コマンダーとグランドチェロキー、2種のNew Jeepが同時発表。国立科学博物館で行われた特別なプレスカンファレンスをレポート!
去る10月24日、東京・上野の国立科学博物館で、まったく新しいミッドサイズSUVのJeep コマンダーと、2列シート5人乗りの標準ボディとなるJeep グランドチェロキーの発表会が行われた。久しぶりの対面開催となったプレスカンファレンスの模様と、注目の2モデルの要点を報告する。
地球で進化を遂げてきた生物と
時代とともに進化を止めないJeep、その共通点
1931年に竣工した歴史的建造物の日本館前にダークカラーのJeepが並んだ姿はもちろん、地球館地下2階で行われたプレスカンファレンスの雰囲気も、かつてないほど特別なものだった。
天井を泳ぐように吊るされた、かつてこの星に生息したという巨大生物の骨格標本。Jeepは、国立科学博物館とコラボする初の自動車ブランドになった。
思い返せば2022年は、初頭にJeepグランドチェロキー Lが、夏前には『ジープ グラディエーター(Jeep Gladiator)』が国内発売されるというニューモデルラッシュの年だった。ただしそれらの発表は、コロナ禍におけるオンラインに留まった。ゆえに今回は久しぶりの対面形式で、なおかつ2台同時のニューモデル発表となれば、Jeepサイドにも並々ならぬ意気込みがあったのだろう。
機能性とプレミアム感が融合、
グランドチェロキーの流れを汲むコマンダー
プレスカンファレンスは、前後半に分けて2台のニューモデルを紹介。最初は用途が広い7シーターのSUVである『ジープ コマンダー(Jeep Commander)』。それに合わせて、まずはコマンダーの3つの特徴を紹介する。
●機能性とプレミアム感が融合する新世代デザイン
●高効率で力強いターボエンジンを搭載
●最大7名まで乗車可能な3列シート
内外のデザインは、グランドチェロキーのプレミアムなイメージにインスパイアされたと話したのは、本国のインテリアデザイン担当だ。
「エクステリアでは、7スロットのフロントグリルや台形のホイールアーチなど、JeepのDNAであるデザインモチーフを踏襲しながら、グランドチェロキーで採用したクロームストリップを側面に走らせ、Jeep独自の新たな高級感を印象付けました。インテリアも、インストルメントパネルはメタルフレームで囲む様式としましたが、レザーシートのナチュラルな質感とのバランスによって、上質で快適な空間になっています」
その言葉通り、外観はすでに目にしたグランドチェロキー Lの流れを汲んだ、前後に長いスマートな、かつ大柄な印象を受けるが、グランドチェロキーのそばではサイズ的に一回り小さく、ミッドクラスらしい凝縮感を覚える。その取り回し感覚や、あるいは国内導入Jeepで初のディーゼルエンジンがいかなる走りを見せてくれるかは試乗が楽しみだ。
注目の価格は、Stellantisジャパン Jeepブランドマネージャーの新海宏樹氏から発表された。グレードはリミテッドのみで税込597万円。プレスカンファレンスと同日の10月24日に受注を開始。さらにコマンダーの情報を伝えるオフィシャルウェブサイトでは、Jeepブランド初の「3Dコンフィグレーター機能」を導入するという。
▲Stellantisジャパン Jeepブランドマネージャーの新海宏樹氏
これは、エクステリアとインテリアを3次元360度で展開できるシステムで、今後は他のモデルでも随時取り入れていくそうだ。コマンダーで初導入した理由について新海氏は、「ターゲットがデジタルリテラシーの高い30代から40代なので、よりリアルなクルマ選びと商談において、3Dコンフィグレーター機能が必ず役立つ」とした。
グランドチェロキーに4xeモデルが登場
コマンダー編から5分の休憩を挟み、最初に登壇したのはStellantis インドアジア太平洋地域セールスマーケティングオペレーション上級副社長のビリー・ヘイズ氏。国内のJeepイベントでも姿を見せるヘイズ氏は、今回のニューモデル追加によって、ラインナップ構成のみならず、新たなJeepファンの参加によるグローバルレベルのファミリー感が高まると笑顔で語った。
▲Stellantis インドアジア太平洋地域セールスマーケティングオペレーション上級副社長のビリー・ヘイズ氏
後半のグランドチェロキーもまた、3つの要点を先に伝える。
●低燃費・高トルクを両立した、同モデル初のプラグインハイブリッド車を設定
●モーターのみで最長53㎞走行可能。エンジンは2リッター直列4気筒DOHC
●街中での取り回しに優れた5名乗車の2列シートを備えた標準ボディを採用
▲『ジープ グランドチェロキー フォーバイイー(Jeep Grand Cherokee 4xe)』
内外装の基本デザインは、すでに先行上陸しているグランドチェロキー Lと同一。Lより全長で300㎜短くなった標準ボディは、いかにもグラチェロらしい塊り感、ないしはマッチョな雰囲気が戻ってきたように感じた。
特に注目すべきは、国内導入モデルでは『ジープ レネゲード フォーバイイー(Jeep Renegade 4xe)』に続く4xe(フォーバイイー)モデルの投入だ。Jeepには、2030年までに全ラインナップでEVを用意する計画があり、冒頭でも「電動化が進化の鍵を握っている」と話した。その波に乗る形でグランドチェロキー4xeが登場したわけだが、レネゲードとは異なる大きな体躯がどのような走りを披露してくれるのか、これも試乗で十分に味わいたいポイントだ。
2列シート5人乗りのグランドチェロキーで「ラージSUVセグメントの首位奪回を目指す」と宣言した、Stellantisジャパン Jeepプロダクトマネージャーの渡邊由紀氏が発表したグレードと税込価格は以下の通り。
リミテッド 2.0L(ガソリン) 892万円
リミテッド 2.0L(ガソリン)サンルーフ仕様 910万円
リミテッド 2.0L 4xe(プラグインハイブリッド) 1,037万円
サミットリザーブ 2.0L 4xe(プラグインハイブリッド) 1,227万円
▲Stellantisジャパン Jeepプロダクトマネージャーの渡邊由紀氏
多くの報道陣が詰めかけた今回のプレスカンファレンス。開催場所の特別感もあり、すでに各方面で報じられた記事をご覧になったJeepファンも少なくないだろう。だからこそ知りたいのは、コマンダーとグランドチェロキーの走りに他ならないと思う。実は、プレスカンファレンスに先駆けて試乗会が行われている。次回は、その様子を報告する。
Text:田村 十七男
Photos:大石 隼土