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2022.11.10

オールニューのコマンダー&標準ボディのグランドチェロキー。最新Jeepの2台同時試乗会を報告!

Jeepグランドチェロキー
先代以上に巨大な塊が地を這うイメージ

気になっていたのは、2列シート仕様をどのように呼ぶかだった。先に国内導入された3列シート版のLはロングを意味していたから、今度はショートとするのか? 試乗会で発表された呼称は、標準ボディ。確かに、それこそが正解なのだろう。

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▲『ジープ グランドチェロキー (Jeep Grand Cherokee)

グランドチェロキー Lを見せられていただけに、1日も早くこの目で見たかったのが、この『ジープ グランドチェロキー (Jeep Grand Cherokee)』だった。記憶の中のL版とくらべてみると、より筋肉質で塊感が高まっているように思えた。試乗で与えられたリミテッドが艶めくブラックボディだっただけに、さらに引き締まって見えたのかもしれない。

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基本デザインはグランドチェロキー Lと同一。エクステリアは、1962年に登場したワゴニアに触発されたというロングルーフ、ロングフード(ボンネット)、シャークノーズを特徴とし、攻撃的とさえ思うルックスになっている。一方でインテリアは、ドライバーの目の前に広がるダッシュボードから室内後部まで流れる滝をイメージし、いい意味で外観を裏切るような、上質で優雅な雰囲気を醸し出している。

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いずれにしても、ビッグサイズだ。先代グランドチェロキーで最長のサミットと寸法を比較すると、全長こそ10㎜(サミットリザーブは20㎜)延長した4,900㎜に留まっているが、全幅は35㎜広い1,980㎜。ホイールベースは50㎜長い2,965㎜と、いずれもサイズアップしている。ただし全高は10㎜ほど低くなっているので、先代以上に巨大な塊が地を這うイメージが増したと言える。

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V6を上回る直4ターボのトルク。そして新たな4xeの設定

今回上陸した標準ボディのリミテッドで特筆すべきは、1,995㏄の直列4気筒DOHCターボエンジンが搭載されている点だろう。L版に積まれているのは3,604㏄のV型6気筒DOHCなので、パワーにユニットの小型化を行ったことになる。その理由は、新型コマンダーがディーゼルエンジンをチョイスしたのと同じく、環境への配慮とボディサイズとのマッチングによるものらしい。

DSC0348 オールニューのコマンダー&標準ボディのグランドチェロキー。最新Jeepの2台同時試乗会を報告!

マッチョな感性では、やはり大きなエンジンのほうがよさげに思うかもしれない。そんな意識で2リッターのグランドチェロキーを走らせてみたが、すぅっと立ち上がるパワーに一切の不満を覚えなかった。後にスペックを調べてみたら、V6の最高出力は286psで最大トルクが344Nm。対する直4ターボは276ps/400Nm。さしたる違いはないどころか、最大トルクで直4ターボが上回っているのは驚いた。あるいは力不足と感じなかったのは、応用が利く8速オートマチックトランスミッションとの連携が功を奏しているのかもしれない。

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パワーやトルクはさておき、ドライビングフィールで感銘を受けるのは、風格を湛えるクルマをゆとりある室内空間で操作するという、あえて言えば王様のような気分だ。どこまでもひたすら行進していける貫録を楽しませてくれるのは、グランドチェロキーならではの世界観だと思う。

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今回の標準ボディ導入に伴う最大のトピックは、件の直4ターボエンジンとプラグインハイブリッドシステムを融合させた、リミテッド4xeとサミットリザーブ4xeの設定だ。モーターのみで最長53㎞の走行が可能になるらしく、試乗会で用意されなかったのが非常に残念だった。フルモデルチェンジに合わせてNVH(Noise、Vibration、Harshness:振動や騒音など乗員が不快に感じる要素)を低減させたとエンジニアが語っていたから、そこにモーター走行が重なればさらなる静粛性の高さを感じ取れたかもしれない。これは次の機会にぜひ確認したいポイントだ。

DSC_1370 オールニューのコマンダー&標準ボディのグランドチェロキー。最新Jeepの2台同時試乗会を報告!

DSC_1409 オールニューのコマンダー&標準ボディのグランドチェロキー。最新Jeepの2台同時試乗会を報告!

しかし、誰にとってもそのチャンスはすぐに巡ってくるだろう。何しろ3列シートのL版に続き、4xeを含む標準ボディのグランドチェロキーが発表されたのだ。「新しいグラチェロは2列シート版を見てから」と決め込んでいた人々にしても、ついに胸が高鳴るタイミングが訪れることになる。

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Text:田村 十七男
Photos:安井 宏充(Weekend.)

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