My Jeep®,My Life. ボクとJeep®の暮らしかた。歌手・一十三十一
ルーツは70~80年代のシティポップ。一十三十一さんと、神奈川県・秋谷海岸へ。
ジープを中心としたコミュニティ・プロジェクト「CREATIVE GARAGE」では、ウェブマガジン『フイナム』、J-WAVEのラジオ番組「Jeep® CREATIVE GARAGE」と連動して、「現代のスタンダード」をテーマに新しい創造のきっかけとなるアイデアや情報の数々をお届けしています。今回は歌手として活躍する一十三十一さんが登場。シティポップを奏でる彼女の音楽の原点、そして、クルマとの付き合い方についても迫ります。
四季のなかでは圧倒的に夏が好き。
2002年にデビューして以来、楽曲制作や音楽フェス、CM曲とマイペースに自身の音楽活動を続ける一十三十一さん。彼女が放つ落ち着きのある美声は、“媚薬系”や“シルキーボイス”と評され、艶やかな表情を帯びている。小沢健二やceroのバックコーラスを務めるなど、その美声は音楽業界でも評価は高い。近年では、同世代を始めとする熟練のサポートミュージシャンたちと共に、シティポップを取り入れたサウンドで多くのファンを獲得し、デビューから15年経った現在でも、ミュージック・シーンの最前線で活躍している彼女。今回は、一十三さんがクルマに乗ってよく訪れるという神奈川県の秋谷海岸を目指しながら、自身のルーツやスタンダードについて語ってもらった。
「私は海が好きなんです。葉山、横須賀、三浦半島、いろんな海岸線をドライブして、クルマに乗りながらいい感じのビーチを探すみたいなことをよくやっています(笑)。だから季節はやっぱり夏が好き。リリースする作品も夏をモチーフにしたものが多いですね。冬のあいだに夏のことを考えながら制作をして、7月頃にリリースをする。寒いのが苦手だから、そのサイクルがなんだか心地よく感じます」
一十三さんが暖かな季節を好む理由。そこにはご両親の影響がある。
「私は北海道出身で、親が『ビッグサン』というレストランを経営していました。そこはまさに常夏を表現したようなお店で、“トロピカル・アーバン・リゾート・レストラン”って例えていたんですけど(笑)。北海道はただでさえ夏が短いから、両親も暖かな季節に焦がれていたんだと思います」
“トロピカル・アーバン・リゾート”というフレーズには、一十三さんの音楽性とも通ずるものがある。先程話してくれたように、彼女が歌う曲は夏をモチーフにしたものが多いし、そこで奏でられる音色は都会的で、どこか大人のムードが漂っている。
「『ビッグサン』では山下達郎さんやユーミン(松任谷由実)さん、大瀧詠一さんの曲がBGMとして流れていたんです。風や海を感じるような解放感のある曲に胸がときめいて(笑)。それを聴きながら子供ながらに踊っていました。常夏な場所とシティポップ。それが私のルーツになっています」
アメリカに向いていた気持ちを東京に方向転換した。
小学生ながらにしてシティポップにのめり込んだ一十三さん。その後はフリッパーズ・ギターなど、“渋谷系”と呼ばれる音楽を聴くようになる一方で、山下達郎さんがかつて組んでいたシュガー・ベイブなどのバンドも並行して聴いていた。
「私が高校生の頃、音楽好きの兄と一緒に自分たちで曲をつくって収録をしていたことがあるんです。家の地下にスタジオをつくって音をサンプリングしていたんですけど、シュガー・ベイブを意識した曲をつくっていました。誰かに聴かせようとまでは考えてなかったんですけど、兄は楽器を弾いて、私は歌詞を書いてそれを歌っていたんです」
