Interview

2013.05.10

クラブ・シーンのトップ・ランナー、カール・ハイドが考える、車と音楽の関係性

再来日も決定した7月末のフジロックへ、Jeep®と共に出掛けよう!

リック・スミスと共に “アンダーワールド” を結成したのが85年。そして96年公開の映画『トレインスポッティング』で使用された「Born Slippy」によって、その知名度は世界的なものとなる。今なおテクノ~クラブミュージック・シーンのトップランナーとして走り続けるカール・ハイドが、4月初旬、東京と大阪で開催されたビッグ・フェスティバル「SonarSound Tokyo 2013」のために、久々の来日を果たした。常に多忙を極める彼にとって、クリエイティブなモノ作りに費やす時間と、のような特別な空間で過ごす時間は、一体どのようなものなのだろうか。キャリア初のソロアルバム『エッジランド』の話題と共に、様々な興味深い話しを聞くことが出来た。
──4/10にリリースされたばかりの最新作であり、かつ、自身のキャリア初となるソロ・アルバムということで大変な話題となっている『エッジランド』。まずはこのタイトルの意味するところを教えて下さい。
『エッジランド』は、地理的に言えば都会の一番端の境界線、ちょうど田舎へ移る地域のことを言うんだ。都会の華やかさが廃れて、決して美しくは無く、廃墟のような場所もある。忘れ去られた土地で人もあまり近寄らず、注目もされない…そういった場所ではあるけれど、そこに住む人たちは、何か独特の逞しさや魅力を持っていると感じる。地理的な場所を示すと同時に、そこに住む人たちの持つ精神、主流に迎合しない生き方、そういうアウトサイダー的なスタイルや考え方の魅力を表しているのさ。
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より小さく親密な物作りへの思い

──アンダーワールドとしてこれまで長く音楽シーンのトップランナーとして走り続け、昨年にはロンドン・オリンピックの音楽監督も務める等、大きな足跡をアンダーワールドとして残してきたわけですが、今回、どのような思いで、ソロ・アルバムの制作へと向かっていったのですか?
特にオリンピックというのは大変大きなイベントで、とても多くの人が関与しているよね。当然、期待も大きく、物凄く大きな組織としての仕事になってしまうのに対して、自分のバランスを取る意味でも、より小さく親密な仕事や物作りをしたいと強く思うようになったんだ。ここ数年、ブライアン・イーノと音楽制作を行ってるんだけど、その影響もあったかもしれない。ソロ・アルバムというものに向かって行ったのも、何か自然な流れだったと感じているよ。
──アンダーワールドとしての作品作りと、自身のソロとしての作品作りでは、意識の上でどのような違いがありますか?
アンダーワールドでは、リックと僕、お互いがそれぞれ作ったものをファイルで交換するという制作方法を長い間続けていて、一緒にスタジオに入って物作りをするという作業はなかなか無かったんだ。だけど今回は、レオ・アブラハムスという素晴らしいギタリストと共に、一緒にスタジオに入り曲を書き、意見を交換し合いながら、レコーディングやミックスも行った。素晴らしい時間だったね。同じ空間で、意見を交わしてモノを作って行く作業が、凄く好きなんだ。
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──アルバムからの先行シングル “The Boy With The Jigsaw Puzzle Fingers” のミュージックビデオでは、あなた自身が様々な場所を歩き、手で触れ、今自分がいる場所を確認していくかのような映像がとても印象的でした。『エッジランド』の世界観を表す素晴らしい作品だと感じましたが、この映像を作る上でのコンセプトがあれば、教えて頂きたいと思います。
先日のソナーでも上映したんだけど、キエラン・エバンスという監督と僕とで作った「The Outer Edges」という映像作品からの抜粋だね。今作のデラックス・エディションに入っているDVDに収められているよ。エッジランドと呼ばれる地域もそうだし、この世界で僕がどのようにして日々生きているか…。様々な場所を歩き、見つめて、その場所の音を聴いて感じたことを、いつも持ち歩いているノートに書き留めてゆく。そんな様子を、彼が映像に押さえてくれてたんだ。僕がどのようなことから刺激を受けて音楽を作っているかを表現しているのさ。
──4月上旬に日本でも開催されたソナーでは、本邦初となるバンドセットでのライブを披露しました。東京と大阪でのパフォーマンスを終えられて、どのような感想を持ちましたか?
今回のバンドは本当に素晴らしかったよ。彼らは人間的にもプレイヤーとしても優れた人物ばかり。初めて日本に来るメンバーもいたけど、子供のようにキョロキョロしてるのを見て、昔自分が初めて日本に来た時のことを思い出させてくれたね(笑)。ライブ自体は、東京では機材トラブルもあったけれど、それに動揺すること無く、皆しっかりとプレイしてくれたし、自分達自身ライブをとても楽しむことが出来たんだ。オーディエンスも素晴らしい反応をしてくれて、本当に嬉しかったね。
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──今年の7月に行われるフジロック・フェスティバルにも出演が決定しましたね!次回の来日ではどのようなセットを予定していますか?また、再び日本でパフォーマンスすることを、どのように感じてますか?
フジロックでは、セットもより大きくなると思うし、アンダーワールドの曲もいくつか増えるかもしれない。日本の皆も、その頃には『エッジランド』を今よりもっと聴いてくれてると思うから、どの曲が人気があるかも参考にしながら、セットリストを選んで行こうと思っているよ。あと、いくつか驚くような演出も考えているから、それも楽しみにしていて。フジロックに招待されるだけでも光栄だけれど、ましてやメインステージに出演出来るなんて、最高に嬉しいよ。

