプチュアルでアイデアの出所が掴みにくい。そこにデザイナーとしての難しさを感じました」
現在、望月さんは〈Apple & Attitude〉というデニムブランドを立ち上げ、クリエイティブディレクターという肩書きでブランドの運営に携わっている。
「ぼくの他に、パタンナーさんやプレス、セールスの仲間と一緒にやっています。ぼくはデザインじゃなくて、ブランディングだったり、お店の内装とか、世界観をつくる部分を担当していて。まだ立ち上がったばかりなんですけど、是非注目して欲しいですね」
釣りをしているといろんなことを忘れられる。
音楽とファッションというふたつの軸を持つ望月さん。その柱の他に、もうひとつ大切にしているものがある。それが釣りだ。時間ができると、ひとり道具を持って魚を釣りに出掛けるんだとか。
「人と関わる仕事をしているから、たまにひとりになりたいときがあるんです。そうゆうときに釣りに行くかな。なんだか無になれるんですよ。ただひたすら釣りに集中していると、頭が空っぽになってリラックスできるんです」
釣りにでかけるといつも時間を忘れてしまう、と笑いながら話す望月さん。他に魅力を尋ねると、たくさんの服を扱うスタイリストならではの答えが返ってきた。
「道具を集めるのも楽しいですよ。釣具屋さんにいくと、もう本当にたくさんのツールがあって、どうやって使おうとか考えながら選ぶ時間が好きですね。もちろんそれを実際に使う喜びもあるでしょう? それが楽しい。渓流釣りは今年からはじめたばかりですが、結構ハマってます。今日は釣れてうれしかったなぁ」
川へ釣りに出掛けるときはクルマに乗って目的地へと向かう。そこでキャンプして、夜明けとともに起きて釣りにでかけるのが望月さんのスタイルだ。
「クルマを運転している時間も好きですね。ぼんやりと考え事をしているんです。仕事のことだったり、新しいプロジェクトのことだったり。そうやってアイデアをひねり出すのはクルマに乗っているときが多いかもしれないなぁ」
「ラングラー アンリミテッド」は都市生活にマッチしたクルマ。
自身の生活にクルマは欠かすことができないと話す望月さん。これまでに3台も〈ジープ〉を乗り継いできたという。
「いちばんはじめに乗っていたのは30歳の頃。当時乗っていたのは“XJ”と呼ばれている2世代目の『チェロキー』。その後、国産車も乗ったりしたんですけど、やっぱりジープがいいなってことで『リバティ(チェロキーの3世代目)』に戻ってきたんです。で、いまは4ドアの『ラングラー アンリミテッド』に乗っています」
望月さんが〈ジープ〉を選ぶ理由。それが気になる。
「結局四角いクルマが好きなんですよ。丸いクルマはなんとなく苦手で。国産のクルマも見てきたし、他のSUVもたくさん見てきたけど、やっぱりジープがかっこいいなって。すごく武骨だし、男臭いというか(笑)。飾り気がなくて、なんか愛着が湧くんですよね、ジープは」
今回望月さんに乗ってもらった「ラングラー アンリミテッド」は、ご自身で普段乗られているクルマと同じモデル。どうして望月さんはこのクルマを選んだのだろうか?
「さっきも話した通り、もともと『リバティ』に乗っていたんですけど、4ドアの『ラングラー アンリミテッド』が出たときに欲しいなぁとずっと思っていたんです。武骨さでいえばジープのなかではナンバーワンでしょう。それを奥さんに話したら、いいんじゃない? ってことになって、乗り換えたんです」
普段望月さんが乗っている「ラングラー アンリミテッド」は、色がカーキでどことなく渋い印象。ありそうでない色が気に入っているのだそう。一方で今回乗ってもらったブラックは、望月さんの目にどのように映ったのだろう?
「ジープのハードなイメージがより強調された印象です。都会的だし、落ち着いた雰囲気もあるし、ブラックもいいですよね」
乗り心地や機能面について尋ねると、「すごく満足している」と望月さんはさらに続ける。
「いまのクルマのほとんどがボタンを押してエンジンを起動させるけど、『ラングラーアンリミテッド』は鍵を挿してエンジンをかける仕様。その原始的な感じがいいんですよね。これから運転してやるぞ! という気にさせてくれるというか(笑)。あとは、エアコンもすごく効くし、スピーカーの音質も申し分ない。それにスタイリストという仕事柄、大量の衣装で荷物が多くなるんですけど、これは大容量だから、荷物が乗り切らないという心配もいらない。乗っていて不満はまったくないですね」
それに加えて、望月さんは都市生活との相性についても言及してくれた。
「都会でも乗りやすいサイズ感というか。コンパクトではないんだけど、細い道もいけるし、対向車を気にする必要もない。駐車場もだいたいこのサイズなら入るし、都市生活にすごくマッチするクルマですよね。もちろん、仕事だけじゃなくて、キャンプや釣りに行くときも乗れますし。いまの自分の暮らしに合っているように思います」
何にも惑わされず、自分の信念を曲げずに突き進む。
音楽とファッション、そして釣り。それぞれの事柄と本気で向き合い、楽しもうとする姿勢を教えてくれた望月さん。最後に、自身にとっての行動規範ともいえる言葉を教えてくれた。
「“Keep the faith”っていう言葉がいつもぼくの心の中にあるんです。ヘビメタのバンドでよく叫んでいる言葉なんですけど、『信念を保て』という意味があります。つまり、人生いろんなことにチャレンジするなかでも、自分が信じるものを曲げずに突き進んで行こう!ってこと。ぼくもこの言葉を信じて、やりたいことをずっとやってきました」
スタイリストとしての長い道のりを歩むなかで、自分の原点である音楽を軸に、その道を真っすぐ進んできた望月さんならではの説得力を感じる。
「ファッションの仕事をしていると、いろんなトレンドと向き合わなければならない。でもそれに左右されることなく、自分の好きなもの、自分の感性を信じてこれからもやっていこうと思っています。フリーランスだし不安になることも当然あるんですけど、なにがあっても信念だけは曲げずに頑張ってれば、ずっと気持ちよく生きていられる気がするんです」
今回使用したクルマ
『Jeep® Wrangler Unlimited Sport』 ボディカラー : ブラック C/C
Jeep® FREE CALL 0120-712-812
www.jeep-japan.com
Photo_Kazuhiko Tawara[magNese]
Text_Yuichiro Tsuji
Edit_Jun Nakada
Produce_Kitchen&Company