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2022.11.10

オールニューのコマンダー&標準ボディのグランドチェロキー。最新Jeepの2台同時試乗会を報告!

10月24日に国立科学博物館で行われたプレスカンファレンスに先駆け、神奈川県横浜市のザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜で、JeepコマンダーとJeepグランドチェロキーの試乗会が開催。注目の最新Jeepに触れた感想を、モデル別で報告する。

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Jeepコマンダー
ミッドサイズSUVに対して真摯に向き合ったクルマ

“コマンダー”という車名に聞き覚えのあるJeepファンも多いだろう。あえて先代と呼ぶコマンダーは2005年に発表され、当時はJeepのフラッグシップモデルとして君臨した、大柄でボクシーなデザインが特徴的なモデルだった。
一方で今回の『ジープ コマンダー(Jeep Commander)』は、試乗会での説明によれば2代目でも後継機でもないそうだ。現在のラインナップでは、2021年で発売終了となったJeepチェロキーのポジションを引き継ぐ、ミッドサイズSUVという位置付けになるという。
これは一つの結論だが、まったく新しいコマンダーは、このミッドサイズSUVというワードに対して、実に真摯に向き合ったクルマだったのである。

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▲『ジープ コマンダー(Jeep Commander)

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実物のサイズ感が、まずミッドだった。最大7名乗車が可能な3列シートを備えていると聞いていたので、相応の迫力があるだろうと思っていたし、実際に目の当たりにしたコマンダーは十分に大きかった。
話は一旦サイズから離れるが、デザイン面では光り物の使い方が印象的だった。前後のピラーをつなぐクロームストリップは、グランドチェロキーで見られた外観上の特徴だ。インテリアでも要所で用いられたその光り物が高級感――プレスリリースに倣えばプレミアム感を醸し出しているので、単体でコマンダーを眺める限り、実際の寸法にとらわれない堂々とした風格を備えていた。

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ところが、その日の試乗会で用意されたグランドチェロキーを横に並べると、確実に一回り小さいのである。
いや、小さいと言えば誤解を招くかもしれない。全長ではJeepコンパスの4,420㎜に対して350㎜長く、グランドチェロキーの4,900㎜から130㎜短い4,770㎜の体躯は、Jeepのアーバン寄りモデル群の中でまさにミッドのサイズ感を保っている。その意図の明確さが興味深かった。

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新型コマンダーの主要トピックスにも挙げられていた3列シート。これもまた今日のミッドサイズSUVではマストアイテム化しているそうだが、収め方の巧みさに感じ入るつくりだった。

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今回導入されたワングレードのリミテッドは3列目のシートまで革張りなので、6名以降の乗員を付属的な椅子に座らせるつもりがないのは明らかだ。だが、そこはミッドサイズゆえ先例のグランドチェロキー Lほどの余裕がないのは事実。一方で3列目及び2列目のシートは、倒し方次第で容量スペースの多彩なアレンジが可能になる。自由度の高い空間設計は、ミッドサイズSUVを求める家族にとって好条件になるだろう。

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Jeepだから実現できる唯一無二のプレミアム感

注目すべきは、Jeepでは国内初導入のエンジンタイプだ。1,956㏄のターボ―チャージャー付直列4気筒DOHCディーゼルエンジン。これを選んだのも、燃費を含めミッドサイズSUVにふさわしい環境への配慮が理由になったそうだ。

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とは言え、ガソリンエンジンより非力なのではないかと訝しがる方がいるかもしれない。そこで、Jeepコンパスが積む2,359㏄直列4気筒マルチエア16バルブのスペックを持ち出してみる。コンパスのガソリンエンジンの最高出力は175psで、最大トルクは229Nm。対するコマンダーのディーゼルエンジンは170ps/350Nm。この数値にどれほどの遜色があるだろうか。
実際のドライビングフィールも、古い頭で考えるディーゼルのイメージを一瞬で吹き飛ばすほどスムーズで快適。9速オートマチックトランスミッションとのマッチングのよさとも相まって、コマンダーのサイズ感にフィットしているように感じられた。

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DSC_1273 オールニューのコマンダー&標準ボディのグランドチェロキー。最新Jeepの2台同時試乗会を報告!

新型コマンダーに総じて言えるのは、あらゆる点でまとまりがよいこと。ミッドサイズSUVに求められる多くの要素を確実に備えた上で、見事に収め切った勘所は好感が持てた。より重要なのは、セレクテレインシステムやヒルディセントコントロールなど、高次元の走行安定性を担保するテクノロジーを惜しまず投入することで、Jeepだから実現できる唯一無二のプレミアム感を湛えたミッドサイズSUVを提案したことだろう。サイズや乗車定員を基にした枠組みを超えて、どんなときでもJeepはJeepであるという姿勢を、この新しいコマンダーも継承している。

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