【REPORT】Jeeper&遊びの達人・藤村育三さんが主催する新感覚プライベートジム『BEAST TRAINING COLOSSEUM』に潜入!
RealStyleの常連で、世界中からアドベンチャートリップのレポートを届けてくれるJeeper×遊びの達人・藤村育三さんが、2021年11月に“野性を鍛える、本能を磨く”をテーマにしたプライベートジム『BEAST TRAINING COLOSSEUM』をオープン! 「入会条件は35歳以上」「完全紹介制&審査あり」「場所非公開」「トレーニングマシンなし」といった独自のスタイルが感度の高い人々の心をつかみ、オープン以来その場所では、“BEAST Family(入会したメンバー)”たちが切磋琢磨しているという噂が……。そこで今回は、JeepのDNAに共鳴する“オトナの秘密基地”に潜入した。
生き物としての本能を磨く──完全紹介制のプライベートジムが誕生
都内某所。『BEAST TRAINING COLOSSEUM』は、会員のみが場所を知るプライベートジムとして今密かに話題を呼んでいる。BEAST(ビースト)にCOLOSSEUM(コロシアム)……まずそのネーミングからして普通なわけがない。そう、こだわりしかない。何にこだわるのか? ずばり“野生”と“本能”だ。
このジムをオープンした張本人は、デザイナー・アートディレクター・プロデューサーなど多彩な顔を持ち、サーファー・パドラー・旅人としても国内外を飛び回る“遊びの達人”こと藤村育三さん。藤村さんは生粋のJeeperとしても知られ、これまでRealStyleではアドベンチャートリップ企画などで幾度も登場している。
ジムがオープンしたのは2021年11月30日。まずホームページを開くと、トップページにある躍動した野生のヌーの写真と、「Sharpen your Instinct(生き物としての本能を磨く)」という文字が目に飛び込んできた。一見しただけでは「これはジムなのか……?」という疑問が生まれる。ただしその内容を読み進めていくうちに、ここは一般的に私たちがイメージするジムとは“何もかもが違う”ことに気づくのだ。
『BEAST TRAINING COLOSSEUM』は完全紹介制のプライベートジムであり、なおかつ審査に通った方のみが“ビーストファミリー”として入会できる(2022年の秋までは紹介なしで入会できる特例あり。要問い合わせ)。そして年齢は35歳以上。さらに会員の人数は100人までの制限を設け、オープン後の1次募集は20人のみからスタートし、以後は基本的には2ヵ月に一度ずつ募集を行っていった。そこには完全自己責任かつモチベーションが高いマインドのコミュニティをつくる──そんな藤村さんの意図が感じられた。現に入り口の扉には、ジムの名前の頭文字である“B”のロゴの下に、“ENTER AT YOUR OWN RISK”と書かれている。
会員以外に場所が非公開のジムは、倉庫を一棟まるまるリノベーションした建物にある。のちほど詳細は紹介するが、1Fが少人数のための超プライベートなプリミティブトレーニングコロシアム、3Fがアニマルフロー/ムーブメント専門のスタジオ「OROKEW」、そしてルーフトップラウンジも備えている。
会員であるビーストファミリーは、朝6時から夜10時まで、スマホの認証システムを使って自由に入れるシステム。さらにウェブカメラで常に館内を公開しているため、ファミリーはジムの混雑状況や他の人のトレーニングを、WEBからリアルタイムで見ることができる。ちなみにジムの名前に“コロシアム”と入っているのは、カメラ=常に観客がいる中でトレーニングをすることから由来していた。
取材当日、ジムへ訪れるとすでにウォーミングアップ中の会員の方と藤村さんの姿が。挨拶もそこそこにふたりは向き合い、正座して黙想──「よろしくお願いします」の挨拶で、本日のトレーニングがスタートした。
マシンは一切なし!プリミティブかつゲーム性の高いトレーニング
『BEAST TRAINING COLOSSEUM』の大きな特徴は、いわゆる“マシン”がないこと。その代わり、自然光がたっぷりと差し込む天高6mの広々とした空間には、サーモンラダー・スラックライン・雲梯・ウッドペグなど、遊び心とゲーム性を兼ね備えたプリミティブな器具が24個そろっている。そのどれもが日本のジムではあまり見かけない、素人目にはどのように使うのかもわからないようなものばかりだ。