まるで魔法のように光ったダッシュボード

──”Real Style” は、Jeep® が発信しているカルチャーマガジンですが、車はライフスタイルと密着したこだわりの物であり、そこには音楽というものがとても深く関連していると思います。こういった車の中の空間であったり、ドライブをしている環境、またその時の気分によって、聴きたい音楽は変わってくることがあると思うのですが、あなたは「限定された空間で聴く音楽」を考える上で、「自分が今いる状況や空間」によって、セレクトする音楽はどのように変わってきますか?
車の中で音楽を聴くという体験は、僕にとても影響を与えていると思う。子供の頃には、父親の車によく一緒に乗ったけれど、特に夜なんかはラジオをつけるとダッシュボードが魔法のように光って、その先に道が見えるのが本当に美しくて、まるで映画のようだった。それは今でも鮮明に覚えていて、ちょっとしたロードムービーみたいだよね。今でも、車で出掛ける時は、特に長い旅であればある程、その土地のラジオをつけて映画のサウンドトラックをイメージしてみるんだ。車を運転すること自体が、映画の主人公になるような感覚なのさ。
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──では最後に、アンダーワールドとしての活動やソロとしての活動、さらにはTOMATOの動きも含めてアートの分野においても、あなたの今後の活躍を楽しみにしている日本のファンへ、メッセージをお願いします。
今年は、『エッジランド』のアルバム・ツアーで世界中を回ってみたいね。またアート作品では、手掛けているものがあと少しで出来上がるから、完成出来た時には僕らのホームページのアートセクションで公開するよ。あとは、そろそろリックとも、次のアンダーワールドの次作について話し合っていこうと思っている。来年にはアンダーワールドとしての新作を届けられるように頑張るから、楽しみにしていて欲しいね。
アンダーワールドとして世界的な知名度を誇るかたわら、アートや映像、写真に至るまで、様々なフィールドで精力的な活動を続けるカール・ハイド。「ダッシュボードが魔法のように光った」という言葉もとても印象的だったが、車と音楽の関係性というものは、やはり彼にとっても何か特別なものなのだろう。今年も7月末に開催されるフジロックに、メインステージでの出演が決定したカール。苗場までの道のりを、例えば Jeep® のような特別な空間の中で、これから目にするライブをイメージしてみる…そんな楽しみ方も悪くはないだろう。

EVENT INFORMATION

※このイベントは終了しました。

『Jeep® Presents “The Real Music Show” vol.01』
開催日:2013年6月5日(水)
会場:SHIBUYA O-EAST
出演者:TOKYO No.1 SOUL SET / 田島貴男(ORIGINAL LOVE)/ ペトロールズ
開場 / 開演: 18:00 / 19:00
料金:前売り \ 3,000 / 当日 \3,500 (共にドリンク代別)
チケット販売:ローソン(Lコード:77608)/ e+ / EAST店頭 / tixee / ぴあ

※チケット発売日:4月20日(土)AM 10:00~

>>詳細はコチラより:http://jeep-real.jp/real-music