Jeep®を巡るアツい戦い!2016年ワールド・サーフ・リーグ(WSL) 準優勝の五十嵐カノア、パイプマスターズを振り返る Part 10
手応えと自信を掴んだルーキーイヤーの締めくくり。唯一の日本人サーファーである五十嵐カノアが準優勝の舞台裏を語る
Jeep®がパートナーシップを結ぶ2016年ワールド・サーフ・リーグ(WSL)のチャンピオンシップ・ツアー(CT)。2016年シーズンは12月のハワイ・ノースショアで行われたパイプマスターズで幕を下ろしたが、その中でCT唯一の日本人サーファーである五十嵐カノアが快進撃を続け、準優勝という快挙を成し遂げた。
しかも、これまで11度もワールドチャンピオンに輝いたことのあるケリー・スレーターや、2016年の最終ランキングを2位でフィニッシュしたジョディ・スミスといったトップランカーを抑えての準優勝。その快挙はいかにして成し遂げられたのか? カノア自身が語った。
「パイプマスターズの前に行われたブラジルでのQS(クオリファイングシリーズ)6000で優勝して、2017年のCTリクオリファイが確定していたっていうのは少なからず精神的に影響していたよ。それまでずっと受けてきたプレッシャーからひとまず解放されたわけだからね。それでパイプマスターズは『自分のやりたいようにやってみよう』っていうプランでいけたんだ。そうしたらこれまでずっと勝ち抜けなかったラウンド3を勝ち上がることができた。さらに、次のラウンド4でケリーとジョディに勝って海から上がってきたときに、頭の中でカチッと繋がって、自分の中でどうやって戦えばいいのかわかった気がしたんだよね。これだっていう感触があったんだ。」
「パイプマスターズで普通にファイナルまで勝ち上がっただけでもすごい自信にはなったと思うけど、パイプのスペシャリストでもあるケリーに加えて、ジョディっていう世界のトップの選手に2回ずつ勝ってファイナルに行けたのが、自分の中では特別になったよね。ラウンド3の対戦相手だったジュリアン(・ウィルソン)だってパイプマスターズで勝ったことのある選手だし。
「自分の場合、エンジョイしようって思って臨んだのがいい結果に繋がったんだと思う。実際に、パイプラインっていう世界有数のサーフポイントなのに、海の中に2人しかサーファーがいないって、すごいことだからね。フリーサーフィンだったら、海の中に50人とか60人とかいることなんか当たり前の場所。自分の場合はそうした自分なりの戦い方を最終戦で見つけられたけど、CTで戦う上ではそうしたメンタル的なことがすごく重要だって気づいた1年だった。」
「今年は去年よりいいランキングを出せるというのは100%の自信がある。それは間違いない。去年はまだ体も小さかったし、イベントごとにここはどんな大会なんだろうって手探りだったからね。今年はどんなボードを持って行ったらいいのかっていうのもわかっている。食べるところだって、泊まるところだって、練習する場所だってわかっている。だから今年のツアーが楽しみだよ」
手探り状態だったルーキーイヤーを終えて、フィジカル的にもメンタル的にも大きく成長した五十嵐カノア。着実に階段を一歩一歩、いや数段飛ばしで駆け上がる姿を目の当たりにしていると、カノアがワールドチャンピオンの証であるJeep®のイエロージャージ姿を目にすることができる日は、そう遠くないことなのかもしれないと思う。
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Text:Surftrip Journal & NALU
Photos: WSL