なおかつジムのコンセプトに賛同した世界トップレベルのアスリートたちが、会員たちのトレーニングを鼓舞するアドバイザー(通称“アルファビースト”)となり、プログラムやワークショップをオリジナルで考案。現時点でアルファビーストには、総合格闘技界のレジェンド・佐藤ルミナさんや、RealStyleにも度々登場していただいているプロスキーヤーの小野塚彩那さん、ブレイキンの世界チャンピオン・Steezさんなどが名を連ねている。
本日のトレーニングは2kgの重縄跳びから始まり、ファンクショナルトレーニングや雲梯をしながらのミット打ち、6kgのヘビーボールを使ったキャッチボール、懸垂、ボクシングなど。見ているこちらの息も上がるようなトレーニングばかりだが、どのトレーニングも“正しい体の使い方”と”力の抜き方”を意識した内容になっているとともに、見せかけの筋肉をつけることではなく、生涯を通して動ける体をつくることが目的。ここでは「人生を楽しむために動き続けられること」がBEASTの定義となっている。
藤村:入会後はメンバーに目標と到達するための期限を設定してもらい、逆算してトレーニングメニューを一人ひとりにカスタムメイドします。ゴールは「大会で表彰台に登る」とか、「歩く姿勢が美しくなる」とかなんでもいい。この前すごくいいなと思ったのは「ハイキックできるようになりたい」で、その人は50歳で不動産の会社をふたつ経営していて、本も出しているような仕事も遊びもバリバリの方です。ただし「キレイになりたい」とか「カッコ良くなりたい」みたいな漠然とした目標は、捉え方が人それぞれ違うので却下してます(笑)。目標は具体的に決めてこそ進化しますし、現時点で会員の方たちに成果は出てきていますよ。
万全の状態で仕事も遊びも楽しみたい、ビーストの体とマインド
この日のトレーニングに参加していた白井さんは現在37歳で、広告代理店業やアパレル業などの会社を経営している社長。藤村さんとはかねてから親交があり、2ヵ月前からトレーニングに励んでいるという。
白井: 5歳から21歳までサッカーをやっていたのですが、大学で怪我をして続けられなくなりました。怪我をしたあともフットサルなどはやっていましたが、次の日には膝に水が溜まってしまうような状態で。仕事では大学4年から会社を経営して今年で15年目ですが、これまでは経営も大変でしたし、いろいろな理由から運動を遠ざけて15年間も体を眠らせてしまいました。ただしコロナ禍でさすがにこのままじゃまずいと感じ、そのタイミングで育三さんがジムをオープンしたので、これはチャンスだと思ってすぐに入会しました。
白井さん曰く「入会前の体験ではフラフラになるほどトレーニングがハードに感じた」そうだが、動ける体を作ろうというジムの方針と、万全な状態で仕事も遊びも楽しみたいという自身の目標が一致したことから、体験の1週間後ぐらいにはすでに、ビーストファミリーの仲間入りをしていたそうだ。
白井:トレーニングを始めて今ちょうど2ヵ月ぐらいですが、もう10キロ痩せました。「このジムで効果が一番出ている!」って自負するぐらい、恩恵を受けています。体を動かすことはずっとやりたかったけど、膝の悩みがあって諦めていました。ただし育三さんは、そういった僕の悩みを考慮してメニューを組んでくれるので。自分的にもジム以外の時間で、朝晩のストレッチやコンディショニングと呼ばれるメニューは2ヵ月で一度も欠かしていません。週1でここへ来ることも欠かさず、夜9時から昼の12時まで食事を取らないことも継続できています。そうしたら10キロ痩せることができましたし、今はすごくコンディションもいいです。
そして白井さんの変化は体だけではなく、マインドにも確実に現れ始めている。
白井:僕の中では「トレーニングしてプロになろう!」みたいなことではなく、日々ずっといいマインドを保つ状態をつくってもらっているイメージです。自分の誕生日がある8月までの目標体重をすでに達成できたので、今は8月になったらサーフィンをがっつりやるという目標を再設定しています。ただ体を鍛えるというよりは、自分の楽しみを見つけてそのために鍛える。それが自分のライフスタイルの目標でもあるんです。