当時のことを振り返りながら「遊びながらつくってたんですけどね。でもそのときにつくった曲が私のデビュー曲になっているんです」と、笑いながら話す。彼女がプロの歌手になるきっかけが生まれたのも、その頃。
「さっきも話したように、大々的な音楽活動はしていなかったんですけど、ある日、オーディションがあるから受けてみない? と言われたんです。それは地元のラジオ局と大手のレコード会社が主催するもので、グランプリを獲るとCDデビューが約束されていました。私はグランプリは穫れなかったんですけど、審査員特別賞のようなものを頂いて、新人育成のスクールに通うことになったんです」
その後一十三さんは、DJたちと共に地元札幌のクラブやライブハウスで音楽活動をスタート。そのとき、たまたまレコード会社の人が彼女が歌う曲を聴き、東京でのデビューの話を持ちかけてきた。
「当時、私はニューヨークへ行こうとしていたんです。そこで生活をしようと思って。でも、ちょうどおなじ時期にテロが起きて、アメリカ行きは止めました。レコード会社の人と出会ったのはそのタイミングで、アメリカへ行きたいというエネルギーを、今度は東京に向けようと思って、デビューへの決意を固めたんです」
自分らしい、密度の濃いものができあがった。
デビュー後はどんなことを意識して活動していたのか? そんな質問を投げかけると一十三さんは、「いま思うと肩に力が入っていたのかもしれないけど、実験的で誰も聴いたことのないような新しいポップスを作りたいと思っていました」と答えた。2009年にリリースされた4枚目のアルバムまでは、そういった音楽性を追求していた。でも、BILLBOARD RECORDSに移籍して発表した5枚目のアルバム『CITY DIVE』以降は、彼女のルーツを表現した都会的なサウンドが特徴になっている。それはまさに原点回帰といえる。
「結婚や出産を経験して、考え方がシンプルになったんです。それで自分のルーツである80年代の香りがする音楽をやりたいなぁって思うようになって。あと、お休みをいただいているあいだに、Pan Pacific Playaやドリアンといった、私の奏でたい音楽を一緒につくってくれる仲間に出会えたのも大きいです。その人たちとは価値観を共有できたし、自然な流れで一緒にやろうってなって」
クルマで秋谷海岸を離れて、すぐ近くのカフェ「マーロウ」へ移動しながら、話は続く。
一十三さんがつくる作品には、それぞれテーマが設けられている。例えば、『CITY DIVE』は東京や横浜の都会的な姿をモチーフにしているし、その後発表した『Surfbank Social Club』や『Snowbank Social Club』では、影響を受けた80年代のカルチャーを反映している。2015年に発表された『THE MEMORY HOTEL』は、これまでの現実的な世界観から抜け出して、幻想的な物語を描いた。
「コンセプトアルバムをつくるように、私たちはテーマを決めてから、そこに当てはめるように楽曲をつくるんです。脚本をつくって、ストーリーを固めて、ひとつの映画をつくるようなイメージで曲やヴィジュアルを制作していたんです」
しかし、先日リリースされたばかりの『ECSTACY』では、そういったテーマやストーリーはもうけていないという。
「いままでとは違う作品をつくりたいと思うようになったんです。プロデュースは『CITY DIVE』から一緒にやっているドリアンくんにお願いしました。アルバムに入るすべての曲をひとりの人にお願いするのは今回が初めてだったんですが、彼のつくる曲はどれも気持ちよくて、本当に頼んで正解でしたね。コンセプトを設けていないぶん、私らしさというか、密度の濃いものができあがったと思います」
彼女が歌手として大事にしていること。それは一体どんなことなんだろうか?
