進化の先に、世界の頂がある

日本サーフィン界の長年の夢であった世界最高峰のWSL CT（チャンピオンシップツアー）参戦を決めた都筑有夢路。国内をベースに活躍しているサーファーとしては、史上初の快挙だ。STJはJeepの協力を得て、期待の若手サーファーのオフの一日をともにした。

ずっと目標は、ワールド・タイトル獲得。今、手ごたえを感じています。

今、日本でもっとも注目されているサーファーと言ってもいい都筑有夢路。世界最高峰のサーフィンのプロリーグ、CT（チャンピオンシップツアー）に日本人のレディスサーファーとして初めて参戦を成し遂げた。CTで戦える女子サーファーは世界でたった16人という狭き門だ。その快挙はサーフィンメディアだけでなく、新聞やテレビでも大きく報道された。

▲2019年、スペインで開催されたQS（クオリファイングシリーズ）最高グレード『ABANCA Galicia ClassicSurf Pro』を制した都筑有夢路。これがCT（チャンピオンシップツアー）、クオリファイへの大きな一歩に。

2019 年、有夢路は下部ツアー（QS）での年間順位は8位だった。CT昇格条件の7位にもう一歩と涙をのんだが、シード権を持つ選手が来季をキャンセルしたことにより、繰り上がった。

“シンデレラガール”と騒がれたが、本人は「努力した結果」といたって冷静で、メンタルの強さを見せた。そして、「目標は、ワールドタイトルです」ときっぱりと口にする。現在、プロで活躍する兄・百斗の影響を受けて小学校5年生でサーフィンを始めて以来、その夢は不変だ。

▲快挙にライバル達も祝福。

本来なら、今シーズン、目標に向かって世界の海を飛び回っているはずだが、このコロナ禍により、すべての大会がキャンセルになってしまった。だが、「大きな目標があるからがんばれる。だから、試合がなくても気にしてないです」と、あくまでもポジティブだ。

現在、有夢路は兄とともに、地元の湘南・鵠沼を離れ千葉・一宮で暮らしながら、サーフィンとフィジカルトレーニングに励む日々を送っている。

「とにかく、トレーニングばかりしています。サーフィンは好きなことだからすごく楽しめてやれるけど、トレーニングはキツいから大変です」

だが、日々の積み重ねによって、“手ごたえ”の実感は増している。

「トレーニングの成果で、この日本の小さい波でも上手く乗れている気がするので、CTの波だったらもっと理想通りできるだろうと思っています」

▲「自分のサーフィンの武器は、パワーサーフィン。得意としているので、これからも突き詰めていきたいです」日々のトレーニングを経て、さらにキレと力強さをアップさせている。

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