反響を呼んだJeep® 協賛の『世界の野球グローブ支援プロジェクト』 元メジャーリーガー・岡島秀樹さんが今後への期待や想いを語る
Jeep® が今年から協賛を始めた、世界の子どもたちに野球用具を贈る『世界の野球グローブ支援プロジェクト』。7月1日の受け付け開始以来、全国のジープ正規ディーラーには、事前の期待を上回る野球用具が寄せられている。開始直後に、新聞紙上とウェブで同プロジェクトへの協力を呼び掛けていただいた元メジャーリーガーの岡島秀樹さんに、反響が大きかったことへの感想や今後の展開への期待などについて話してもらった。
読売新聞社が独立行政法人国際協力機構(JICA)の協力を得て、2016年度から実施している『世界の野球グローブ支援プロジェクト』は今年で4年目。世界各国への野球の普及を目的に、用具がなくて野球ができない世界の子どもたちに、グローブやバットなどを贈るとともに、「野球指導のためのプログラム」としてプロのコーチを現地に派遣し、実技指導を行っている。
年々、徐々に支援の輪が広がり、昨年度は4902個の用具が寄せられ、ザンビアやブルキナファソ、スリランカ、フィジーなど世界15ヵ国の子どもたちに寄贈した。
野球の普及のために
同プロジェクトへの協力を呼び掛けていただいた岡島さんも、実際にジープ正規ディーラーに足を運び、自身が現役時代に使っていたグローブやバットを寄贈してくれた。
「反響が大きかったと聞いて、僕もそれにご協力できてよかったなとうれしく感じています。メジャー時代、ボストン(レッドソックス)に所属していた時に、『ジープ チェロキー(Jeep® Cherokee)』に乗らせていただいていて、なにかご縁があったんでしょうね。路面状況が日本ほどよくないアメリカでは、足回りがよくて安定性が高いJeep® は本当に頼りになりました。
やはり、野球発祥の国、アメリカのJeep® だったからこそ、世界に野球をさらに広めるというプロジェクトの狙いが、ユーザーの方々にわかりやすく伝わったのだと思います。それで反響が大きかったのではないでしょうか。
僕は今回、現役時代の最後の数年に使っていたグローブと、子どもたちが使っていたバットなどを寄贈させていただきました。自分が贈った野球用具が世界のどこかで、野球の普及のために役立っていると思うと、ちょっと誇らしい気持ちになりますね」
小学校2年生の時に、二つ年上の兄に続いて野球を始めて以来、高校時代の甲子園出場、名門巨人での獅子奮迅の活躍、そして世界最高峰のメジャーのマウンドといったように、着々と野球選手としてのキャリアを積み上げてきた岡島さん。その傍らには、常に“よき相棒”としての野球用具があった。
「野球選手である以上、用具を大切にするのは当たり前のことで、親や指導者に言われるまでもなく、ごく自然に手入れはしていましたね。毎日歯を磨くのと同じで、それをしないなんて考えられません。僕はピッチャーだったので、グローブとボールとスパイク。この三つは、心をこめて手入れしていました。ピッチャーなので、グローブへのこだわりは野手の方ほどではないように思われるかもしれませんが、僕の場合はこだわりましたね。
まずは大きさ。自分に向かってきたライナーをはたき落とせるように、大きめに作ってもらいました。
それと重さ。投げる前に両腕を広げた際、うまく左右のバランスがとれるよう、ほどよい重さに調整していました。それでも、手仕事なので、同じ重量で作ってもらっても、微妙に重さの感覚が違うんです。それで一番しっくりくるグローブを1番手、次を2番手といったように順番を付けて、使っていました」
日米で野球をしたからこそ見えてきたビジョン
もともと「日本球界で野球人生を終える」つもりでいた岡島さんが、メジャーリーグに目を向けるきっかけとなったのが、北海道日本ハムファイターズへの移籍だった。当時監督だったトレイ・ヒルマンさんや、メジャーから日本球界に復帰したばかりの新庄剛志さんから話を聞き、個人のプレースタイルを尊重するメジャー流が、「自分に合っているかも」と思うようになったそうだ。メジャーでは、ボストン・レッドソックスとオークランド・アスレチックスとで通算6シーズンをプレーし、渡米1年目の2007年には、中継ぎエースとしてワールドシリーズ制覇に貢献した。
「用具を大切にするという点では、メジャーリーガーも同じなのですが、やり方が日本とは違いますよね。たとえば、たまに三振したメジャーの選手がバットをへし折ったりするシーンを目にしたりしますが、悔しい気持ちを抑えきれなくてそうしているだけで、用具をないがしろにしているわけではありません。折れたバットをチャリティ―に出品して、その売り上げを寄付したりしています。折れたバットもちゃんと役に立っているんです」
アメリカ滞在中には、野球、さらにはスポーツに対する考え方、指導方法についても、日本との違いを痛感したという。
「アメリカだと、野球で試合をする際に、選手それぞれに九つのポジション全部をプレーさせるようなことをするんです。誰だって、キャッチャーって嫌じゃないですか。プロテクターとかレガースを付けて、動きづらいし、夏場は暑いし。でも、あえて全員にそれを経験させる。その代わり、みんながやりたがるピッチャーもできる。それでみんなのモチベーションが上がるんです。野球に限らずですが、アメリカではスポーツは楽しくなければいけない、という考えなんです。
日本もそうなってほしいですよね。昔ほどではありませんが、サッカーと比べると練習時間は長いですし、それが嫌で野球を辞める子もいます。指導者の方の意識の改革が必要だと思います。僕も機会があれば、指導者の方の指導などにも参加したいですね」
ジープ正規ディーラーでの野球用具の受け入れは、10月31日(木)まで続けられる。寄付した方には、『UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)』とJeep® のコラボによる限定“ラバーブレスレット”がプレゼントされる(数に限りあり)。
『世界の野球グローブ支援プロジェクト』の今後の展開について、岡島さんは次のように期待を寄せてくれた。
「プロジェクトも4年目を迎え、認知が徐々に高まっている中、今年から、Jeep® が協賛に加わり、活動に勢いがついたように感じます。さらにこの輪が広がってくれればと期待しています。用具の寄付はもちろんのこと、これからは実技指導により力を入れていただければと思います。たとえば、いまはグローブの寄贈の際に指導者が一緒に訪ねて教える形ですが、定期的に訪問するとか、各国の指導者を日本に招いて、一斉に野球の指導方法などを教えるとか、より手厚いサポートをお願いできればと思います。その中で、僕にできることがあれば、何でも協力するつもりです」
【Information】
世界の野球グローブ支援プロジェクト
募集期間:2019年 7 月 1 日(月)~ 10月 31日(木)
※ウェブ登録の締め切りは 2019 年 10 月 30 日(水)
※野球用具は 2019 年 10 月 31 日(木)必着
寄贈対象となる野球用具(硬式・軟式どちらも可):野球用グローブ(左右問わず)、ボール、バット
※おもちゃの野球用具、ひもが切れているグローブやボール、ヒビが入ったバット等はお受けできません。
応募方法:glove.jpのサイトより募集期間内にウェブ登録のうえ発送いただくか、全国のジープ正規ディーラーにお持ちください。
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Text:二居隆司(読売新聞社広告局)
Photos:繁田統央(読売新聞社広告局)
撮影協力:ジープ世田谷