「日々の生活ですね。食事をしたり、運動をしたり、生活のすべて物事に対して意識を高く持つことが、歌手としての活動にも活きてくるんです。子供が生まれて自分の時間が少なくなった分、さらにそういうことを考えるようになりました。少ない時間をいかに気持ちよく過ごすかは、集中力を高めるしかない。それをするにはひとつ一つのこととしっかりと向き合って、高いモチベーションで臨むしかないんです」
レネゲードはドライブが楽しくなるクルマ。
音楽活動をしていない時間も大切だと語る一十三さん。それは家族と過ごす時間も一緒だ。週末になるとクルマに乗って家族と遠出をする。それが彼女にとっての定番になっているそうだ。
「秋谷海岸はよく来るんです。さっきも話しましたけど、海が好きだから。子供と浜辺を探索したり、疲れたらカフェ『マーロウ』へ来てプリンを食べて、お茶をしながら休憩する。大体そうやって週末を過ごしています」
クルマに乗るとき、絶対に欠かすことができないのがドライブ中のBGM。
「私にとってドライブは、日常であり、特別な時間でもあるんです。クルマは音楽を聴くのに最適な環境だから、音に集中できるというか。とくに遠出するときなんかは、自分の好きな曲をたくさん持ってでかけます。その時間が幸せなんです」
音楽に対するこだわりが強い一十三さんは、イコライザーを調整し、クルマのスピーカーの音質を自分好みに設定するほど。普段はどんな設定をしているのだろう?
「ダンスミュージックを聴くときもあれば、歌ものを聴くときもあるんですけど、低音も高音もしっかりと聞こえるように設定しています」
今回彼女に乗ってもらった「レネゲード(TRAILHAWK Beats Edition)」は、このクルマのために特別にチューニングされたBeatsAudio™の高音質スピーカーが搭載されおり、音楽好きにはたまらない仕様になっている。彼女の耳に、このスピーカーの音はどのように響いたのだろう?
「うわぁ、すごくいいですね! いままで乗ってたクルマとは全然ちがう。当たり前だけど、イコライザーで設定した通りの音が鳴っているし、高音も低音もぼやけずにクリアに聴こえます。曲のメロディーがしっかり聴こえる上に、低音も心地よい振動を与えてくれるというか、音楽に包み込まれる感じがします。これはドライブが楽しくなりますね」
続いて一十三さんは、女性目線で「レネゲード」のデザインや運転性能に関しても言及した。
「ちょうどいい感じの力強さとかわいさがあって、好きですね。色も鮮やかで素敵です。運転もすごく快適でした。車高が高くて視野が広いし、思った以上にコンパクトだから小回りもきく。女性でも乗りやすいクルマだと思います」
その性能を確かめるように、ゆっくりとハンドルを操作する一十三さん。北海道出身の彼女は、〈ジープ®〉に対する憧れがあったと続ける。
「北海道は雪がたくさん降るから、SUVは生活に欠かせないんです。それこそゲレンデに行くのもそうだし、子供の頃はクルマに乗ってキャンプに連れていってもらったり。自然と遊ぶ生活をしていたから〈ジープ®〉は憧れなんです。自然だけじゃなくて都会の景色にもなじむし、素敵だなぁって思っていましたね」
毎日気持ちよく。そして、自然の流れに身を委ねる。
音楽を通じて小さな頃から“都会”というものに間接的に触れ、やがてそれを体現し先導するようになった一十三十一さん。この企画では恒例となった、人生を送る上でのスタンダードについて尋ねてみた。
「毎日を気持ちよく過ごすこと。そして自然体でいること。コレに尽きますね。悩んだりクヨクヨすることがあっても、自然の流れに身を任せていれば大丈夫というか(笑)。無理して明るくしようとすると、逆にしんどくなったりするので。なるようになる、と言ったらありきたりかもしれないですけど、希望や目標さえ持っていたら、きっと無意識のうちに自分の行きたい方向へ進んでいると思うんです。だから力まずに、自分の力を信じるように私はしています」
今回使用したクルマ
『Jeep® Renegade Trailhawk Beats Edition 』 ボディカラー : オマハオレンジ C/C
Jeep® FREE CALL 0120-712-812
www.jeep-japan.com
Photo_Fumihiko Ikemoto
Text_Yuichiro Tsuji
Edit_Shinri Kobayashi
Produce_Kitchen & Company